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ATX電源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/01 17:46 UTC 版)

ATX電源の内部。

ATX電源(エーティーエックスでんげん、: ATX Power Supply)は、ATXコンピュータ用の電源回路を収めたユニットの標準規格、およびその規格に準じた電源ユニットを指す。2011年現在、デスクトップPC用の電源としては、最も一般的なものである。100Vや220Vといった商用の交流電源から入力を受けて、内部で5Vや12Vといった直流に変換し、出力としてPCの各部に安定的に給電する役割を担っている。




  1. ^ AT規格はPC/AT互換機用の規格であるが、代表的なデファクトスタンダードであって、PC/ATとその同等品からなる多様な派生製品の中から主流となった形状や特性が順次、業界内で公認され、規格として文書化されたものである。
  2. ^ 給電用電線がソケットによってATX電源本体から外せるようになっている製品があるが、使用しない無用な線を除くことでPC内部での空冷の効果が高められる反面、接触不良の危険性やコスト高に加えて高電流の接続点が増す事による電圧低下と電力の無駄が生じるというデメリットがある。
  3. ^ ハードディスクドライブのような外部記憶装置類用の給電用配線は、大きな"Pheripheral Power Connector"と呼ばれる主に5インチサイズの記憶装置向け電源コネクタと、やや小さな"Floppy Drive Power Connector"と呼ばれる主に3.5インチサイズの記憶装置向け電源コネクタに加えて、21世紀になって登場した小さな"Serial ATA Connector"と呼ばれるものが存在し、近年では5インチサイズの記憶装置の利用が減少するなど状況の変化に対応して、ATX電源でも年を追うごとにサイズの小さな電源コネクタの比率が多くなる傾向がある。これら3種類の間の相互変換用の電線・コネクタが販売されている。
  4. ^ ATX電源に限らず多くの電気製品では、寿命を決定付ける代表的な要素の1つとしてアルミ電解コンデンサの機能不全がある。アルミ電解コンデンサの内部には不織布などに含浸させた電解液が含まれており、封止部などパッケージの経年劣化によって密封が損なわれることで電解液が漏れたり蒸発することで蓄電機能も衰え、やがて完全に失われる(ドライアップ)。電解液の減少や喪失によって内部がショートすることは稀であるが、劣悪なアルミ電解コンデンサでは大量に漏れ出た電解液が配線パターンをショートさせたり周囲の電子部品を傷めて破壊的な障害を起こすことがある。固体コンデンサを選択すればこのような問題は避けられるが、21世紀初頭現在、実用的な大きさやコストの範囲内で大容量の蓄電性能を得るには、アルミ電解コンデンサ以外の選択肢はない。アルミ電解コンデンサには一般に85℃対応品と105℃対応品があり、アレニウスの法則によって両者の寿命には4倍の開きがあると考えられる。いずれにしても85℃や105℃といった高温雰囲気中で動作させ続ければ、1000時間規格の物では1.3ヶ月ほど、2000時間規格のものでも2.6ヶ月ほどで想定された寿命を迎えることになる。
  5. ^ 玄人志向に聞く「PC電源のツボ」 - AKIBA PC Hotline!, Impress Watch (2011年8月3日付配信、2011年11月5日閲覧)
  6. ^ 電源ケーブルを抜いた状態でも電源ボタンを押すとLEDが一瞬点灯したりファンが一瞬回る事があるが、これは回路や電源部に電気が残っていた場合に発生し得る現象である。このような電源回路の特性によって、周囲の家電製品(特に冷蔵庫や掃除機のような大きなモーターを持つもの)の電源をon/offすることによってAC100Vの商用電源線に大きなノイズが乗り、瞬断相当になっても、PCが異常動作をすることはない。
