二元配置分散分析--各水準の繰返し数が等しく,2 以上である場合
例題:
「年齢と季節がホルモンの分泌量と関係するかどうかについて,年齢階級および各季節ごとにそれぞれ別々に 3 人ずつ,計 60 人の被検者のホルモン分泌量を測定した結果は表 1 のようになった。5% の有意水準で二元配置分散分析をしなさい。」
20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜45歳 | |
---|---|---|---|---|---|
春 | 24.8 23.9 24.1 | 25.0 26.6 27.9 | 27.5 32.5 29.5 | 29.8 26.7 30.7 | 28.5 25.7 28.7 |
夏 | 28.8 22.6 28.0 | 28.5 27.1 25.2 | 26.3 28.2 31.8 | 28.5 26.5 26.7 | 31.3 29.4 29.8 |
秋 | 26.4 27.4 29.4 | 27.9 29.2 26.7 | 30.2 31.7 29.2 | 31.7 27.2 25.5 | 30.3 29.6 31.7 |
冬 | 30.0 28.7 29.2 | 25.0 29.9 29.4 | 30.3 30.9 28.4 | 29.9 27.3 28.8 | 33.6 32.0 34.3 |
検定手順:
- 前提
- 帰無仮説 H0:「要因効果がない」。
- 対立仮説 H1:「要因効果がある」。
- 有意水準 α で両側検定を行う(片側検定は定義できない)。
注:意味的に両側検定である。形式的には F 分布の片側確率を使う片側検定である。
- 繰返し数を n,各セルの測定値を Xijk(i=1,2,... ,a;j=1,2,... ,b;k=1,2,... ,n)とする。
例題では,n = 3,a = 4,b = 5 である。
- 表 2 の各水準の平均値は,i . .,. j . のように “.” が最後にもう 1 個つき,それは各水準の組み合わせでの繰返し数 nij を意味する。また,ij . は各水準の組み合わせでの平均値を意味する。
- この場合には,分析対象変数 X の全変動 SSt は以下のように 4 個の独立な変動に分解できる。
全変動 = 要因 A の効果 + 要因 B の効果 + 要因 A と要因 B の交互作用 + 残差
SSt = SSa + SSb + SSab + SSe
- この場合,二元配置分散分析は表 2 のような分散分析表で表される。
表 2.分散分析表 変動要因 平方和 自由度 平均平方 要因 A SSa dfa = a - 1 MSa = SSa / dfa 要因 B SSb dfb = b - 1 MSb = SSb / dfb 交互作用 SSab dfab = ( a - 1 ) ( b - 1 ) MSab = SSab / dfab 残差 SSe dfe = a b ( n - 1 ) MSe = SSe / dfe 全体 SSt dft = a b n - 1
表 3.分散分析表 を解釈する 3 つのモデル F 値 変動要因 モデルI モデルII 混合モデル 要因 A Fa = MSa / MSe MSa / MSab MSa / MSab 要因 B Fb = MSb / MSe MSb / MSab MSb / MSe 交互作用 Fab = MSab / MSe MSab / MSe MSab / MSe
モデル I は 母数モデル とも呼ばれる。要因 A,B の各水準を固定された不動のものとみなす。
- 要因 A の有意性の検定は,Fa が第 1 自由度が dfa,第 2 自由度が dfe である F 分布に従うことを利用する。
- 要因 B の有意性の検定は,Fb が第 1 自由度が dfb,第 2 自由度が dfe である F 分布に従うことを利用する。
- 交互作用 の有意性の検定は,Fab が第 1 自由度が dfab,第 2 自由度が dfe である F 分布に従うことを利用する。
モデル II は 変量モデル とも呼ばれる。要因 A,B の各水準は無数の水準の内の標本とみなし,そこから得られる推測結論を,標本以外の広い範囲へも適用しようとするものである。
- 要因 A の有意性の検定は,Fa が第 1 自由度が dfa,第 2 自由度が dfab である F 分布に従うことを利用する。
- 要因 B の有意性の検定は,Fb が第 1 自由度が dfb,第 2 自由度が dfab である F 分布に従うことを利用する。
- 交互作用 の有意性の検定は,Fb が第 1 自由度が dfb,第 2 自由度が dfe である F 分布に従うことを利用する。
混合モデル は,片方の要因に母数モデル,もう一方の要因に変量モデルを考えるものである。
- 要因 A の有意性の検定は,Fa が第 1 自由度が dfa,第 2 自由度が dfe である F 分布に従うことを利用する。
- それぞれの自由度を持つ F 分布において,有意確率を P = Pr{F ≧ F0} とする。
F 分布表(α = 0.05,α = 0.025,α = 0.01,α = 0.005),または F 分布の上側確率の計算を参照すること。
- 帰無仮説の採否を決める。
例題では,それぞれのモデルごとに以下のようになる。各表の右端の欄に帰無仮説を棄却するか採択するかを示す。
n.s. は有意確率が 0.05 以上なので,帰無仮説を採択する。
* は有意確率が 0.05 以下なので,帰無仮説を棄却する。
** は有意確率が 0.01 以下なので,帰無仮説を棄却する。
表 4.モデル I( 母数モデル ) 要因 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 季節 51.39733 3 17.13244 4.937067 0.00520 ** 年齢 106.2873 4 26.57183 7.657221 0.00011 ** 交互作用 52.85267 12 4.404389 1.269215 0.27389 n.s. 残差 138.8067 40 3.470167 合計 349.3440 59 5.921085
表 5.モデル II( 変量モデル ) 要因 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 季節 51.39733 3 17.13244 3.889857 0.03739 * 年齢 106.2873 4 26.57183 6.033035 0.00672 ** 交互作用 52.85267 12 4.404389 1.269215 0.27389 n.s. 残差 138.8067 40 3.470167 合計 349.3440 59 5.921085
「2 以上である場合」の例文・使い方・用例・文例
- こんな暖かい陽気は2月にしては異常だ
- 投票の結果は賛成5, 反対4, 棄権2であった
- 被告人は容疑のうち2つについては無罪となった
- その畑は約2エーカーの面積がある
- 紀元前30年から紀元20年までは50年間です
- 隣り合っている2つの部屋
- 議会は2週間休会になった
- 講演の入場料は2ドルです
- この切符は1枚で2人入れます
- このホールは1,200人収容できる
- 私は週2回エアロビクスをやっています
- 7月20日の午後にニューヨークへ立ちます
- パーティーでは行儀よくふるまいなさい.それから12時までには帰りなさいよ
- 彼女は洋服に多くの金を費やすが宝石にはその2倍近くを費やす
- 彼を支持する票は600票,反対票は12票だった
- われわれは相手の100議席に対して250議席を獲得した
- 彼は23歳で処女作を出版した
- 2週間前に起こったことについて話したい
- ひどい交通事故に遭ったのは20年前の今日だった
- 2つのグループは改革について意見が一致していない
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