Klaviertrio Es-Dur Op.1-1とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > ピティナ・ピアノ曲名 > Klaviertrio Es-Dur Op.1-1の意味・解説 

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調

英語表記/番号出版情報
ベートーヴェンピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調Klaviertrio Es-Dur Op.1-1作曲年: 1793-95年  出版年1795年  初版出版地/出版社Artaria 

作品解説

2011年8月 執筆者: 丸山 瑶子

 正確な成立時期は不明だが、スケッチ研究の成果から第1番ボン時代作曲されヴィーン改訂されたと推定されている。本作品は当時ピアノ・トリオには異例の4楽章構成をとり、作曲家自負現れか、既にOp. 1とされたWoO 40とは別に改め作品番号1を持ち、《Grand Trio 》として広告出された。献呈先は師のハイドンではなくリヒノウスキーであり、作曲家一筋縄にいかぬ性格伺える。

 第1楽章ソナタ形式。主要主題では前楽節スタッカート分散和音上行と後楽節のスラー付き下行旋律バランスを取る。副主題冒頭は主要主題楽節和音進行思わせるホモフォニック楽節繰返し和音進行装飾するヴァイオリン8分音符リズム後続楽段との自然な繋がり生む

 展開部は主要主題分散和音動機、副主題後半の上音階を伴う2小節旋律音形、コデッタの2度進行と、呈示部素材が順に活用される

 再現部では和声リズム変化(第205、213-214、228小節)が呈示部より安定性低め音楽長大コーダへと促す推進力となっているようだコーダでは、展開部現れずにいた副主題群の冒頭楽節用いた転調楽章内で最も切迫した分散和音動機応答というように、展開部と並ぶほどに素材加工される

 ロンド形式第2楽章では弦楽器、特にチェロ自立性注目される確かに回帰する主題変奏装飾的な音形の殆どを担うピアノ優位性はまだ高い。しかし第1エピソードではピアノ伴奏上で弦楽器旋律呼応し転調集中する第2エピソードでは3つの楽器主旋律声部交替するに従って調が移り行く。またコーダではチェロ主題断片導入するなど各楽器旋律として十分に聴かせどころを持つ。

 第3楽章冒頭刺繍音形が全体支配する活発なスケルツォと、弦楽器和音上でピアノ滑らかに動くトリオ対照的冒頭モットー動機に1小節1拍と数えられる長い音価順次進行が続く、というスケルツォ冒頭と同じタイプ楽節は、同じくボン時代作品改訂したOp. 4第3楽章にもある。スケルツォでは、隣り合う多くの楽段の始め終わり小節重なり音楽次々思うまま変転するように淀みなく進む。また楽章冒頭半音進行楽章調性をぼかすこと、中間部冒頭で3声の模倣となると思いきやヴァイオリン真の主題呈示は4小節遅れることなども、楽章奇想的な性格一因だろう。

 終楽章は、冒頭跳躍音形、推移部の弱拍強拍を繋ぐ2音の動機(第38小節~)、ターン刺繍音形の連続(第94小節~、第104小節~)、コデッタの倚音からの2度下行などが推進力生む躍動感溢れた楽章である。

 展開部属調平行調始まり冒頭主題終結主題推移部のリズム利用した音階下行というように呈示部素材続いた後、後半では半音中心弦楽器進行ピアノ分散和音連続となり、最後に主調属和音引き延ばされ再現部準備される

 再現部では副主題終り分散和音動機リズム縮小していき、コーダに入る。跳躍動機連続続き第1楽章同じく展開部現れなかった副主題楽節基づいて転調していく。その後展開部後半終結主題とその変形経て再び跳躍動機回帰し最後主調カデンツ繰り返され楽章が終わる。コーダ長さ素材の多様性半音階介したホ長調変ホ長調衝撃的な転調などの点で展開部以上に充実した内容を持つ。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Klaviertrio Es-Dur Op.1-1」の関連用語

Klaviertrio Es-Dur Op.1-1のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Klaviertrio Es-Dur Op.1-1のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
社団法人全日本ピアノ指導者協会社団法人全日本ピアノ指導者協会
Copyright 1996-2024 PianoTeachers' National Association of Japan

©2024 GRAS Group, Inc.RSS