  7. ^ 一部の「ホワイトボックス・パソコン」のような電源付きケースには、得体の知れないATX電源が組み込まれている場合があり、極端な場合、ATX電源のラベルに書かれているブランド・型番等の情報からインターネットで検索しても素性が摑めない様な代物や、一般的な単品製品よりもコネクタ数が少なかったり、開封して内部を見るとパーツや造りが粗悪な場合もある。PCメーカーとして高い知名度やブランド力を有する企業でも、電源ユニットについては自社で製造せずに他社から供給を受けて販売している事例は多い。「継続定格出力」と「ピーク時出力」についての差異が曖昧であったり、製品により都合よく使い分けるメーカーも存在する。これらの事から、時に特定型番・ロットのパソコン製品・ATX電源にまつわる品質や故障多発を巡る噂や懸念などが囁かれる事もある。また、ホワイトボックスパソコンでは、コスト抑制などの為にハイエンドモデルでもそれを理由とした高品位な電源が用意されない事は別段珍しくはない。この為、ATX電源について言えば、「ハイエンド向きを謳う高価な製品だから」「○○社のハイエンドモデルのパソコンに組み込まれているものだから」「パワーユーザ向けの大出力の製品だから」「著名なパーツメーカーである××社の製品だから」などといって、全てが確実に高品質・高信頼性のものであるとは簡単に断言できず、いざ実際に使ってみなければ判らないという実態が付きまとうのも現実である。この様な事から、PC用部品の中でも特にATX電源については品質面や信頼性に関しての問題意識が存在するため、主にインターネット上を中心に情報交換が行われている。その中には信頼性や故障発生率などの品質面以外にも、後述する様なメーカー・輸入代理店のアフターサポートの状況・能力などにまつわる情報や話題も数多い。また、この様な場では、主にケース組み込みの低コスト・低品質の粗悪な電源ユニットを指して、動物名をブランドネームや製品名に採用している物が多いことに由来して「動物電源」という揶揄表現が用いられる事もある。 特に低-中価格帯のものに対して品質面で懐疑的な見方をする者の中には、「電源ユニットは使い捨て」と割り切って1-2年程度で定期的に交換するユーザーもおり、完成品のホワイトボックスパソコンについても使用前に電源だけは自分の眼鏡にかなう製品を別途調達して入れ換えるというユーザーも見られる。さらには、重要な業務などに使用しているため故障が絶対に許されない環境で使用している者の中には、メーカー保証が受けられなくなるリスクは承知の上で、定期的なメンテナンスの都度に電源のケースを開封して内部のコンデンサなどの状態をチェックし、僅かでも不安な点があればすぐ交換するという者も見られる。また、頻繁な交換まではせずとも、コンデンサの状態については敏感にチェックしている者も多く、品質的な瑕疵が比較的少ないとされる日本製コンデンサの使用は、中価格帯を中心に製品としての主要なセールスポイントとなっている(ことに日本で販売されている製品に限っていえば、高価格帯の製品では全コンデンサが日本製である事は、事実上の基本となっている)。 また、これは他の自作パソコン用パーツにも共通して言える事ではあるものの、その品質と同様にアフターサポートの能力・質についてもメーカー毎の幅が非常に大きく、高いブランド力を持つ大手メーカーや知名度の高いメーカーであるからと言って、故障時のサポート対応能力でも優れているとは一概に言えない。台湾などの海外メーカーの製品でも、販売代理店が日本国内で故障確認や代替品発送などを行っている製品では3日程度で対応完了するなど非常に迅速な場合もあるが、逆に、販売代理店が故障判断の権限を持たない代理店契約の内容である場合には、代理店経由で海外のメーカー工場に送付しての対応となる為、修理や代替品発送による対応の完了までに数週間から数ヶ月を要する事も見られるなど、かなりまちまちな一面がある。 一部メーカーやパソコンショップなどが販売しているホワイトボックスパソコンや組立キットでも、BTOで選択項目の1つとしてATX電源が用意されているモデルがあり、この場合、料金を追加すればより大出力・高性能の電源に変更できる。ただし、海外の製造メーカーから既製品ベースの「電源付きパソコンケース」を大量調達する事で仕入コストを抑制して大幅な低価格を実現させている製品やメーカーのものについては、他パーツのBTOが可能でも電源は選択できないことがある。
  8. ^ ATX2.2規格
  9. ^ [1] - plugloadsolutions.com (英語、2011年11月5日閲覧)
  10. ^ オフモードと待機モードのいずれでも1.00Wを超過しないという基準値は、2013年1月8日以降は、いずれも「0.50Wを超過しない」へさらに厳しい値に変わる予定である。
  11. ^ ここが知りたいRoHS指令 - 中小企業基盤整備機構 (2012年1月6日閲覧)
  12. ^ "SFX"は"Small Form Factor"に由来する。


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