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311

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/11 15:46 UTC 版)

310 311 312
素因数分解 素数
二進法 100110111
八進法 467
十二進法 21B
十六進法 137
二十進法 FB
ローマ数字 CCCXI
漢数字 三百十一
大字 参百拾壱
算木 Counting rod v3.pngCounting rod h1.pngCounting rod v1.png

311自然数、また整数において、 310 の次で 312 の前の数である。

性質

  • 311 は64番目の素数であり、1つ前は307、次は313
  • (311,313)の2数は20番目の双子素数である。1つ前は(281,283)、次は(347,349)。
  • 311を逆から読んだ113も素数であり、エマープである。
  • 17番目の8n-1型の素数である。この類の素数はx2-2y2と表せるが、311=192-2×52である。1つ前は271、次は359
  • 3個、5個、7個、11個の連続素数の和である。
311=101+103+107
=53+59+61+67+71
=31+37+41+43+47+53+59
=11+13+17+19+23+29+31+37+41+43+47

その他 311 に関連すること

関連項目


東北地方太平洋沖地震

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/09 05:59 UTC 版)

(311 から転送)

東北地方太平洋沖地震
東北地方太平洋沖地震の位置
東京
仙台
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2011年3月11日
発生時刻 14時46分18.1秒[1]JST
5時46分18.1秒(UTC
震央 日本の旗 日本 三陸沖
気象庁発表
北緯38度6分12秒
東経142度51分36秒
[2]座標: 北緯38度6分12秒 東経142度51分36秒[2]
米国地質調査所発表
北緯38度19分19秒
東経142度22分8秒
[3]
震源の深さ 24[4][注 1]km
規模    モーメントマグニチュード(Mw)[5]9.0
最大震度    震度7: 宮城県栗原市
地震の種類 海溝型地震逆断層[5][6]
余震
回数 震度4以上: 219回
M5以上: 580回
(1月10日12時00分まで)[7]
最大余震 2011年3月11日15時15分34.4秒、M7.6、最大震度6強[1][7]
被害
死傷者数 日本国内注1
死者 15,841人
行方不明者 3,490人
負傷者 5,890人
日本国外注2
死者 2人
行方不明者 5人
注1: 2011年12月12日現在、警察庁発表[8]
注2: 詳細は#日本国外の節参照。

東北地方太平洋沖地震(とうほくちほうたいへいようおきじしん)は、2011年平成23年)3月11日14時46分[1]日本太平洋三陸沖を震源として発生した地震である。東日本大震災[9][10][11]を引き起こし、東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害をもたらした。

目次

概要

この地震は、2011年3月11日14時46分18.1秒[1]牡鹿半島の東南東約130km付近(三陸沖)の深さ約24km[4]を震源として発生した。太平洋プレート北アメリカプレートの境界域(日本海溝付近)における海溝型地震[12]、震源域は東北地方から関東地方にかけての太平洋沖の幅約200km、長さ約500kmの広範囲に亘った。地震の規模を示すマグニチュードは9.0[5]で、大正関東地震1923年)の約45倍、兵庫県南部地震1995年)の約1450倍のエネルギーの地震であった[13]。これは日本国内においては、先に述べた大正関東地震の7.9や昭和三陸地震1933年)の8.4を上回る観測史上最大[14]であるとともに、世界でもスマトラ島沖地震2004年)以来の規模で、1900年以降でも4番目に大きな巨大地震であった[15][16]。また本震後の短時間の間に、本震の震源域付近でM6〜7以上の複数の余震誘発地震が発生した。

地震によって大規模な津波が発生した。最大で海岸から6km内陸まで浸水[17]岩手県三陸南部、宮城県福島県浜通り北部では津波の高さが8m~9m[18]に達し、1896年明治三陸地震の津波を上回る最大溯上高40.0m(岩手県大船渡市)を記録する[19]など、震源域に近い東北地方の太平洋岸では、高い津波が甚大な被害をもたらした。津波は関東地方の太平洋岸でも被害をもたらしたほか、環太平洋地域を中心に世界の海岸に達した。また、岩手県から千葉県にかけて震度6弱以上を観測するなど広範囲で強い揺れとなり、関東地方の埋め立て地で大規模な液状化現象が発生した。一方東北太平洋岸では、地盤沈下により浸水被害が長期的に続いている。

津波、液状化、建造物倒壊など、東北の岩手県、宮城県、福島県の3県、関東の茨城県、千葉県の2県を中心とした被害は大きく、この地震による死者・行方不明者計約2万人の大半は東北の3県が占めた。また、発電施設被害による大規模停電や一連の震災により、日本全国および世界経済的な二次被害がもたらされた。

一方、地震と津波により福島第一原子力発電所事故が発生し、放射性物質漏れによる汚染が起きているほか、日本の原子力発電所の再稼働問題、電力危機なども発生している。

名称

地震が発生した3月11日、気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名した[20]

英文による名称として

などがある。

地震発生後、しばらくの間は各メディアや組織・団体において震災としての名称は統一されておらず、「東日本大震災」や「東北関東大震災」などの呼称が用いられていたが、日本政府は2011年4月1日の持ち回り閣議で、この地震による震災の名称を「東日本大震災」とすることを了解、発表し[10]、それ以降は各メディアでの呼称も「東日本大震災」に統一された。

本震

3月11日14時46分に発生したM9.0の本震のCMT解(下半球等積投影法、気象庁による速報)[12]

気象庁や防災科学技術研究所などによると、この地震の要素は以下の通り。なお、発生時刻や震源は既知の地下構造モデルによって算出された理論上の精密値であり、実際の要素と多少のずれが生じている可能性がある。

各地の震度

震度6弱以上を観測した地域は以下の通り[28](震度5弱以上を観測した地域の一覧は東北地方太平洋沖地震の前震・本震・余震の記録#本震を参照)。3月30日と6月23日に一部の震度データが修正されている[29][30]。この地震では発生から約3分後(14時49分)の震度速報で震度7が発表された[31]。速報の段階で震度7が発表されたのはこの地震が初めてである[注 2]

本震における日本各地の震度分布図
震度 都道府県 市区町村
7 宮城県 栗原市
6強 宮城県 涌谷町 登米市 美里町 大崎市 名取市 蔵王町 川崎町 山元町 仙台市宮城野区 石巻市 塩竈市 東松島市 大衡村
福島県 白河市 須賀川市 国見町 鏡石町 天栄村 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 新地町
茨城県 鉾田市 日立市 高萩市 小美玉市 那珂市 笠間市 筑西市 常陸大宮市
栃木県 大田原市 宇都宮市 真岡市 市貝町 高根沢町
6弱 岩手県 大船渡市 釜石市 滝沢村 矢巾町 花巻市 一関市 藤沢町 奥州市
宮城県 気仙沼市 南三陸町 白石市 角田市 岩沼市 大河原町 亘理町 仙台市青葉区 仙台市若林区 仙台市泉区 松島町 利府町 大和町 大郷町 富谷町
福島県 福島市 郡山市 二本松市 桑折町 川俣町 西郷村 中島村 矢吹町 棚倉町 玉川村 浅川町 小野町 田村市 伊達市 本宮市 いわき市[注 3] 相馬市 広野町 川内村 飯舘村 南相馬市 猪苗代町
茨城県 水戸市 北茨城市 ひたちなか市 茨城町 東海村 常陸太田市 土浦市 石岡市 取手市 つくば市 鹿嶋市 潮来市 美浦村 坂東市 稲敷市 かすみがうら市 行方市 桜川市 常総市 つくばみらい市 城里町
栃木県 那須町 那須塩原市 芳賀町[注 4] 那須烏山市 那珂川町
群馬県 桐生市
埼玉県 宮代町
千葉県 成田市 印西市

