AMステレオとは? わかりやすく解説

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AMステレオ放送

(AMステレオ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 08:13 UTC 版)

AMステレオ放送(エーエムステレオほうそう)の記事では、AMラジオ放送(AM方式による中波放送)のステレオ化に関するトピックについて述べる。研究自体は2波を利用するものまで含めればオーディオのステレオ化の初期からあったが、1波による実用的な方式の機材が一般的に利用可能になったのは1980年代以降であった。日本では1990年代に開始されたものの、10年程度で新規導入局や一般向けの対応受信機は発売されなくなるなど、中波ラジオ放送としては一過性のブームの域を出ない展開ではあったが、局あるいは中継機材のステレオ対応は、その後の中波ラジオ以外へのサイマル放送で活用されているものも見られる。


注釈

  1. ^ 中継局で実施していた局は過去に実施されていた放送局を参照。
  2. ^ この頃は既にAMラジオ放送用のデジタル回線が使用開始した時期でもある。
  3. ^ しかし、地上波テレビのステレオ放送も最初から全国一斉実施ではなく「日本全国に均一な放送」となるまでに時間を要したこと(総合テレビでは実用化試験放送時代から数えて8年、本放送開始から数えて4年、教育テレビは半年)やNHK-FMの文字多重放送が一部区域のみの実施で「日本全国に均一な放送」でないことと矛盾するという意見もある。なお、NHK-FM文字多重放送ワンセグが放送開始したことと受信料収入減による予算・事業計画の見直しにより2007年3月に終了した。
  4. ^ もっとも、ラジオ第1・2放送の番組の中にもステレオで収録した番組が存在する。また、『ラジオ深夜便』などはNHK-FMでも放送している。
  5. ^ しかしながら、韓国のような1.5MW(メガワット=1000kW)クラスの大出力送信所設置(日本の中波送信所の最大出力は500kW)と中継送信所の統廃合でNHKでもコストを抑えたAMステレオ放送の導入が可能との意見もあった。なおNHK放送センターのラジオセンター131スタジオと132スタジオは当時将来的なAMステレオ放送実施を目的にステレオ放送に対応した設備になっていて、AMステレオ放送不実施決定後もステレオ放送に対応した機材は実際にステレオ放送されるFM放送(『ラジオ深夜便』など)や地上デジタルラジオ実用化試験放送(2011年3月31日で終了)で活用している。
  6. ^ テレビやFMラジオのような放送波中継ではなく、ほとんどの中継局に有線の中継回線で結ばれているため。
  7. ^ 各AMラジオ局のスタジオにある個々の機器自体はステレオ放送に対応可能なものが多数導入されているが、スタジオを丸々AMステレオ放送用に改装したり送信機を導入したりするには多額の費用を要する。一例として九州朝日放送1992年にAMステレオ放送を導入する際、第一段階としてスタジオ一つと親局送信機をステレオ対応にした事例の費用は約3億円掛かっており更に全スタジオや機器をステレオ化するには追加費用として約5億円が必要と試算していた(「日本のラジオを考える11 AMステレオ化を脅かすデジタルの足音」『放送レポート』第116号、メディア総合研究所、1992年5月。 
  8. ^ 日本でAMステレオ放送を開始した当時、アイワのラジカセにおけるAMステレオ対応によるコスト上昇は500円程度であったとされる。安価であった積水化学も売上不振で撤退。
  9. ^ 2010年3月15日から東京と大阪の民放AM・FM・短波ラジオ各局の計13社が、地上波と同内容の放送をIPアドレス地域限定にてインターネットIPサイマルラジオ実用化試験配信を実施[11]
  10. ^ 2019年10月現在、南海放送のみ実施。
  11. ^ 実用化試験放送として2008年9月29日から2011年3月31日までTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送が深夜の一部時間帯を除きAMラジオのサイマル放送を行っていた。かつてはBSデジタルラジオでもAMラジオの一部サイマル放送を文化放送(BSQR489)とアール・エフ・ラジオ日本(BS日テレラジオ445)で行なっていた事例がある。
  12. ^ a b 正確には1月30日分の本放送終了時刻である1月31日1時33分(試験放送は3時3分)。
  13. ^ アール・エフ・ラジオ日本は従来から行なっていない。
  14. ^ a b 正確には3月31日分の本放送終了時刻である4月1日1時00分。
  15. ^ この時使われたFM変調器は164kHzのセラソイド変調器で、周波数偏移は1kHzだったという。
  16. ^ ただし、十和田オーディオ製。

出典

  1. ^ 「TBS戸田送信所でAMステレオ放送のテスト電波発射を見た」『ラジオの製作』、電波新聞社、1992年4月、pp.128-129。 
  2. ^ a b c d AMステレオ放送を終了へ…受信機割高で普及せず[リンク切れ] 夕刊フジ 2006年11月16日
  3. ^ a b 毎日放送ラジオからのお知らせ「AMステレオ放送終了のお知らせ」 MBSラジオ公式サイト
  4. ^ a b AMラジオ放送モノラル化について[リンク切れ] TBSラジオ公式サイト
  5. ^ a b モノラル放送移行のお知らせ[リンク切れ] 文化放送公式サイト
  6. ^ a b ステレオ放送についてのお知らせ[リンク切れ] 東海ラジオ放送
  7. ^ a b c AMステレオ放送に関するお知らせ[リンク切れ] CBCラジオ公式サイト
  8. ^ a b 4月1日(月)AM放送の変更(ステレオ→モノラル)および ベリカード(受信確認書)発行終了のお知らせ”. ニッポン放送 (2024年3月24日). 2024年3月26日閲覧。
  9. ^ 茨城放送・市川技術局長に聞く」『放送技術』10月、兼六館出版、1999年10月。 
  10. ^ 『ラジオマニア2010』、三才ブックス、2010年10月、p.133“(AMステレオ関連のICは)そのほとんどが廃番となり、現在では入手不可能。わずかに入手可能なものでも、流通在庫のみ” 
  11. ^ a b 大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ 日経ビジネスONLINE 2010年2月12日
  12. ^ a b 稲富抱一、「AMステレオ放送」『日本音響学会誌』 38巻 6号 1982年 p.370-374、日本音響学会、doi:10.20697/jasj.38.6_370
  13. ^ プレスリリース パイオニア
  14. ^ a b ステレオ放送についてのお知らせ RCCラジオ公式サイト
  15. ^ a b AMステレオ放送終了について[リンク切れ] RSKラジオ公式サイト
  16. ^ 窪田登司,小野功,海老沢政良『エレクトロニクスライフ 1992年6月号「特集 AMステレオ放送のすべて」』日本放送出版協会、1992年6月1日、23頁。 
  17. ^ a b いよいよ風前の灯火「AMステレオ放送」 CBCが撤退決めた理由”. J-CASTニュース (2021年1月24日). 2021年1月24日閲覧。
  18. ^ 『ラジオをほぼ100%サイマル配信する「radiko.jp」の挑戦』AV Watch、2010年3月12日


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