B型肝炎とは?

ビーがた かんえん [5] 【 B 型肝炎】

B 型肝炎ABC 略語

B 型肝炎(がたかんえん)

HBVB 型肝炎ウイルス)の感染による肝炎成人では性交渉輸血注射針などを通して感染し,通常一過性感染経過をとるが,新生児小児では持続感染化することが多い。

B型肝炎 (びーがたかんえん)

B型肝炎ウイルス原因で起こる病気で、微熱食欲不振全身倦怠感などの症状あります多く1か月ほどで治りますが、ときに体内ウイルスがいついてしまうことがあり、これを「持続感染キャリア)」といいます。母体キャリア場合分娩時に赤ちゃん感染することがあるため、生後すぐの赤ちゃんに、免疫グロブリンワクチン接種します。妊娠中のB型肝炎ウイルス検査も、こうした事態備えるためです。

B型肝炎

Hepatitis B

概略B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる肝臓病総称。 

【自然歴】 無症候性キャリア多く母子感染よるもので、肝炎発病せずに過ごすものもある。一方で慢性活動肝炎肝硬変肝臓癌に進むことがあるウイルス持ち続ける人の頻度日本では人口1%前後老人になるまでに一度でも感染したことがある人は20%に及ぶ。 

感染予防妊婦検診キャリア判定されたら、赤ちゃんワクチンHBs抗体(HBIG)を注射してキャリアになるのを防ぐことができる。献血検査をするようになったため、輸血による感染激減した。残り性行為感染医療者の事故があるが、ワクチン利用することができる。 

【URL】http://www.vhfj.or.jp

《参照》 HBV母子感染輸血性感染症ワクチン


B型肝炎



B型肝炎の原因ウイルスであるB型肝炎ウイルスHBV)は、1963年Blumbergらによるオーストラリア抗原発見契機となって同定された。発見当初免疫血清学的手法用いて研究されてきたが、1970年HBV本態であるDane粒子同定され、さらに1979年ウイルス粒子から、そこに含まれるウイルスゲノムクローニングされるに至りHBV一躍分子生物学研究対象となり、HBVおよびB型肝炎に関する知見飛躍的進展した。世界でのHBV感染者の分布には大きな地域差があり、東南アジアアフリカでは感染者率が10%を上回る国もあり、大きな保健医上の課題となっている。しかし最近では、世界的ワクチン接種活動拡大によって、感染頻度低下期待されている。

疫 学
HBV持続感染者は世界中で3億人以上存在し、既感染者は20億人に上ると言われている。 持続感染者が人口の8%以上のいわゆる高頻度国は、アジアアフリカ集中している。これに対し、日本ヨーロッパ北米などは感染頻度2%以下の低頻度国である。HBV感染は主に、輸血不適切観血的医療行為などによる経皮的感染と、性交渉分娩時の粘膜感染よるものであると考えられる我が国では1972年HBs抗原検査導入されて以来輸血後B型肝炎は減少一途を辿っているが、19951996年日赤血液センターでの初回献血集団においてHBs抗原陽性率を求め結果から、30未満では陽性1%以下であるものの、40代では約1.5%と依然として高い値を示すことが分かっている。また、年齢層における陽性率は、母子感染防止事業開始された1986年以降年々減少し、1997年調査では0.05%と報告されている。米国では、アジアアフリカ系移民を除いた場合主な感染経路成人期の性的接触と 経静脈薬物乱用であるため、10後半から30代の男性が最も高い陽性率を示している。HBV持続感染出生時または乳幼児期の感染によって成立し、成人期初感染では、消耗疾患末期癌などの免疫不全状態を除けば、持続感染化することはまれである。持続感染成立した場合大部分肝機能正常なキャリアとして経過し、その後免疫能が発達するに従い、顕性または不顕性肝炎発症する。そのうち8590%はseroconversionを起こし最終的肝機能正常の無症候性キャリア移行する。残り1015%が慢性肝疾患慢性肝炎肝硬変肝細胞癌)へ移行し、肝機能異常を持続する。一過性感染場合7080%は不顕性 感染で終わるものの、残り2030%のケースでは急性肝炎発症する。このうち2%劇症 肝炎発症し、この場合致死率は約70%とされている。