宮城県栗原市で最大震度7を観測し、激しい揺れは2分間続いた[32][33][34]。震度7を観測したのは、2004年新潟県中越地震以来7年ぶり、観測史上3回目[14]仙台では震度6強を観測した[32]。このほかにも宮城県、福島県、茨城県、栃木県の一部で震度6強を観測するなど、震源域が広かったことから強震が広範囲に亘った。また、気象庁の震度推計分布図[35]によると、福島県いわき市で局地的に震度7相当の揺れがあったほか、防災科学技術研究所の強震観測網[36]によると、栃木県芳賀町にある観測点で震度7相当の揺れ(計測震度6.51[27])を観測していたことも分かっている。ただし前者は震度計による観測ではないため、後者は気象庁の認知している震度計ではないため、いずれも観測点の震度には反映されていない。

東京では震度5強、名古屋では震度4、大阪では震度3を観測した[32]。遠く鹿児島県鹿児島市桜島東京都小笠原村母島でも震度1を観測しており、震源から1300km以上離れていることから、地震波はS波だけでも5分以上かけて到達している。東京大学地震研究所の解析によると、本震の揺れは東日本全体で約6分間続いた[37]。日本で体に感じる揺れがなかったのは中国地方四国地方九州地方のそれぞれ一部と南西諸島のみ。長野市松代町の気象庁精密地震観測室は、地震発生から2時間半おきに、この地震によると見られる5回の表面波を確認。地震波は時速14000km(大気中のマッハ11相当)で地球上を5周したと見られる[38]

地震の特徴と発生メカニズム

日本観測史上最大の規模と広い震源域

日本付近のプレートの分布および、本震震源域・余震域の分布とメカニズム

気象庁は当初マグニチュードを、気象庁マグニチュードで7.9と速報したが[32]、後に8.4に修正した[39]。その後、新たに[40]モーメントマグニチュードで8.8と発表[41]し、1900年以降で最大だった1933年昭和三陸地震のMw8.4[42]や1963年択捉島沖地震のMw8.5を上回って、日本の近代地震観測史上最大となった。さらに、3月13日には外国の安定した遠地波形データも用いて9.0と修正した[5][注 5]。通常、日本の地震で使用されるマグニチュードは「気象庁マグニチュード (Mj) 」と呼ばれるもので、発表されたM7.9、8.4は気象庁マグニチュードの値であったが、M8.8、9.0は「モーメントマグニチュード (Mw) 」の値であった[5][注 6]

気象庁は、地震発生3分後にMj7.9と推定した時点ではマグニチュードの「頭打ち」が起こっているとは認識できず、想定されていた宮城県沖地震が発生したものと判断した[43]。しかし実際には地震があまりに巨大だったため、地震発生から約1時間14分後(16時)に修正して発表された気象庁マグニチュード8.4でも正確な規模の把握はできなかった。通常15分程度で算出できるモーメントマグニチュードも、国内の広帯域地震計がほぼ振り切れたため対応できず、国外の地震波形データを用いMw8.8と算出したのは約54分後(15時40分)と時間がかかった(報道発表は精査後の17時30分、地震発生から約2時間44分後)[44][45]。また、アメリカ地質調査所 (USGS) は当初、モーメントマグニチュードを8.8と発表[46]、地震発生から約34分後に8.9、約6時間後に9.0と速報値、同15日に確定値を発表し[15][45]、1900年以降に世界で発生した地震の中で4番目の規模と発表した[16]

気象庁や東京大学地震研究所などによると、この地震は、断層面が水平に対して10度と傾きが浅く、西北西-東南東方向(ほぼ東西方向に近い)に圧縮される、低角逆断層(衝上断層)型のずれであった。水平方向の変位量が大きく、この地域に特徴的なタイプの海溝型地震である[5][6]。断層の破壊が始まった震源地は三陸沖だが、最終的に断層が破壊した震源域日本海溝下のプレート境界面に沿って南北に長く、岩手県沖から茨城県沖までの南北約500km、東西約200km、深さ約5km - 40kmの範囲で、合計約10万km2の広範囲に及ぶ[5][47]

また同庁の分析により、この地震は単一ではなく、3つの地震が連動したもの(連動型地震)と解析された[5][12]。同庁地震予知情報課の課長は「5分前後かけて連続して発生するという、複雑な起こり方をしている。極めてまれで、気象庁の観測で初めての経験」と述べた[48]文部科学省地震調査委員会は13日に臨時会を開き、破壊断層は南北に400km、東西に200kmの広範囲で、少なくとも4つの震源領域で3つの地震が連動発生し、断層の滑り量は最大約20mに達したと述べた[49]。東京大学地震研究所は、「大きな断層破壊が、1.宮城県沖、2.宮城県のさらに沖合、3.茨城県北部沖の陸に近い部分、の順に起こった」と説明している[50]。震源域の中で強い地震波を放出した点(破壊が大きいところ、セントロイド)は大きく震源の東側付近と茨城県沖の2つに分かれており[51][52][47]、連動型地震特有の長く複雑な破壊過程を経た。震源域が広いため広範囲で揺れを観測し、プレート境界深部が破壊したため震源域近部では強震となった。また、プレート境界浅部が2度にわたって破壊したことで2つのピークを持つ大津波を生じた。

地震波の解析により、プレート境界の海溝側の浅い部分と陸地側の深い部分で往復する形で破壊が進行したことが判明し、2011年5月20日付けのサイエンスに発表された[53]。海溝側の浅い部分の破壊は津波地震の特徴でもあり、これにより津波が巨大化した可能性も指摘されている[54]

  1. 発生から3秒間は浅い(約25km)海溝側で緩やかな初期破壊。
  2. 40秒かけて深部(約40kmまで)に破壊が伝播し、短周期の地震波により陸上の激しい揺れをもたらす。
  3. 続いて発生60-75秒後にかけて浅い海溝付近でダイナミックオーバーシュート(dynamic overshoot、動的過剰滑り)により長周期の地震波と大規模な津波を発生。
  4. その後、再び深部へ破壊が伝播し、発生90秒後にかけて短周期の地震波により再度陸上の激しい揺れをもたらす。大きな破壊は100秒後までに止む。

