BGM-75 (ミサイル)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > BGM-75 (ミサイル)の意味・解説 

BGM-75 (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 21:32 UTC 版)

BGM-75アメリカ合衆国が開発検討していた大陸間弾道ミサイル(ICBM)。ZBGM-75の類別記号が与えられ、ウエポン・システム120A(WS-120A)として1966年より開発検討が開始されたが、翌1967年に開発中止され、実用化には至らなかった。

概要

ミニットマン IICBMは、1962年より配備に付けられており、アメリカ空軍ではその後継として先進大陸間弾道ミサイル(Advanced Intercontinental Ballistic Missile,AICBM)の開発検討を1966年より開始した[1]。1966年4月に計画はスタートし、6月にZBGM-75の類別記号が与えられた[1]。記号名のZは、計画段階にあることを意味している[2]

ミニットマン Iは単弾頭であったが、ZBGM-75は固体燃料式の大型ロケットであり[3]、10から20個の複数弾頭を有するMIRV式のミサイルとして検討された[4]。ミサイルはミニットマンのものよりも強化されたミサイルサイロに収められる[5]。このほか、鉄道搭載方式も検討された[1]。また迎撃対応として欺瞞能力(ペネトレーションエイド)も強化される[4]

1967年に入り、ZBGM-75はメーカーへの提案要求は未だなされていなかったが、アメリカ合衆国国防長官ロバート・マクナマラは、財政上の問題及びミニットマン向けの強化サイロが開発中であること[4]を理由に開発費計上を認めず、ZBGM-75の開発検討は中止された[1]。順調に開発が進んだ場合は、1973年より部隊配備開始予定であった[4]

ミニットマンは改良が継続され、弾頭3基搭載のMIRVであるIII型が1970年に実用化されている。ミニットマン後継ミサイルは、1972年より、後のピースキーパーとなるMXミサイルの開発が開始された[1]

参考

脚注
  1. ^ a b c d e Parsch 2003
  2. ^ Parsch 2009
  3. ^ Tammen 1973, p.88.
  4. ^ a b c d Auten 2008, pp.42-43.
  5. ^ Hartunian 2003
文献

「BGM-75 (ミサイル)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「BGM-75 (ミサイル)」の関連用語

BGM-75 (ミサイル)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



BGM-75 (ミサイル)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのBGM-75 (ミサイル) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS