炭疽菌
別名:炭そ菌、Bacillus anthracis
炭疽病をもたらす桿菌。炭疽病の症状が皮膚に現れると、黒い(炭に似た)かさぶたができることから「炭疽」の名がある。
炭疽菌は主に野生動物の間で感染し、動物を媒介してヒトに感染することもある(人獣共通感染症である)。ヒトからヒトには感染しない。炭疽菌の感染経路によって主な症状に差があるが、いずれも死の危険性が高い。特に、大気中に飛散した炭疽菌を、呼吸により肺へ侵入させてしまった場合、適切に治療が行われなければ90パーセントが死亡するとされる。
炭疽菌は生物兵器としての利用に都合のよい特性を備えており、生物兵器利用が危惧されている。米国ではテロ事件に炭疽菌が使用され数名が死に至った事件も発生している。
炭疽菌 [Bacillus anthracis]
炭疽菌
(Bacillus anthracis から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 00:57 UTC 版)
炭疽菌(たんそきん、Bacillus anthracis)は、炭疽(症)の病原体となる細菌。病気の原因になることが証明された最初の細菌であり、また弱毒性の菌を用いる弱毒生菌ワクチンが初めて開発された細菌学上重要な細菌である。第二次世界大戦以降、生物兵器として各国の軍事機関で研究され、2001年にはアメリカ炭疽菌事件でテロリズムに利用された。
注釈
出典
- ^ 「サリン事件の真実」アンソニー・トゥー著、新風舎2005年
- ^ “Britain's 'Anthrax Island'”. BBC (2001年7月25日). 2017年2月24日閲覧。
- ^ 山内一也「人獣共通感染症連続講座」第79回(1999)
- ^ 井上尚英「あの日スヴェルドロフスクで何がおこったか」日本医事新報 4043, 55-58, 2001
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