魚類のイクチオボド症原虫とは? わかりやすく解説

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魚類のイクチオボド症原虫 [Ichthyobodo necator]

 魚類寄生するイクチオボド原虫はコスチア属とされていたことから、病名が"コスチア症"とよばれ、日本では1938年コイキンギョにこの寄生病が発生したが、その後はあまり問題にはされなかった。ところが、最近養殖されているサケ科魚類ヒラメ稚魚トラフグにもかなり高率発生して養殖業界で問題になってきた原虫病である。
症状はイクチオボド原虫上皮細胞寄生して、この原虫特有の突起細胞内伸ばして、その栄養摂取するので細胞壊死(えし)し、多数寄生し場合にはの上皮が広く崩壊して出血し浸透圧異常になる。とくにこの原虫病が降海性のサケ科魚類発生すると、海水適応できなくなり海へ降りた直後大量に斃死(へいし)する。
イクチオボドは鞭毛虫類の中の動物性鞭毛虫類キネトプラスト目ボド類の1属で、広く世界分布して感染も多い。淡水性サケ科魚類コイでは上記原虫種であるが、海水性のヒラメトラフグでは同属別種(Ichthyobodo sp.)である。体は比較小さく(8-10μm)、2本の鞭毛で泳ぐ。その形は泳いでいるときは円形で、寄生しているときは紡錘型である。寄生する場合付着盤で細胞取りつき原虫の口から突起をだして栄養分吸いとる。とくに(えら)や(ひれ)へ寄生しやすい。
治療にはホルマリン薬浴する方法が有効であるが、その流出避けるために飼育池などの閉鎖された場所に限る。また、へのストレス間接的に大量斃死もたらす原因になるので、過密な養殖は危険である。




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