この蓄積された歪を超える滑りであるダイナミックオーバーシュートによる強大な津波の発生メカニズムが明らかとなり、1896年の明治三陸地震津波は海溝側の浅部の滑りにより強大な津波が発生したものと理解される[55]

また、海底活断層や約100万年前に日本海溝から北米プレート下に沈み込んだ海山が関与している可能性も指摘されている[56][57]。この地域のプレート境界は元来摩擦が少なく固着しにくいとされ、M9規模の超巨大地震が発生した原因はこれまで不明となっていたが、この海山が留め金として働いていた可能性があるという[注 7]

地震動・地震波の特徴

本地震の本震による揺れの特徴として、広範囲で強い揺れに見舞われたこと、揺れの継続時間が長かったこと、長周期地震動が広範囲で長時間発生したこと、家屋被害をもたらすような周期の揺れは比較的小さかったことが挙げられる。

本震では、地震動の発生源である断層の破壊が複雑な過程で約100秒間も続いた[53]。この中には、1.宮城県沖、2.宮城県沖、3.茨城県北部近海での計3回の大きな断層破壊が含まれており、各地の地震波形にそれが表れている。地震波は秒速3~7kmという限りある速度で伝搬するため、異なる場所で発生した地震波が時間差で到達し、破壊継続時間以上の長さで強震が継続した[58]。青森県から神奈川県にかけての各地で、震度4以上の揺れの継続時間が軒並み2分(120秒)を超え、いわき市小名浜で3分10秒(190秒)に達するなどした[59]。仙台市や塩釜市でも3分程度揺れが継続し、数十秒間だった1995年兵庫県南部地震や1978年宮城県沖地震と比べて非常に長かった[60]

東京では千代田区(国立国会図書館)、中央区で8分以上にわたって長周期主体の地震動を観測した。変位応答スペクトル波形では周期7秒付近に変位40 - 50cmのピークがあり、7秒前後の固有振動周期をもつ建物の揺れが大きかったと分析されている。また高層建築物の高層階で片振幅最大30 - 60cm程度の変位が観測された。短周期で震度3の大阪でも、住之江区(大阪府咲洲庁舎)で地上階において東京とほとんど変わらない長周期地震動を観測し、高層階でもゆっくりとした大きな揺れを観測した[61][62]。それでも、M9という地震の規模の割には長周期の揺れは小さかった[63]

岩手・宮城・福島・茨城・栃木の各県で観測された本震の地震波の波形を速度応答スペクトル解析した結果によると、極短周期地震動・短周期地震動にあたる周期0.1 - 1秒の範囲で最も大きな揺れが見られる地点が多く、それより長い周期では相対的に揺れは小さかった[61]。宮城県栗原市築館(震度7)、塩竃市、茨城県日立市では、「キラーパルス」(一般的な木造住宅への破壊力が最も生じやすい揺れの周期)にあたる周期1 - 2秒では100カイン(cm/s)であり、木造家屋の倒壊被害が目立った1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)における200 - 300カインに比べて小さく、家屋被害は起きにくい揺れだったと考えられる[64][63]。震度7を観測した栗原市においても全壊した建物は47棟で、死者は0人だった[65]

想定されていた地震・過去の地震との比較

この地震の震源となった三陸沖は、フォッサマグナより東側の日本(東北日本孤)を乗せている北アメリカプレートオホーツクプレート)に対して、太平洋の広範囲を乗せている太平洋プレートが年間約8cmの速さで東南東から押し寄せ、青森県から千葉県にかけての沖合にある日本海溝を境にして東北地方関東地方の下に沈み込んでいる[66]。太平洋プレートが沈み込んでいるこの付近には、M7を超えるような海溝型地震の震源域が多数存在しており、地震調査委員会ではこの地域を以下の8つの領域に区切ってその発生間隔や確率を評価していた[67][68]

日本海溝の海溝型地震の発生評価
(2011年1月1日、地震調査委員会)[2][3]
東北地方太平洋沖地震による破壊の程度
(4月11日発表)[69]
三陸沖~房総沖の海溝型地震想定震源域
領域 M 30年以内の発生確率
三陸沖北部 固有地震 M8.0前後 0.5 - 10% -
固有地震以外 M7.1 - 7.6 90%程度
三陸沖中部 - - 震源域にも含まれる
宮城県沖 M7.4前後 99% 震源域にも含まれる
(宮城県沖と三陸沖南部海溝寄りの連動) M8.0前後 -
すべり量が大きい
※本震の震源域
三陸沖南部海溝寄り M7.7前後 80 - 90%
福島県沖 M7.4前後が複数回連続 7%程度以下 震源域にも含まれる
茨城県沖 M6.7 - 7.2 90%程度以上 震源域にも含まれる
※M7.6の最大余震の震源域
房総沖[注 8] - - -
三陸沖から房総沖の海溝寄り 明治三陸型 M8.2前後 20%程度 一部すべり量が大きい
昭和三陸型 M8.2前後 4 - 7%

このうち「宮城県沖地震」の領域は30年以内にM7.4前後の地震が99%で発生するという評価がなされていた上、平成17年の地震によってそのアスペリティの一部(3つのうち1つ)が破壊された、つまり宮城県沖地震は平成17年(2005年)に部分的に再来したと考えられ、残りの2つのアスペリティは近いうちに破壊されて地震を起こすと考えられていた[70][注 9]

断層の破壊が最初に始まった(震源)「三陸沖南部海溝寄り」やその海溝側にあたる「三陸沖から房総沖の海溝寄り」の中部で20mを超える非常に大きな断層運動が発生したのをはじめ、この地震の南北500km・東西200kmにおよぶ震源域は、「三陸沖中部」、「宮城県沖」、「福島県沖」、「茨城県沖」の計6つの領域に及んでいた。破壊は牡鹿半島沖の震源から南北へ連鎖的に進んでいったが、北米プレートの下に沈み込んだフィリピン海プレートの北東端が地殻破壊の南下を食い止め、「房総沖」の北隣の「茨城県沖」で止まった[71]。また、北側では1994年三陸はるか沖地震あるいは1968年十勝沖地震(「三陸沖北部」に該当する)の震源域南端付近で止まっている[72]。このような広い震源域を持つM9の巨大地震は、従来想定されていなかった。

869年貞観11年)に宮城から福島にかけての太平洋沖で発生したM8.4(産業技術総合研究所による)の貞観地震の推定震源域と類似しており、この再来である可能性が指摘されている[73][74]。貞観地震は以前より文献記録によって知られていたものの、津波堆積物の調査によって石巻東松島で海岸から3km内陸まで遡上、仙台で同2km、名取岩沼で同4km、亘理山元で同2kmと大規模な津波を伴う巨大地震であったことが2000年代に明らかになった。堆積物の広域調査から同様の巨大地震は紀元前390年頃允恭天皇年間(430年頃)、貞観11年(869年)、明応年間(1500年頃)と過去4回発生しており、再来間隔は450 - 800年程度と推定する報告があった[75]。また、東北学院大学地質調査により、約2千年前の弥生時代にも津波が発生しており、本地震で発生した津波浸水域と同程度の浸水域が仙台平野では発生していた可能性があることが明らかになった[76]。これらのことから、東北地方太平洋沖地震発生後に海溝型地震の長期評価見直しを進めている政府の地震調査委員会は2011年11月24日、津波堆積物の調査結果を反映して、紀元前4~3世紀頃、4~5世紀頃、869年の貞観地震、15世紀頃、今回の地震の5回三陸から房総にかけて約600年周期で海溝型地震が発生していると認定し、次回の地震規模はM8.3~9.0としている[77]

