ヒノキならたけ病
和名:ヒノキならたけ病 |
学名:(病原菌)ナラタケArmillaria mellea (VAHL:FRIES) KUMMER |
分布:北海道・本州・四国・九州・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカ |
写真(上):ヒノキ樹皮下に形成された菌糸膜 |
写真(下):ナラタケ子実体(コナラに生じたもの) |
説明 ならたけ病はナラタケ属のきのこによって多くの種類の樹木に起こる。菌は樹木の根や地際部から感染し,樹皮下に白い菌糸膜を作り(写真1),組織を侵して枯死させる。地上部には萎凋症状が表れる。感染は根と根の接触部を通じて,また菌の作る根状菌糸束と呼ぶ黒い靴ひも状の構造を土中に伸ばして根から根へと起こるといわれている。主に秋に生じる子実体(きのこ,写真2)から胞子を飛ばしての感染も考えられる。ならたけ病は一般に,過湿や乾燥などの悪い土壌環境条件下の,強いストレスのかかった木に起こりやすいといわれている。ナラタケ属菌はタマウラベニタケ(Entoloma abortivum (Berk. et CUT.) DONK.)に寄生したり,一部の無葉緑ランの菌根となるなどユニークな生態を持つ。 |
ナラタケ
(Armillaria mellea から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 01:49 UTC 版)
ナラタケ(楢茸[1]、学名: Armillaria mellea subsp. nipponica)はハラタケ目キシメジ科ナラタケ属に分類され、主として植物寄生菌として生活している中型のキノコ。ユーラシアと北アメリカ、アフリカに分布する。主に秋の広葉樹の枯れ木やその周辺の地上に群生する。傘は黄褐色や淡黄色で中央に細かい鱗片と周囲に条線があり、ヒダが白色、柄にはしっかりした白いツバがあるのが特徴。日本では食用キノコとして人気があり数多くの地方名でよばれるが、生食すると食中毒を起こすことがある。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 吹春俊光 2010, p. 30.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 瀬畑雄三監修 2006, p. 97.
- ^ a b c d e f g h 牛島秀爾 2021, p. 88.
- ^ ナラタケ分離系統の腐生力と寄生力の比較(第75回日本林学会大会講演要旨)日本林學會誌 Journal of the Japanese Forestry Society 46(3) pp.111-112 19640325 日本森林学会
- ^ ナラタケ属のきのこ(Armillaria spp.) (PDF) 特許庁
- ^ a b c d e f g 長沢栄史監修 2009, p. 102.
- ^ 工藤伸一・長沢栄史(2004)青森県で再発見されたヤチヒロヒダタケ Armillaria ectypa について. 財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所研究報告41, p.26-34.
- ^ 吹春俊光ら(2021)食中毒事故の原因となった日本新産 Galerina sulciceps(ヒメノガステル科).日本菌学会第65回大会セッションID: P18. doi:10.11556/msj7abst.65.0_68_2
- ^ 青森県健康保険福祉部保健衛生課長(2023年)食中毒の発生について. 令和5年9月28日付青保号外, 青森県庁
- Armillaria melleaのページへのリンク