M60_(天体)とは? わかりやすく解説

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M60 (天体)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 18:34 UTC 版)

M60
Messier 60
仮符号・別名 NGC 4649[1]
星座 おとめ座
見かけの等級 (mv) 8.8[2]
視直径 7' × 6'[2]
分類 楕円銀河 (E2)[1]
発見
発見日 1779年4月11日[3]
発見者 ヨハン・ゴットフリート・ケーラー英語版[2]
発見方法 望遠鏡による観測
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  12h 43m 40.008s[1]
赤緯 (Dec, δ) +11° 33′ 09.40″[1]
赤方偏移 0.00369[1]
視線速度 (Rv) 1105 km/s[1]
距離 6000万光年[2](約18Mpc)
M60の位置
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座標: 12h 43m 40.008s, +11° 33′ 09.40″ M60(NGC 4649)はおとめ座楕円銀河である。

概要

大きな銀河で、その周りには非常に微かな球状星団が取り巻いている。右の写真で、大きなM60の右上にある渦状銀河がNGC 4647である。ホルトン・アープは、M60はNGC 4647に接近して擾乱を起こしている銀河であるとして、1966年のアープ・アトラスで Arp 116 として取り上げている[2]。M60はおとめ座銀河団の中でも大きな楕円銀河で、2000年のハッブル宇宙望遠鏡の観測では、太陽の約20億倍の質量が中心部に存在することが分かっている[2]

双眼鏡で捉えることも可能だがかなり困難である[4]。口径10cmの望遠鏡の80倍程度の広視界のアイピースを使うとM59と同じ視野に捉えることができる[4]。口径20cmの望遠鏡では隣接するNGC 4647も捉えることができる[4]。口径30cmの望遠鏡ではM59,M60の周囲に5つもの銀河が集中している様子が見えてくる。

2004年1月28日に、Ia型超新星SN 2004Wがリック天文台によって観測されている[2][5]

観測史

1779年4月11日に、ヨハン・ゴットフリート・ケーラー英語版が彗星を観測中にM59とともに発見した[2]。その翌日、イタリアの天文学者バルナバス・オリアニ英語版はM59は見逃したもののM60を独立して発見している。ケーラーの発見の4日後の4月15日にはシャルル・メシエM58、M59と同時に発見している[2]。メシエは「M58、M59よりはっきりしている。3個の星雲に星を含まない」と記している[3]ウィリアム・ヘンリー・スミスは「二重星雲。中心距離は2'~3'。先行する方はひどくかすか。明るい方がこれに後続する。1779年のメシエの記載は不完全である。北と南に1個ずつ星が置かれ、93倍の視野は小さな星雲でにぎやかだ。M59の北西は縁と上部に小さな方が見え、実に4個の星雲が一度に見える」と記した[3]。ウェップは「二重星雲で後続する方は極端に微かで、3.7インチでは見えない。広視野でM59の北西と南西にぼんやりとしたものが見える」とした。

出典

  1. ^ a b c d e f g SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M60. 2016年3月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2007年8月30日). “Messier Object 60”. SEDS. 2016年3月21日閲覧。
  3. ^ a b c Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年3月30日). “Messier 60 Observations and Descriptions”. SEDS. 2016年3月21日閲覧。
  4. ^ a b c M60”. メシエ天体ガイド. AstroArts. 2016年3月21日閲覧。
  5. ^ List of Supernovae”. 国際天文学連合. 2016年3月21日閲覧。



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