2011年4月13日東北大学の当地震の緊急報告会[78]で、東北アジア研究センター教授の平川新は、江戸時代に整備された宿場町が、今回の地震で津波被害を受けていないことを指摘。「慶長16年(1611年)に発生した慶長三陸地震では、当地震と同等規模の津波浸水域が発生したとされ、その経験を基に宿場・街道などが整備された」、「明治時代以降の土地利用で津波経験の記憶を喪失した」との報告を行った[79]。また、同報告会では貞観地震で発生した津波よりも、本地震で発生した津波の方が大規模だったとの報告も行われている[80]

岩手県大槌町では岩手県や大槌町の調査により、本地震による津波の浸水範囲は、明治三陸地震による津波の浸水範囲とほぼ同程度だったことが判明している[81]。同年5月15日にこれが発表されるまで町側は津波の規模や被害を想定外としていたが、実際には本地震から過去115年前にも同規模の津波が襲来したことが明らかになり、改めて三陸沿岸一帯が「津波常襲地帯」であることが浮き彫りになった[81]

関連する地震

前震

3月9日11時45分(本震の約51時間前)に、本震震源の数十km程と近いところを震源とするM7.2、最大震度5弱(宮城県栗原市 登米市 宮城美里町)の地震が起きており[82]、翌10日にかけてその余震とみられる有感地震も発生していた。気象庁はこれが「前震だった可能性がある」としている[83]。また、2011年2月13日から、3月9日の地震とほぼ同じ場所でM5.5を最大とするM5クラスの地震がまとまって発生していた。[84]その一方、3月11日の本震と震源域が重複せず隣接していることから、前震ではないとする見解もあり[85]、これが11日の地震を誘発した可能性もあると見る識者・研究機関もある[86]

余震

余震活動は極めて活発で[87]、本震から1時間足らずの間にM7以上の強い地震が立て続けに発生した[88]。15時15分には茨城県沖を震源として最大余震(M7.6)が発生し、茨城県鉾田市当間で震度6強を観測した[7] [83][89][注 10]。一連の余震は、岩手県沖から茨城県沖までの幅約200km、長さ約500kmの範囲を震源としている[5]。本震の直後、東北大学地震・噴火予知研究観測センターが設置していた地震計の3割がダウンして余震の観測データを送信できなくなり、気象庁が発表する地震情報や緊急地震速報の発令に支障が生じる事態となった[90]

M5以上の余震は3月中に416回あった。2012年1月10日までに観測されたものでは、M5以上が580回、M6以上が96回、M7以上が6回、最大震度4以上のものは219回あった[7]。4月7日には宮城県沖を震源とするM7.2、最大震度6強の余震が発生し[7][91]、4人の死者が出た[92]。4月11日には福島県浜通りを震源とするM7.0、最大震度6弱の余震が発生し[93]、4人の死者が出た[92]。7月10日には三陸沖を震源とするM7.3、最大震度4の余震が発生し、小規模な津波が観測された。

本震後1か月を経ても余震が継続し、東京大学の井出哲准教授はM7レベルの地震は10回以上は起きる、東京大学地震研究所の大木聖子助教は最大余震が1年後に発生することもありうる、との指摘をしている[94]。また、震源域付近の海域での、大規模な誘発地震の発生も注目されている(後述)。

余震のメカニズムは、プレート境界の逆断層型の地震が本震のすべり量が大きい場所を避けて発生しているほか、正断層型などプレート境界型以外の地震も発生している。原因は本震時にすべり量が大きかった場所ではひずみが十分に開放されたがその周囲では本震や余効変動によってひずみが蓄積し活発になっていることにあるとみられる。[95]

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が本震発生後の4月から2ヶ月間、宮城県・福島県遠方沖にある日本海溝東側の太平洋プレート上で行った海底地震計などを用いるプレート内地震の調査によると、深さ約20キロの浅い領域は本震発生以前の正断層型のまま変化はないが、約40キロの深い領域では本震発生以前の逆断層型から正断層型の地震に変化していた。本震の影響によりプレート内部の力作用が変化している可能性などが考えられ、深い部分まで同方向に動きやすくなっているためプレート内部でM8規模の巨大地震が起きる可能性も指摘されている[96][97]。海溝に沈み込む前の海洋プレート内で発生する地震はアウターライズ地震と呼ばれており、陸地から遠方の海域で発生することから地震の揺れ自体は小さいにもかかわらず、大きな津波を発生させることがあるため、地震発生直後の避難が難しく被害が拡大する恐れもある。

2011年11月18日気象庁は地震予知連絡会で同月15日から12月14日までの1か月間に本震域や周辺においては15%の確率でM7以上の余震が発生するとの分析結果を報告した。これは発生したM5以上の余震の傾向から得たもの。また余震は減少傾向にはあるものの3月11日以前の7倍の確率であり、大きな余震への警戒を要するとしている[98]

誘発地震

本震発生から3分後には、神奈川県箱根町でM3.8〜4.2の誘発地震が4回発生し、最大で震度6弱となる揺れを観測した[99]

さらに、本震翌日の3月12日未明には長野県北部を震源とする強い地震(M6.7、最大震度6強)が、また3月15日夜には静岡県東部を震源とする強い地震(M6.4、最大震度6強)がそれぞれ発生した。これらの地震は内陸の活断層における大陸プレート内地震である。これは、牡鹿で東南東へ5.3m移動する程の変動があったことからも分かるように、内陸部の地殻に加わっていた応力が大きく変化した事で発生したと考えられる[100]

このような地震は特殊な例ではなく、過去の海溝型の大地震後にも余震域周辺及び震源域とは離れた場所で、数年間に渡って誘発地震が発生したケースがある[101]

「再びM8級の巨大地震が発生する可能性が高い」と見る機関も複数あり、早ければ同年4、5月中にも生じると見られていた[102]。文部科学省の地震調査委員会(地震調査研究推進本部)は、「三陸沖から房総沖の海溝寄り」の領域で発生すると予測されていた津波地震の想定Mt(津波マグニチュード)を従来の8.2前後から8.6-9.0前後に更新し、誘発される可能性があると発表した[103][104]。京都大学防災研究所の遠田晋次准教授は、誘発地震が発生した場合、仙台市に10mの津波が襲来すると計算している[102]

