1986年の中日ドラゴンズ

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1986年の中日ドラゴンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/07/08 08:02 UTC 版)

1986年の中日ドラゴンズ
成績
セントラル・リーグ5位
54勝67敗9分 勝率.446[1]
本拠地
都市	愛知県名古屋市
ナゴヤ球場
球団組織
オーナー	加藤巳一郎
経営母体	中日新聞社
監督	山内一弘（7月5日まで） 高木守道（7月6日から代行）
選手会長	鈴木孝政
« 1985 1987 »
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1986年の中日ドラゴンズ（1986ねんのちゅうにちドラゴンズ）では、1986年の中日ドラゴンズにおける動向をまとめる。

この年の中日ドラゴンズは、山内一弘監督の3年目のシーズンである。

概要

前年大洋と最後まで4位争いを演じ、借金1ケタながらも5位に終わったチームはゲーリー・レーシッチを獲得して打線の強化を図るが、広島との開幕3連戦で3連敗する波乱の幕開け。ゲーリーの加入もあったのかチームは5月に11勝9敗と勝ち越して借金1としたが、梅雨入りの6月になると打線が沈黙。7月に入ってもチーム低迷は止まらず、山内監督の休養と高木守道守備コーチの代理監督就任を発表。高木代理監督のもとチームは立ち直りかけたが終盤で大きく躓き、最後は大洋に勝率で抜かれて2年連続の5位、1983年以来の借金2ケタでシーズンを終えた。投手陣は移籍2年目の杉本正がエースとなり、小松辰雄・鈴木孝政・郭源治がそれなりの成績を収めチーム防御率も3.70で4位とまずまずだったが、終盤は打線の援護なく負ける試合も目立った。打撃陣はリーグ4位の131本塁打を記録したものの4番経験者の大島康徳・谷沢健一が衰え、2年前の本塁打王・宇野勝は三塁コンバートで不調に陥り二軍落ちを味わったりするなど機能せず、ゲーリーや川又米利の奮闘もむなしくチーム打率は最低の.242に終わった。オフには谷沢が39歳で引退。山内監督の辞任を受け、チームはOBの星野仙一を後任監督に招聘。星野新監督はオフにロッテの落合博満を1対4の交換トレードで獲得し、1988年の優勝へとつながっていく。カード別成績では4位争いの大洋に13勝11敗2分と勝ち越したが、優勝の広島や2位の巨人には大きく負け越した。

チーム成績

レギュラーシーズン

開幕オーダー^[2]

1	中	平野謙
2	遊	鈴木康友
3	三	宇野勝
4	右	ゲーリー
5	一	谷沢健一
6	左	大島康徳
7	二	上川誠二
8	捕	大石友好
9	投	郭源治

1986年セントラル・リーグ順位変動

順位	4月終了時		5月終了時		6月終了時		7月終了時		8月終了時		9月終了時		最終成績
1位	広島	--	広島	--	広島	--	広島	--	巨人	--	巨人	--	広島	--
2位	巨人	3.0	巨人	5.0	巨人	1.5	巨人	0.0	広島	2.5	広島	1.5	巨人	0.0
3位	大洋	3.5	大洋		阪神	6.0	阪神	3.5	阪神	7.5	阪神	10.5	阪神	13.5
4位	阪神	4.5	阪神	6.0	大洋	9.5	中日	10.5	中日	13.5	中日	16.5	大洋	20.0
5位	中日	5.5	中日	6.5	中日	10.5	大洋	12.0	大洋	15.5	大洋	18.0	中日	20.0
6位	ヤクルト	7.5	ヤクルト	13.5	ヤクルト	17.5	ヤクルト	13.0	ヤクルト	18.0	ヤクルト	25.5	ヤクルト	27.5
期間 成績	8勝11敗 勝率.421		11勝9敗1分 勝率.550		5勝10敗3分 勝率.333		7勝9敗2分 勝率.438		12勝12敗2分 勝率.500		8勝9敗 勝率.471		3勝7敗1分 勝率.300

^{[3][4][5][6][7]}

1986年セントラル・リーグ最終成績

順位	球団	勝	敗	分	勝率	差
優勝	広島東洋カープ	73	46	11	.613	---
2位	読売ジャイアンツ	75	48	7	.610	0.0
3位	阪神タイガース	60	60	10	.500	13.5
4位	横浜大洋ホエールズ	56	69	5	.448	20.0
5位	中日ドラゴンズ	54	67	9	.446	20.0
6位	ヤクルトスワローズ	49	77	4	.389	27.5

^[1]

