DOS/360
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Disk Operating System / 360 (DOS/360、または単にDOS)はIBMメインフレーム用の歴史上のオペレーティングシステム(OS)。1964年の大晦日にIBMが発表し、1966年6月に最初に提供された[1]。60年代当時DOS/360は世界で最も広く利用されたOSだった[2]。
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- ^ E.W. Pugh, L.R. Johnson, and John H. Palmer, IBM's 360 and early 370 systems, MIT Press, Cambridge MA and London, ISBN 0-262-16123-0
– extensive (819 pp.) treatment of IBM's offerings during this period - ^ Pugh, op. cit., p. 331 – most widely used OS
- ^ . (2005年4月25日). (ウェブリンク)
- ^ “IBM System/360 Disk and Tape Operating Systems Concepts and Facilities” (1970年10月). 2020年6月20日閲覧。
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- ^ Enterprise, I. D. G. (1977-09-05) (英語). Computerworld. IDG Enterprise
- ^ “Re: IBM 1401”. www.mail-archive.com. 2020年6月21日閲覧。
- ^ IBM Corporation. “IBM Geschichte im Jahr 1970” (German). 2012年5月31日閲覧。
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- ^ “The VSE Operating System State of the Union”. z/Journal. (November 1, 2008) 2019年9月18日閲覧。.
- ^ IBM (January 1979). IBM 4300 Processors Principles of Operation for ECPS:VSE Mode. First edition. SA22-7070-0
- ^ “IBM adds SSX/VSE aid; offers DS/VSE frontend”. Computerworld 18 (40): 46. (1 Oct 1984) .
- ^ Paul, Louis (23 Nov 1981). “IBM brings out simplified operating system”. Computerworld 15 (47): 7 .
- ^ Blumenthal, Marcia (15 Mar 1982). “IBM yields to Adapso heat, unbundles SSX programs”. Computerworld 16 (11): 1–2 .
- ^ IBM Corporation. “IBM VSE/SYSTEM PACKAGE (VSE/SP), VERSION 3 RELEASE 1.1 ENHANCED AND AVAILABLE”. 2011年6月1日閲覧。
- ^ IBM Corporation. “IBM VSE/ENTERPRISE SYSTEMS ARCHITECTURE VERSION 1 RELEASE 1”. 2012年5月31日閲覧。
- ^ “IBM DOS, DOS/VS, DOS/VSE, VSE/SP, VSE/ESA, z/VSE Customers”. (2011年11月2日) 2017年4月25日閲覧。
- ^ a b c IBM Corporation (1969). IBM System/360 Disk Operating System: System Generation and Maintenance
- ^ IBM Corporation (1967). System/360 Disk Operating System User's Guide: Control Statement Techniques
- 1 DOS/360とは
- 2 DOS/360の概要
- 3 動作環境
- 4 OS/360との違い
- 5 関連項目
DOS/360
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「IBMメインフレーム用オペレーティングシステムの歴史」の記事における「DOS/360」の解説
詳細は「DOS/360」を参照 System/360シリーズの中でもハイエンド向けのOSとしてOS/360が推奨された一方で、DOS/360はローエンド向けの非力なマシンに適した平凡なOSだった。これには一連のユーティリティプログラム、マクロアセンブラ、FORTRANやCOBOLのコンパイラなどが含まれていた。RPGがサポートされたのは後年で、最終的にはPL/Iのサブセットが追加された。また様々なファイルの構造をサポートし、そのアクセスを制御するインターフェイスが提供された。 レコード全体を一度に読み込むのに最適なシーケンシャルデータセット。 各レコードの特定のセクションをキーに検索できるインデックス付きファイルのISAM。 アクセスしたいデータのディスク上の物理位置をアプリケーションが自分で指定しなければならないダイレクトアクセスファイルのBDAM。 BDAMのプログラミングは難しく、ユーザーの多くはその使用を望まないが、ディスク上のデータへのアクセスが最も早く、多くのソフトウェア企業は主にADABAS、IDMS、IBM製のDL/Iなどのデータベースマネージメントシステムを用いた。 シーケンシャルファイルとISAMファイルは固定長又は可変長のレコードを格納でき、いずれの組み合わせにおいても複数のディスクボリュームにまたがってデータを格納できる。 DOS/360はまたデータ通信機能としてBTAMも提供しており、今日の基準で見れば大変に使い辛いものだった。しかしBTAMはあらゆる種類の端末と通信でき、通信プロトコルが全く標準化されていなかった当時としては非常に画期的だった。 しかしDOS/360は、System/360機のより大型なモデルで使われたOS/360と比べて制約が大きかった。 最初のバージョンは同時に1つのプログラムしか実行できなかった。後のバージョンでは最大で3つのプログラムを同時に実行できたが、各プログラムのメモリ空間のサイズはDOS/360をインストールする際に各ユーザーがあらかじめ区切った3本のパーティションのサイズに固定された。 ジョブの制御に使用するスクリプト言語のJCLはローエンド機での処理が軽くなるように設計されており、プログラマが読み書きするのは難しかった。 パンチカードやプリンタの処理を効率化するためのスプーラサブシステムがなかった。1960年代後半に独立系ソフトウェア会社がGRASPと呼ばれるスプーラを販売した。 DOS/360にはリロケータブルバイナリローダがなく、ユーザーは使用するパーティションごとに各プログラムのアドレスを絶対アドレスで指定するリンク情報を手動で編集しなけばならなかった。 実行プログラムを格納するコアイメージライブラリは、プログラムを削除したり更新したりした場合に、古いプログラムが格納されていたスペースが解放されなかった。コアイメージライブラリがいっぱいになるとユーティリティプログラムで圧縮しなければならず、これにより開発作業が半日潰れることがあった。 アプリケーションプログラミングのインターフェースがOS/360と異なっていた。COBOLなどの高水準言語で記述されたDOS/360用のプログラムは、OS/360で使用するには若干の修正が必要で、アセンブラで記述かれたプログラムは大幅な変更を強いられた。 DOS/360のユーザーはすぐにOS/360へアップグレードするだろうとIBMは考えていたが、制約があったにもかかわらず、DOS/360は世界で最も広く使われるOSになった。それには次のような理由があった。 System/360機は非常によく売れた。 販売された360システムの90%以上がローエンドのModel 20、30、40だった。 これらの安価なモデルが装備していたコアメモリはほとんどの場合においてOS/360の実行に必要な容量には到底足りなかった。 DOS/360は中規模の企業が購入できるSystem/360機で不都合なく動作しており、またこのクラスのユーザーたちが過去に持っていたマシンが備えていたどのOSよりもまだマシだった。この結果、その子孫であるz/VSEは2005年になっても依然として広く使われている。
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