津波

日本国内

津波警報

仙台市周辺の海岸線の変化
(上)浸水後
(下)浸水前

この地震で気象庁は、気象庁マグニチュード7.9という推定に基づき[43]、まだ揺れの続いている中の14時49分、岩手県宮城県福島県の沿岸に大津波警報、その他の全国の太平洋沿岸などに津波警報津波注意報を発令し、予想される津波の高さについて、宮城県で6m、岩手県と福島県で3mと発表した。しかし、実際の津波の高さはこれを大きく上回った。通常は地震発生15分後に算出されるモーメントマグニチュードがこの地震では算出できず、津波警報の続報に生かせなかった[43]。その後、沖合に設置されたGPS波浪計で高い津波が観測されたため、津波警報・注意報は15時14分、15時30分に拡大され、15時30分には岩手県から千葉県九十九里外房まででの10m以上の津波を予想した[105][106]。3月12日3時20分までに太平洋沿岸の北海道から小笠原諸島四国までと青森県日本海沿岸には大津波警報が、北海道日本海沿岸南部や東京湾内湾、伊勢湾瀬戸内海の一部、九州南西諸島などには津波警報が、日本海や瀬戸内海の沿岸などには津波注意報が発表され、日本の沿岸の全てで大津波警報、津波警報、津波注意報のいずれかが発表されたこととなった[107][108]仙台市宮城野区太白区若林区・青森県太平洋側沿岸をはじめとして全国各地に避難指示が発令された[109][110]。気象庁が津波警報・注意報を全て解除したのは、丸二日以上経過した3月13日17時58分だった[111]

観測された津波

地震によって非常に大規模な津波が発生し、北海道[112]から千葉県[113]にかけて大津波が押し寄せた。特に岩手県宮城県福島県の3県では、海岸沿いの集落が軒並み水没したのをはじめ、仙台平野などの平野部では海岸線から数km内陸にわたる広範囲が水没、遡上した津波により河川沿岸ではかなり内陸まで水没した。陸に押し寄せた高い津波は、各地で防潮堤堤防を乗り越え、建築物構造物を破壊し、それらが瓦礫となって車などと一緒に更に内陸まで侵入した後、引き波となって瓦礫を海まで引きずり出した後、後続の波によって再び内陸へという形で繰り返し沿岸を襲い、甚大な被害を出した[112][114][115][116][117]。航空写真などをもとに国土地理院が分析したところによると、津波により浸水した範囲は、青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉の6県62市町村で561km²に及んだ[118]

津波の第一波は、震源に近い観測所では地震発生とほぼ同時刻に数十cm程度の海面変動が観測され、陸に近い分岐断層のずれによる津波が早い段階で到達した可能性も考えられていた[119]。しかし、気象庁は後日の精査により、釜石大船渡石巻相馬の4地点については、津波によるものと海震などによるものとの区別が難しいことから速報値を取り消し、「11日午後2時台」として何分かは「不明」と発表し「今後も第1波到達時刻の特定は難しい」との見解を示した[120][119]。宮古港では15時1分に1m24cmの引き波を観測し、第一波の到達時刻と特定された[120]

各地の検潮所・験潮所・験潮場で観測された津波の高さ。
岩手県宮城県福島県茨城県にかけての太平洋岸と、北海道の一部で3mを超える大津波が観測された。また、太平洋岸の広い範囲で1m以上の津波が観測されている。

検潮所の測定による津波の高さは、岩手県の宮古で8.5m(15時26分)以上[注 11][121]、釜石で4.2m(15時21分)以上、大船渡で8.0m(15時18分)以上[121]、宮城県の石巻市鮎川で8.6m(15時26分)以上[122]、福島県の相馬で9.3m(15時51分)以上[123]などだった。ただ、東北地方のこれらの検潮所は津波によって途中から観測データを送信できなくなったため、それ以降については記録が残っていない[124]。このうち相馬の記録のみ、引き波の後の最初の押し波が全て記録されているが、気象庁はこの記録について、これ以降の津波の記録が他の検潮所と同様に計測できておらず、後続の波がこれよりも高くなった可能性を考慮して「9.3m以上」と表現している。このほか、青森県の八戸で4.2m(16時57分)以上(一時的に欠測の部分あり)[125]、茨城県の大洗で4.0m(16時52分)を記録している[126]。ちなみに、甚大な被害が出た岩手・宮城・福島の3県にある検潮所で唯一破壊されなかったいわき市小名浜港では、相馬港と大きく異なる3.3m(15時39分)の津波を観測したが、こちらは地震直後から通信回線が途絶し、後日データが気象庁に入電した。

沖合に設置されたGPS波浪計は、岩手県北部沖~福島県沖において15時12分から15時19分の間に最大波を観測し、このうち最大のものは岩手県南部沖(釜石沖)の6.7mだった(沿岸ではさらに高くなる)。岩手県南部沖では少なくとも7回の津波を観測した。また、岩手県北部沖~宮城県北部沖では、最大波の数分前に潮位の小さな上昇があり、岩手県北部沖~岩手県南部沖ではその直後に高く鋭い波形が現れた[127][128][129]

日本気象協会は、岩手県宮古市から福島県相馬市までの沿岸の津波高(海上での津波の高さ)は約8-9mあったと推定した[18]。一方、陸上の比較的海岸に近い地点での浸水高は、浸水した痕跡などから、岩手県から宮城県牡鹿半島までの三陸海岸で10-15m前後、仙台湾岸の高いところで8-9m前後としている[18]陸前高田市南三陸町宮古市などでは建物の4、5階まで浸水した[130]。津波の溯上高(斜面を駆け上がった高さ)は、三陸海岸では30m以上のところがあった[131]。全国津波合同調査チームの調査によると、津波の遡上高は岩手県大船渡市の綾里湾において40.0mにまで達したものが最大と見られており、この記録は明治三陸地震の最大記録38.2m(同市綾里地区)を上回り、明和の大津波(発生当時は琉球)を除けば日本で記録された最大の遡上高となった[19][132][133]。他に、宮古市田老地区の小堀内漁港近くで37.9m、岩手県野田村で37.8m、宮城県女川町で34.7m、大船渡市三陸町綾里で30.1mの遡上高が確認されている[132][133][134][135]

宮城県女川町では、鉄筋コンクリート製のビルが基礎部分ごと地面から抜けて横倒しになった。このような例は世界的にも稀で、町はビルを被害資料として保存する方針である[136][137]

東北大学の今村文彦教授は、NHKが仙台市若林区で撮影した津波の映像を分析し、津波の速さは沿岸から1km内陸の地点では秒速約6m・時速20km以上であったと明らかにした[138]。名取川では津波が陸地の倍の速さで逆流し、堤防からあふれ出して流れ落ちる過程でさらに加速したことで内陸6kmまで浸水したり、川沿いの集落も被害を受けた[139][17][140]

仙台平野では名取川鳴瀬川阿武隈川七北田川などで数km以上津波が遡上した。北上川では、津波が河口から約50km上流の地点まで遡上したことが河川水位の記録データから判明した[141]十勝川においても、河口から約13km上流の地点まで遡上した[142]