病原体

病原体 HBVDNA型の肝炎ウイルスで、ヘパドナウイルス科分類される。直径約42nmの球状ウ イルスで、外被エンベロープ)とコア二重構造を有している。表面被うエンベロープ蛋白HBs抗原、その内側コア蛋白HBc抗原呼ばれるコア中には、不完全二本鎖のHBV DNAHBV関連DNAポリメラーゼ存在している。HBV DNAは約3,200塩基からなりHBs抗原HBc抗原、X蛋白質DNAポリメラーゼコードしている。HBVは、HBs抗原エピトープ違いによって4つのサブタイプadradw、ayw、ayr)に分けられている。近年遺伝子レベルでの分類が行われ、これまでに7種類遺伝子型(ゲノタイプ)が同定されている。HBe抗原コア蛋白一部可溶性抗原であるが、HBc抗原とは免疫学的に交叉反応は起こさない。

臨床症状

急性B型肝炎は比較緩徐発病する。微熱程度発熱食欲不振全身倦怠感悪心嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感などの症状がみられ、引き続き黄疸認められるようになる。黄疸出現するのは成人例で3050%、小児例では10%以下である。重症例を除いて、これらの症状1カ月程度回復する。また前述のように、宿主免疫能に異常がなければ上の過程HBV生体から排除され、キャリア化することはない。しかし、免疫能の不十分な乳幼児宿主免疫能が低下した病態免疫抑制剤投与を受けている場合などの感染においてはキャリア化へ移行する例が存在する。

病原診断
B型肝炎のウイルス診断としては、HBs抗原抗体HBc抗体HBe抗原抗体HBV DNA検 査、およびHBV DNAポリメラーゼ活性測定が行われている。図に急性B型肝炎における各種ウイルスマーカーの経過と、B型肝炎の基本的判定基準を示す。HBV感染状態ではHBs 抗原持続的産生されており、HBs抗原陽性であればB型肝炎と診断しうる。HBs抗体HBV対す中和抗体考えられており、HBs抗原経過とともに減少消失し、HBs抗体出現してくる。しかしまれには、HBs抗原抗原決定領域変異があるために、HBs抗原検出 されないことがあるまた、HBVによる劇症肝炎場合も、診療開始された時点では既に HBs抗原消失していることがある。したがって診断の際には、IgG-HBc・IgM-HBc抗体価合わせて測定することが望ましい。すなわち、HBs抗原陰性でもIgM-HBc抗体高力であれ ばHBVキャリア疑い、さらにHBV DNA検出などを行う。IgG-HBc抗体はIgM-HBc抗体に遅れて出現する。HBc抗体中和抗体でなく、IgG-HBc抗体陽性場合、現在HBV感染している場合と、既に治癒している場合両方可能性がある。

HBe抗原HBV増殖時に産生される。一般にHBe抗原陽性場合、肝内でのウイルス増殖 が盛んで血中ウイルス多量存在し、感染性も強いと考えられる一方HBV遺伝子のコアプロモーター領域やプレコア領域変異によって、HBe抗原産生しないウイルスの存在明らかになっており、B型劇症肝炎例でこのような変異HBV多く観察されることが報告されている。HBV陽性血清感染力評価HBV感染の自然経過解析抗ウイルス薬による治療 効果予測効果判定などを目的とした詳細病原体診断には、高感度遺伝子検査法によるHBV DNA定量、および塩基配列解析が必要である。

図3

図 . 急性B型肝炎におけるウイルスマーカーの変動とB型肝炎の判定基準


治療予防
急性B型肝炎は本来、自然治癒する傾向が強い疾患である。治療上最も大切な点は期を過ぎたか否か見極めることであり、劇症化への移行可能性留意しながら対処する必要がある。特に、肝予備能を反映するプロトロンビン時間ヘパプラスチンテストなどの凝固系検査は明らかな改善傾向を示すまで測定し、また腹部超音波CT検査により肝萎縮程度把握する。急性B型肝炎の生命予後は、重症化、劇症化しなければきわめて良好である。劇症 化した場合には血漿交換人工補助療法生体肝移植などの治療が必要となる。 HBV感染予防感染経路遮断することであり、輸血血液および血液製剤ウイルス検 査、またはワクチン接種が有効である。B型肝炎ワクチン我が国では1985年認可され、翌年からは母子感染防止事業グロブリン製剤との併用で用いられ、大きな成果をあげている。
また、医療従事者などのハイリスクグループにおいても予防接種感染防止に有効である。第 一世代ワクチンは、HBVキャリア血漿より精製されたHBs抗原を用いたものであるが、そ の後組換えDNA技術応用してHBs遺伝子酵母動物細胞発現させ製造した第二世代、さらにプレS蛋白HBs抗原付加させたワクチン認可されている。ハイリスクグループに おけるワクチン接種による感染予防法、汚染事故発生に伴う事後処置法については、「ウイル ス肝炎感染対策ガイドライン医療機関用‐」(1995年改訂III版、財団法人ウイルス肝炎研究財団作成)を参照されたい

