BCLラジオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 14:45 UTC 版)
BCLラジオとはBCLのために使用する高性能なラジオを総称したものである。 国外放送局や遠距離局を受信するためには、一般のラジオ受信機とは異なる性能を有する高性能受信機(=BCLラジオ)が必要である。たとえば受信周波数が広範囲であることや、受信感度が高いもの、隣接周波数の信号を分離する選択度が鋭いもの、外部アンテナ端子を有するもの、受信周波数が読み取れるものなどである。受信用ラジオや録音機などを据え付けた受信部屋をアマチュア無線愛好家にならい「シャック」と呼ぶ。1970年代のBCLブーム期には多くの家庭用電機メーカーからBCL用に工夫を凝らした高性能ラジオが発売され、ブームの中心だった小学生高学年から高校生にかけての学生達は、毎夜ラジオにかじりついた。その後、ブームの下火とともにBCLラジオを販売する家電メーカーは少なくなり、2000年を過ぎると、高性能ラジオの発売を続ける日本の電器メーカーはソニーと松下(パナソニック)の2社だけになった。2006年現在、日本国内では松下(パナソニック)は高性能ラジオを製造していない(2008年にラジオ単体製品自体を製造販売しているのが、ソニーとパナソニックだけになっている)。その後、2017年に復活したaiwaからも小型でモノラルスピーカとステレオスピーカ搭載の2機種が新たに発売された。 BCLラジオの収集(コレクション)については、BCL本来の目的とは異なる。しかしBCLを趣味とする者は少なからず所有するラジオに対して相応の愛情を持っており、「受信を楽しむ」から「受信機自体を楽しむ」へと発展して、数台のラジオを所有=収集することがかなりある。2008年以降日本で再びBCLブームが起きている背景には、インターネットオークションによるBCLラジオの流通が盛んに行われていることが一因として挙げられる。中古ではあるが1970年代当時の高性能で多機能なラジオが入手でき、当時はカタログや店頭で憧れるだけで購入することが出来なかったラジオを、大人になった時点で改めて入手してBCLを再開するという人が多い。 日本のインターネットオークションでは、程度の良いBCLラジオは発売当時とほぼ同じ価格、もしくはそれ以上の高値で取引されている。ソニーのスカイセンサーや、ナショナル(パナソニック)のクーガ等は販売出荷数も多いためオークションの出品数も多く、価格もそれ程高くはならないが、希少性のあるラジオは相当の高値でコレクターに取引されている。例えばソニーのCRF-1は長波域から受信できる「業務用」であり流通量が少ないため、少し程度が悪くても10万円半ばから20万円近い値段で取引されることが多い。 日本においてソニー以外のBCLラジオが入手困難になっている2013年では、中国製の安価な短波ラジオが家電量販店やディスカウントストアやインターネットの通信販売などで販売されている。
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