岩手県の宮古市田老地区では、高さ10m、総延長2433mの防潮堤を津波が乗り越え、防潮堤は580mにわたって粉砕された[143][144]。岩手県釜石市では、ギネス・ワールド・レコーズに「世界最深の防波堤」と認定されている全長2km、深さ63mの防波堤釜石港湾口防波堤が平成21年(2009年)に完成しており、津波によって防波堤自体は全体の7割が倒壊したものの、釜石市街地への浸水を約6分遅らせることができたとの分析結果が報告されている[145]。これに対し、岩手県普代村では、高さ15.5m、全長155mの防潮堤、普代水門により村の海岸地域が守られ、村全体で死者0名、行方不明者1名の人的被害に留まっている[146]

その後の余震によっても、たびたび津波警報や津波注意報が出された[106]。7月10日9時57分ごろに発生した三陸沖を震源とするM7.3、最大震度4の余震では、本震以降で初めて津波を観測した(岩手県の大船渡と福島県の相馬でともに10cm)[147]

(左)津波による被害を受けた気仙沼市の川原漁港周辺の空撮(2011年3月13日)
(中)同じく被害を受けた仙台市仙台港周辺の空撮(2011年3月12日)
(右)同じく被害を受けた名取市の閖上港周辺の様子(2011年4月6日に日和山から撮影)。数台の重機が瓦礫の撤去作業をしている。

日本国外

太平洋津波警報センターが、アメリカ合衆国ハワイ州現地時間3月10日21時31分(地震発生から1時間45分後)に、同州に対し津波警報を発令[148]。太平洋津波警報センターはその他、ロシアやニュージーランド、南米のチリなども含む約50の太平洋沿岸の国・地域に津波警報を発令した[149]

日本から太平洋を隔てて遠く離れた中南米沿岸にも津波が押し寄せる恐れがあるとして、各国は市民に注意を呼び掛けた。沿岸地域や島嶼部では、津波を警戒して避難命令が出された[150]

南極スルツバーガー棚氷: Sulzberger Ice Shelf)付近(南緯77度西経148度)の海上に長さ9.5km幅6.5km厚さ80m氷山が漂流していることが欧州宇宙機関の人工衛星Envisatによる観測で確認され、地震に伴う津波(高さ0.3m)が繰り返し到達し、棚氷の一部を破壊し巨大な氷山を造ったとNASA2011年8月9日明らかにした[151][152][153]

20110311Houshu.ogg
(左)津波によるエネルギー伝播の試算
(中)津波の太平洋沿岸各地への到達時間の試算
(右)津波によるエネルギー伝播のシミュレーション映像
(データは共にNOAAによる)
国・地域 避難 津波警報 津波の高さ 犠牲者 出典
台湾 0.1 m 0 [154]
ニュージーランド 0.4 m 0 [155]
アメリカグアム 0.4 m 0 [156][157][158]
アメリカ、北マリアナ諸島 0.4 m 0 [156][157]
アメリカ、ハワイ州(ほとんどの地域) 2.1 m 0 [159][160]
アメリカ、ミッドウェー島 1.5 m 0 [161]
アメリカ、ハワイ、マウイ島 2.1 m 0 [161][162]
アメリカ、アラスカ州シェミア島 1.5 m 0 [161]
アメリカ、アラスカ州アリューシャン列島 1.5 m 0 [161]
アメリカ、ハワイ、ハワイ島コナ 3.7 m 0 [161]
アメリカ、ウェーク島 1.8 m 0 [158][161]
アメリカ、カリフォルニア州 2 m 1 [163][164]
フィリピン(ほとんどの地域) 1 m 0 [165][166]
パラオ(一部地域) 0.11 m 0 [158][165][167][168][169][170]
ツバルナヌメア環礁 0.0/小さな波2回 0 [171]
インドネシアモルッカ諸島北スラウェシ州 0.1 m 0 [154][165][166][172]
インドネシアパプア州 1.5 m 1(行方不明5) [173]
ロシアオホーツク海沿岸 不明 不明 3.3 m 0 [174]
千島列島北方領土を含む) 3.3 m 0 [174][175]
メキシコ太平洋沿岸 不明 0.7 m 0 [176]
カナダブリティッシュコロンビア州 0.5 m 0 [177]
フランス領ポリネシアタヒチ島 0.4 m 0 [178][179]
フランス領ポリネシア、マルキーズ諸島 3.0 m 0 [180]
ペルーカヤオ 1.66 m 0 [181]
チリイースター島 0.3 m 0 [182]
チリアリカ 0.91 m 0 [181]

地殻変動

本震および、余効変動余震などの地震後に観測される地殻変動)により、震源に近い地域では大きな地殻変動が発生した。また東日本全域で10cm以上の地殻変動が起こった。プレート境界の急激な滑りによって、上側の太平洋プレート上で、震源域付近では隆起、震源域の西側では沈降が発生した。東北から関東にかけての太平洋岸では軒並み地盤沈下が起きた。

  • 国土地理院計測による水平方向の最大移動は、宮城県女川町江島の二等三角点「江ノ島」での東南東方向5.85mである[183]
  • 陸域観測技術衛星 (ALOS)「だいち」のレーダーからも、広範囲で地殻変動があったことが解析された[184][185]
  • 同上の地球観測研究センターでは被災地の地球観測衛星写真を公開している[186]。また、GoogleGoogle EarthおよびGoogle マップで被災前後の地球観測衛星写真を公開している[187]
  • 海底基準点(海底に設置された電子基準点)のデータでは、震源域のほぼ真上に位置する「宮城沖1」が東南東に約24m移動し、約3m隆起したものが最大であった。他の地点でも、「宮城沖2」が東南東に約15m移動し約60cm沈下、「福島沖」が東南東に約5m移動するなどのデータが観測された。「宮城沖1」は本震だけで約20m以上移動したと見られ、これらの観測結果により、震源付近の海底の移動距離は陸上の約4倍以上となることが確認された。(本震前と約3週間後の3月28日 - 29日の比較、GPS観測、海上保安庁4月6日発表[188]
  • 海洋研究開発機構の調査によると、震源近くから海溝付近では、南東~東南東に約50m、上方に約7mから10mの地殻変動があった[189]

本地震による津波が陸地をさかのぼったことに加えて、広範囲で地盤沈下が発生したことで、東北地方太平洋側の海岸が一部沈没した。津波によるものと地盤沈下によるものを合わせた浸水面積は、青森県から千葉県までで合計561km²に達した。海岸線の一部沈没により一部自治体の面積が減少し、将来的に地図の書き換えが必要になると考えられるが、国土地理院は被災地に配慮し、地図の書き換えは当面行わないとした。自然災害による面積の変更は例が無いという[190][注 14][191]

この地震によって地球の自転がわずかに速くなり、一日の長さ(平均太陽日)が100万分の1.8秒短くなった[192]