感染症法における取り扱い2003年11月施行感染症法改正に伴い更新
ウイルス性肝炎E型肝炎及びA型肝炎を除く)は5類感染症全数把握疾患定められており、診断した医師7日以内最寄り保健所届け出る報告のための基準以下の通りとなっている。
診断した医師判断により、症状所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれか方法によって検査所見による診断がなされたもの
1)B型肝炎
 ・血清抗体検出
  例、患者血清中のIgMHBc抗体陽性のもの(キャリア急性増悪例は含まない
2)C型肝炎
 ・抗原検出
  例、HCV抗体陰性で、HCVRNAまたはHCVコア抗原陽性のもの
 ・血清抗体検出
  例、患者ペア血清で、第2あるいは第3世代HCV抗体の明らかな抗体価上昇認めるもの
3)その他のウイルス性肝炎
 HDVHEVなど上記以外の肝炎ウイルスによる急性肝炎や、その他の非特異的ウイルスによる急性肝炎
病原体検査血清学診断によって、ウイルス性肝炎推定されるもの
(この場合には、病原体の名称についても報告すること)
上記ウイルス性肝炎届出基準満たすもので、かつ、劇症肝炎となったものについて は、報告書の「症状その旨記載する。劇症肝炎については、以下の基準を用いる。
 ・肝炎のうち症状発現後8週以内に高度の肝機能障害基づいて肝性昏睡II度以上の脳症をきたし、プロトロンビン時間40%以下を示すもの。発病10日以内脳症出現急性型、それ以降発現亜急性型とする。

国立感染症研究所ウイルス第二部 鈴木 哲朗)






B型肝炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/12 08:00 UTC 版)

B型肝炎(Bがたかんえん、: Hepatitis B)とは、B型肝炎ウイルス (HBV) に感染することで発症するウイルス性肝炎の一つ。


  1. ^ Mortality and Burden of Disease Estimates for WHO Member States in 2002 (xls)”. World Health Organization (2004年12月). 2009年11月13日閲覧。
  2. ^ B型肝炎訴訟とはウイルス性肝炎患者の救済を求める全国B型肝炎訴訟・大阪弁護団
  3. ^ B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします) 厚生労働省
  4. ^ 全国B型肝炎訴訟弁護団
  5. ^ a b B型肝炎ワクチンについて知ろう!”. 日本肝臓学会. 2016年1月8日閲覧。
  6. ^ H27年度感染症危機管理研修会 B型肝炎ワクチンの定期接種導入をめぐる話題 (PDF)”. 厚生労働省肝炎等克服政策研究事業「小児におけるB型肝炎の水平感染の実態把握とワクチン戦略の再構築に関する研究班」 (2015年10月14日). 2016年1月8日閲覧。
  7. ^ B型肝炎ワクチン、10月にも定期接種化 厚労省が方針”. 朝日新聞 (206-01-04). 2016年1月8日閲覧。
  8. ^ B型肝炎ワクチン”. Know! VPD(NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会). 2016年1月8日閲覧。
  9. ^ B型肝炎ワクチン”. 品川イーストクリニック トラベルクリニック渡航者センター. 2016年1月8日閲覧。
  10. ^ 慢性肝炎・肝硬変診療ガイド2016 ISBN 9784830618895


「B型肝炎」の続きの解説一覧





B型肝炎と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

B型肝炎に関連した本

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

全て

ビジネス

業界用語

コンピュータ

電車

自動車・バイク

工学

建築・不動産

学問

文化

生活

ヘルスケア

趣味

スポーツ

生物

食品

人名

方言

辞書・百科事典

すべての辞書の索引

「B型肝炎」の関連用語

B型肝炎のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング

画像から探す

RSウイルス感染症

デング熱

E型肝炎

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

麻疹

黄熱

多剤耐性緑膿菌

麻疹





B型肝炎のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
三省堂三省堂
Copyright (C) 2001-2017 Sanseido Co.,Ltd. All rights reserved.
株式会社 三省堂三省堂 Web Dictionary
赤ちゃん&子育てインフォ赤ちゃん&子育てインフォ
Copyright©2017 Mothers' and Children's Health and Welfare Association. All Rights Reserved.
中四国エイズセンター中四国エイズセンター
Copyright (C) 2017, Chugoku-Shikoku Regional AIDS Center
国立感染症研究所 感染症情報センター国立感染症研究所 感染症情報センター
Copyright ©2017 Infectious Disease Surveillance Center All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのB型肝炎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2017 Weblio RSS