Maxwell, James Clerkとは? わかりやすく解説

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マクスウェル (Maxwell, James Clerk)

マクスウェルという人は

ジェームズ・クラーク・マクスウェル ジェームズ・クラーク
マクスウェル

スコットランドエジンバラはグレンシアの裕福な領主家系ファラデー電磁誘導発見した年に弁護士の子として生まれた弁護士父親無類科学好きで、仕事合間科学実験趣味とし、エジンバラ王立協会定例会議学者の話を聞くのが無上の楽しみという人物であった

胃がんにより8歳で母を亡くしたマクスウェルには教育係として家庭教師つけられるが、幼いころから才気あふれたマクスウェルは家庭教師を困らせた。 マクスウェルの質問難解なものが多く次第にマクスウェルの興味家庭教師では満足させられなくなり家庭教師辞めてしまう。

家庭教師による教育あきらめた父は10歳のマクスウェルをエジンバラ叔母のもとへ送り、マクスウェルはエジンバラ中学へ通うようになる14歳最初論文卵形線と多焦点曲線作図法”を仕上げ、この論文エジンバラ大学物理学教授フォーブス代読した。 代読理由は「半ズボンの子供服がエジンバラ王立協会壇上に立つのはいかがなものか?」だったそうである。 この論文によりマクスウェルはエジンバラ大学入学許可されるが、父親の「16歳まで待つように」との助言従い入学を見送る。

1847年エジンバラ大学入学1850年ケンブリッジ大学入学し奨学生となる。 1856年アバディーンのマーシャル・カレッジの物理学教授25歳就任ちなみにニュートン教授職についたのは26歳であった1871年ケンブリッジ大学初代実験物理学教授として迎えられる

マクスウェルの主な経歴

1856年、”ファラデー力線について”の論文発表するファラデーがいう電気力線磁力線力線流体流線置き換え電磁誘導発生する誘導起電力磁束時間的変化であるとして数学的に表現した。 この過程ベクトル的なものも生まれ始めている。 ファラデー研究結果読んで数学使っていないものの、その研究手法は全く数学的であると感じたマクスウェルは、電磁気の諸現象について数学的な統一という考えを持つようになる。 マクスウェル以前電気数学的に取扱うことを実践したのはW・トムソン静電気に対して試みた程度であった

1861年W・トムソン提案電気単位標準化に関する会議開催した。 マクスウェル、ジュールW・トムソンジーメンスなどが参加しウェーバーの提唱する電磁気単位であるc.g.s系、e.m.u系の採用決定された。 また、電気単位の名前はその発見にもっとも関係が深い人の名採用することとした。とりわけ電気抵抗単位決めることが急がれた。

1861年、”物理的力線について”の論文発表する。 マクスウェルの電磁気論文第二である。第一論文に続いて力線流体置き換えた流体媒質中のうず流がもつ運動エネルギー(4πCρv^2)とW・トムソンがいう磁気エネルギー積分表現(B=μH)を比較し、 この比較式と第一論文中誘導起電力式を対比し、これを静電現象あてはめ誘電体のように電流流れていなくても微粒子変位電流生ずるという変位電流電束電流)の概念誕生する。 どうも難解理解されなかったらしい。

1864年電気抵抗単位オーム決定。マクスウェル、スチュアートジェンキンなどの実験から抵抗単位オーム決定される

1864年、”電磁場力学的理論”という論文発表する。 マクスウェルの電磁気論文第三であり、これまでの集大成である。 電磁気についてはエピヌスの遠達作用論、ファラデー近接作用論があったが、 電磁場電界磁界)という概念から近接作用として理論展開していく。 電磁誘導の法則アンペールの周回積分の法則はずいぶん現代に近い形になり、 これにマクスウェルのオリジナルである変位電流導入して空間時間軸加えた四次元一般化座標用いた波動方程式完成させた。 マクスウェルの方程式呼ばれるこの式は ニュートンの運動方程式古典力学金字塔とされるのに対し電磁気学金字塔位置づけられる。 マクスウェルの方程式優れている点は電磁気現象をすべて説明できる留まらず、”電場消去して磁場のみが現れる式”、 ”磁場消去して電場のみが現れる式”を導くことが可能であったことがあげられる。 これらはいずれ横波対す波動方程式の形になり、 この式から電磁波が光と同じ速度空間伝播する解を得て電磁波存在予言する。 のちにヘルツ実験により電磁波存在実証する

1871年光の電磁波説提唱する。 すでに光と等速である電磁波については予言していたマクスウェルであるが、ここで、電磁波こそ光の正体であると提唱する。 「ウェーバー測定した3.1×10^10[cm/sec]が光速と同じであったのは偶然ではない。光の媒質電磁気的媒質は同じと考え十分な理由がある」とわざわざファラデー手紙送っている。 これは、ファラデー効果カー効果現れる光と電磁波相関関係速度一致屈折率の関係などから、光も電荷振動であり、 波長の短い電磁波であるとしたものであったが、当時そのような振動をする電荷発見されておらず、あくまで推論であった。 これが証明されるにはゼーマン登場を待たねばならない

1873年、”電気磁気論”の発刊。 マクスウェル電磁気理論集大成4部作になっているそれぞれに静電気学動電気学、磁気学、電磁気学収められている有名な著書である。 冒頭ではベクトル計算法書かれており、概念的なベクトルから算術的ベクトルへここで脱皮している。 マクスウェルの方程式第4部第4章でようやく現れる数学的にとても難解なもので当時の人には理解されなかった。

ジェームズ・クラーク・マクスウェル

ファラデーによる電磁場理論をもとに、マクスウェルの方程式導いて電磁気学確立する19世紀のもっとも重要な物理学者一人で、電磁波存在理論的に予言しその伝速度光速度と同じで横波であることを証明した気体分子運動論基礎づけたほか、分子速度分布としてしめす確率的概念導入して統計力学への道をひらいた。 このほか、色円板考案して色混合法則などの色彩学や色感研究熱力学原理などの成果でも知られている。 いずれもそれぞれの学問分野で現在では基礎とされており、一人人間成し遂げた仕事としては、今もなお天才奇跡とされている。

優れた物理学者多数輩出したことで歴史上有名なキャベンディッシュ研究所キャベンディッシュ遺産ケンブリッジ在任中に設立し、その初代所長終身務める。 キャベンディッシュ非公開研究発見整理し世に出す。 母と同じ胃がんのため、48歳若さこの世去り入れ替わるかのようにアインシュタイン生をうける

マクスウェルの死後彼の理論多く科学者研究されるようになり、マクスウェルの理論熱中する人を称して”マクスウェリアン”という言葉ができた。

アインシュタイン言葉にこんなものがある。「ジェームズ・クラーク・マクスウェル‐彼と共に一つ時代終わり、彼と共に新し時代始まった




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