地盤沈下

国土地理院は平成23年(2011年)4月5日から10日にかけて3県13市町28か所の水準点三角点電子基準点標高計測し、以下の通り地盤沈下の変動量を発表した[193][194][195]

岩手県 宮城県 福島県
市町村 地盤沈下の変動量 市町村 地盤沈下の変動量 市町村 地盤沈下の変動量
宮古市 0.50m 気仙沼市 0.74m 相馬市 0.29m
山田町 0.53m 南三陸町 0.69m
大槌町 0.35m[194] 牡鹿半島 1.2m[196][194]
釜石市 0.66m 石巻市 0.78m
大船渡市 0.73m 東松島市 0.43m
陸前高田市 0.84m 岩沼市 0.47m

副振動

この地震の本震発生時から終息後数分間、副振動(セイシュ)とみられる、閉鎖性水域の水面のゆっくりとした大きな変動が観測された。日本では少なくとも2か所、西湖で1 - 2分周期・1m程度の水位変化が観測されたほか、芦ノ湖でもゆっくりとした1m程度の水位変化が観測された。長周期地震動と地殻変動が原因と推定されている[197]。また、ソグネ・フィヨルドの中域に位置するノルウェーのライカンゲルでも観測されているほか、カナダのニューファンドランド島では井戸の水位変動が観測された[198]

液状化

この地震により、東日本の広範囲で地盤の液状化現象が観測された。規模が大きかった千葉県浦安市では、埋め立て地が大半を占める土地柄の影響で中町・新町地区を中心に市面積の85%が液状化する大きな影響を受けたのをはじめ[199]、同じ東京湾岸の、千葉市船橋市習志野市、東京都江東区新木場江戸川区港区中央区大田区、神奈川県横浜市金沢区川崎市のほか、河川周辺の造成地でも香取市我孫子市、茨城県ひたちなか市潮来市稲敷市、埼玉県久喜市南栗橋、宮城県大崎市などで被害が発生した[200][201][202][203][204][205][206][207]

今回の地震による関東地方の揺れは、加速度(揺れの大きさ)自体はそれほど大きくないものの、長時間続いたこと、大きな余震が多発したことによって、液状化の被害が拡大したとの見方がある[60]

各地の総面積は少なくとも42km²に上り、直前に起こったカンタベリー地震の34km²を上回る最悪の被害面積となった[208]

緊急地震速報

本震に対し、気象庁は初期微動(P波)検知5.4秒後に予報第一報を発表し、8.6秒後に一般向け緊急地震速報(警報)を宮城岩手秋田山形福島の各県に発表した。震度7を観測した宮城県栗原市ではS波到達まで15秒の猶予があった[209]。しかし、この地震発生の際に発表された緊急地震速報では、予測震度と実測震度が大きく乖離している地点があり[210]、震度5弱以上の強い揺れを観測した青森関東甲信越地方には一般向け緊急地震速報は発表されず、青森・関東甲信越を放送エリアとする民放のテレビ・ラジオ番組、該当地域にない携帯電話のエリアメール機能などで注意喚起がされなかった。また、地震検知5.4秒後に発表された予報第1報ではマグニチュードを4.3・最大震度1程度以上と過小評価し、警報を発表したのは地震検知8.6秒後の第4報だった。

気象庁気象研究所は原因としてそれぞれ、最大振幅から推定するマグニチュードの上限に達してしまったこと・震源域の広がりを十分に考慮できなかったこと、地震の最初の振幅がきわめて小さかったことを挙げている[211]。なお速報の第14報において茨城県北部でも震度5弱以上が予想されたが警報の更新条件である60秒以内に満たなかったため発表されなかった。

また、本震後に緊急地震速報が適切に発表できなくなる問題が発生した。気象庁は原因として、異なる場所でほぼ同時に発生した複数の地震をひとつの地震として処理してしまうため、また停電や通信回線の途絶によりデータ処理に使用できる地震計の数が減少したためとしている[212]。この問題に対し気象庁は、ほぼ同時に起きた地震のうち緊急地震速報(警報)の発表対象としていない小規模の地震を計算の対象から外すことにより、2つの地震を誤って結びつける頻度を減らすシステム改修を行った[213]

地震予知・前兆現象

東北地方太平洋沖地震では地震予知は成功せず[214][215]、巨大地震の発生前に起こるとされているプレスリップ(前兆すべり)も観測されなかった[216]

北海道大学の調査では震源域上空の電離層の電子密度の増大が地震発生の数十分前から発生しており、同大学教授の日置幸介は「巨大地震の直前予知には有望な手法」だとしている。また、電気通信大学名誉教授の早川正士は、地震発生の約5日前から電離層に異常があったとしている[217]

東京大学地震研究所の研究によると、本震1か月前の2月中旬から2月末にかけてと、3月9日のM7.3の地震後の2度にわたり、本震震源の北側約40kmの範囲で、本震の震源に向かうようにして震源が移動しながら複数の地震が発生していた。ゆっくり滑りが起こっていたとみられ、これによって本震発生が促された可能性があるという。[218]

地震の前日の3月10日には、宮城県内で震度3以上の揺れを4回観測する地震が発生していたことから、今回の震災の引き金になったともいわれている(このことは当日の「とくダネ!」でも報道された)[要高次出典]。また、大きな地震雲が観測されていた[要出典]

被害・影響

東日本大震災」と命名された本地震による日本国内の被害は、地震そのものによる被害に加えて津波火災液状化現象福島第一原子力発電所事故・大規模停電など多岐に渡り、1都9県が災害救助法の適用を受けた[219]警察庁発表による死者及び届出があった行方不明者の数は合わせて約2万人で、津波被害を受けた東北地方太平洋沿岸を中心に関東地方北海道でも死傷者が出る事態となっている[8]。この死者・行方不明者数は、明治以降の地震被害としては関東大震災の10万5,385人、明治三陸地震の2万1,959人に次ぐもので[220]阪神・淡路大震災の6,437人を大きく上回る第二次世界大戦後最悪の自然災害となった[221]

ひがしにほん== 地震に対する対応と支援の動き ==

津波警報の発表があった沿岸地域では、消防・消防団・警察・自主防災組織・自治体担当者などによる避難誘導が行われたが、中には津波により負傷・殉職した者もいた。発生当日より国内各地から消防・警察の広域緊急援助隊が派遣され、(原発避難地域も含めて)被災地の救助・捜索・警備などにあたった。最大約6,100人・総数約28,600人の消防隊員が派遣された[222]。また最大約4,900人・6月末現在でも4,000人以上の警察官[223]が派遣されているほか、海上保安庁も救助・捜索・港湾復旧などを行っている。また自衛隊も最大で10万7,000人、7月21日現在でも2万3,000人を超える規模で空所・捜索・避難所支援や復興支援活動を行っている[224]

国内の多数の企業・団体も震災後に物資提供や金銭などの支援を表明している。また通信・報道企業が災害用伝言板・安否情報提供の運用や情報インフラ支援などを行ったのをはじめ、震災の影響に応じた様々な支援やサービスを提供しているところがある。(震災に対する支援活動参照)

地震直後より、国際連合を始めとした国際機関アメリカ合衆国ロシア連邦台湾中華民国)を始めとした世界各国が日本に対して支援の用意があると表明、様々な対応や支援を行っている。特にアメリカは、洋上基地として原子力空母ロナルド・レーガンを派遣するなどの「トモダチ作戦」を展開した。

諸外国政府による公式な対応、支援以外にも、日本国内外を問わず様々な組織・団体または有志が、この地震に対しての支援を表明、もしくは実行しつつある。

教訓

この地震では、政府が東北地方沖で従来想定していたものとはかけ離れた規模の地震が発生した。政府の地震調査委員会は、東海東南海南海地震などの海溝型地震の長期評価を見直すことを決めた[225]。2011年11月に、三陸沖から房総沖までの長期評価を見直したものを発表し、今回のような地震(Mw8.4-9.0)が平均600年間隔で発生していると認定した。また、三陸沖から房総沖までの海溝寄りで、津波マグニチュード(Mt)8.6-9.0(明治三陸地震並み[注 15])の津波地震が30年以内に発生する確率が約30%あるとした[226][227]。ただし、この発表は従来の予測手法によっており、今後さらに検討される[228]

国の中央防災会議の専門調査会は、この地震を教訓とした津波対策について検討した。そのうえで、これまでは過去の文献などから確実に地震の全体像が分かった切迫性のある地震だけを考慮して想定を行ってきたが、これからは確度の低いものでも考えうる最大のものを想定することを求めた。また、この地震による津波が防潮堤を超えて甚大な被害をもたらしたことから、津波のレベルとして、住民の避難を柱にした総合的な対策を取るべき最大規模の津波と、防潮堤などで浸水を防げる比較的頻度の高い津波の、2つを想定する必要があるとした[229][230]

この地震では最初に発表された津波警報の予想高さが過小評価となって避難の遅れにつながった面があった。そのため気象庁は津波警報の改善を検討し、マグニチュード8を超える巨大地震の可能性がある場合には、その海域で想定される最大マグニチュードに基づいて津波警報の第一報を出す方針を決めた。津波警報の発表には、3分程度で算出できる気象庁マグニチュードを通常は基にする。しかし、強い揺れの範囲が明らかに広い場合や津波地震であると推定できる場合など、気象庁マグニチュードが過小評価である可能性がある場合には、事前に想定された最大のマグニチュードか、あるいは観測から得られる別の適正なマグニチュードを用いて第一報を発表する。このような場合には規模の推定が困難で、また最大限の危機感を伝えるため、第一報では予想高さを発表せず「巨大な津波の恐れ」などの表現とする。そして時間の経過とともに精度の高い津波警報に切り替えていく。また東北地方太平洋沖地震では第一波として「0.2m」のような低いものが発表されたため、第一波の発表の仕方も工夫するとした[231][232]

脚注

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注釈

  1. ^ a b 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 震源断層モデルの概念図(国土地理院)では上端5km、下端40kmとされている。
  2. ^ この地震より前に震度7を観測した地震には兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)と新潟県中越地震がある。兵庫県南部地震では発生直後は最大震度が6とされ、震度7が発表されたのは発生から21日後だった(当時は現在と異なり、震度6までは地震計で計測し、震度7は被害状況を見て判断することになっていた)。新潟県中越地震では発生直後は最大震度が6強とされ、震度7が発表されたのは発生から7日後だった(このときは機械と通信回線の故障から地震計の記録が直ちに送られず、震度7の記録は後から回収された地震計の記録から求められた)。
  3. ^ いわき市については、気象庁の震度推計分布図によると局地的に震度7相当の揺れがあったとみられている。
  4. ^ 芳賀町については、防災科学技術研究所の設ける観測点で震度7相当の揺れ(計測震度6.51)を観測している。
  5. ^ M9.0という規模は連続して発生した3つの断層破壊(地震)を総合評価して計算されたものであるが、気象庁は最初に三陸沖で発生した断層破壊を単体でみてもM8.8という巨大地震(2つ目の断層破壊が発生したのは最初の断層破壊の約2分30秒後であるため、最初のものについては単独評価が可能)であるとしている。
  6. ^ 巨大地震ではマグニチュードの増加に比例して長周期の地震動は大きくなるが、短周期の地震動は増加率が小さいため、地震波の大きさを重視した一般的なマグニチュードでは「頭打ち」が起こる。この影響を取り除くため、断層の動いた範囲(断層面積)・量(変位量)・ずれやすさ(剛性率)の積で表される地震モーメントMOを重視したのがモーメントマグニチュードである。地震動による被害のみを見る場合はMjの方が実態に近い一方、モーメントマグニチュードは津波の高さとの相関性が高い。明治三陸地震のような短周期成分が少ない、いわゆる津波地震の場合、Mjでは地震の規模を過小評価してしまう(『地震の大きさをはかる -さまざまなマグニチュード-』 『なゐふる』55号 p.4、日本地震学会、2006年5月 参照)。
  7. ^ 海山と推定される地下の構造が宮城県沖の海底約150km下に存在することについては、本地震の6年前にすでに報告がされている。また、1994年に発生したインドネシアの地震は海山が原因とされており、本地震とも地殻変動が類似している。
  8. ^ 「房総沖」については、
    • 相模トラフ全体を震源域とする北米プレートとフィリピン海プレートの境界での地震は「元禄型関東地震」として別に評価
    • 南関東陸域を震源域とする北米プレートとフィリピン海プレート、あるいはフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界での地震は「南関東直下地震」として別に評価
    • 房総半島南東沖を震源域とするフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界での地震は、記録に乏しく推定不可能なため評価対象外
  9. ^ 宮城県沖地震は1930年代のように数年かけて3つのアスペリティが順に破壊し数回に分けて地震を起こすタイプと、昭和53年(1978年)のように一気にすべて破壊し1回の地震を起こすタイプがあるとされる(2005年8月16日の地震は想定「宮城県沖地震」か? 『なゐふる』第53号、2005年1月、日本地震学会)。
  10. ^ 2011年4月21日に気象庁は、同所の地震計は「震度が周辺に比べ過大に観測されている」として、地域代表性という観点から以後の観測情報の活用を停止しているが、設置状況に問題はなく観測は正常に行われていたとしている(「震度観測点の地震情報への活用停止等について」 気象庁発表)。
  11. ^ 「以上」とは、観測機器の故障・破壊、計器の限界によりその数値以上は観測不能を意味する。
  12. ^ 東北地方太平洋沖地震だけによる変動は約70cmと推定されている
  13. ^ つくば市にあるVLBIによる観測と、GPSによる観測を照合して決定された。
  14. ^ 国土地理院によれば。また浸水地域に近い陸地では、潮汐(満潮)や波浪による浸水被害が発生していて、防潮堤が被害を受けて機能していない後背低地などで被害が長期化している
  15. ^ 東北地方太平洋沖地震の津波マグニチュードは9.1-9.4とされている。

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