オールスターゲーム1986

詳細は「1986年のオールスターゲーム (日本プロ野球)」を参照

• 選出選手

ポジション	名前	選出回数
投手	杉本正	2
外野手	平野謙	初

個人成績

投手成績

• 色付きは規定投球回（130イニング）以上の選手
• 太字はリーグ最高

選手	登 板	先 発	完 投	完 封	無 四 球	勝 利	敗 戦	セ 丨 ブ	打 者	投 球 回	被 安 打	被 本 塁 打	与 四 球	与 死 球	奪 三 振	暴 投	ボ 丨 ク	失 点	自 責 点	防 御 率	W H I P
/杉本正	31	25	10	3	2	12	13	0	733	182.2	163	16	44	0	106	2	0	70	61	3.01	1.13
/郭源治	30	27	9	2	0	11	10	0	738	177.1	164	27	53	2	127	2	1	76	72	3.65	1.22
/鈴木孝政	26	25	5	0	2	9	9	0	653	162.2	156	23	33	3	78	2	0	60	57	3.15	1.16
/小松辰雄	24	20	5	1	1	7	9	0	570	138.2	134	18	31	2	97	1	0	56	54	3.50	1.19
/宮下昌己	40	8	0	0	0	3	6	0	389	95.2	84	10	27	2	73	7	0	41	37	3.48	1.16
/鹿島忠	24	9	1	1	0	3	4	0	334	78.1	84	16	22	3	53	3	1	43	40	4.60	1.35
/桑田茂	25	11	1	0	0	2	4	0	340	77.1	77	16	38	3	47	1	0	43	36	4.19	1.49
/米村明	29	1	0	0	0	1	1	0	237	61.0	49	1	13	0	44	2	1	16	15	2.21	1.02
/牛島和彦	35	0	0	0	0	3	5	16	227	55.0	46	5	19	0	46	1	0	18	17	2.78	1.18
/平沼定晴	34	2	0	0	0	1	2	0	223	50.2	54	6	18	3	39	3	0	27	25	4.44	1.42
/都裕次郎	23	2	0	0	0	2	1	0	171	40.2	30	3	20	0	28	0	0	17	15	3.32	1.23
/曽田康二	11	0	0	0	0	0	2	0	58	12.0	17	4	5	1	6	0	0	16	13	9.75	1.83
/斉藤学	6	0	0	0	0	0	1	0	48	9.0	21	4	1	1	7	0	0	16	16	16.00	2.44
/三浦将明	3	0	0	0	0	0	0	0	30	7.0	6	1	4	0	6	1	0	4	4	5.14	1.43
/古川利行	6	0	0	0	0	0	0	0	26	5.2	6	0	3	0	7	0	0	3	3	4.76	1.59
/川畑泰博	2	0	0	0	0	0	0	0	16	2.1	7	0	3	0	0	0	0	6	6	23.14	4.29
/山本昌広	1	0	0	0	0	0	0	0	5	0.2	2	1	1	0	2	0	0	2	2	27.00	4.50
/近藤満	1	0	0	0	0	0	0	0	7	0.1	5	1	1	0	0	0	0	5	3	81.00	18.00

打撃成績

• 色付きは規定打席（403打席）以上の選手
• 太字はリーグ最高

選手	試 合	打 席	打 数	得 点	安 打	二 塁 打	三 塁 打	本 塁 打	塁 打	打 点	盗 塁	盗 塁 死	犠 打	犠 飛	四 球	敬 遠	死 球	三 振	併 殺 打	打 率	出 塁 率	長 打 率	O P S
/平野謙	130	576	541	56	146	15	1	11	196	44	48	21	6	0	27	5	2	58	6	.270	.307	.362	.669
/ゲーリー	129	525	486	58	122	12	2	36	246	82	2	5	0	3	30	2	6	105	7	.251	.301	.506	.807
/上川誠二	129	478	437	43	129	20	5	3	168	22	7	5	15	1	23	5	2	26	7	.295	.333	.384	.717
/鈴木康友	119	429	368	31	86	16	1	11	137	30	3	2	35	3	18	0	5	76	4	.234	.277	.372	.649
/川又米利	115	403	358	41	99	20	1	9	148	42	3	0	6	7	32	1	0	57	9	.277	.330	.413	.743
/大島康徳	110	380	339	37	88	9	1	20	159	45	1	0	0	2	37	3	2	68	4	.260	.334	.469	.803
/宇野勝	83	340	308	31	65	10	0	10	105	26	7	8	1	2	29	1	0	71	7	.211	.277	.341	.618
/中尾孝義	98	318	294	42	70	14	2	9	115	20	2	3	1	1	20	4	2	63	9	.238	.290	.391	.681
/谷沢健一	94	241	220	22	60	11	1	13	112	35	0	0	2	1	17	1	1	28	5	.273	.326	.509	.835
/石井昭男	78	131	111	11	25	6	0	2	37	14	0	1	1	0	17	1	2	28	0	.225	.338	.333	.672
/尾上旭	70	110	96	8	17	1	0	1	21	5	1	2	6	1	5	1	2	14	2	.177	.231	.219	.450
/大石友好	54	96	88	2	15	4	0	0	19	4	0	0	2	0	4	1	2	19	0	.170	.223	.216	.439
/藤王康晴	29	83	80	5	14	3	0	1	20	3	0	1	0	0	3	1	0	14	1	.175	.205	.250	.455
/杉本正	31	60	53	3	7	1	0	0	8	7	0	0	5	0	2	0	0	16	0	.132	.164	.151	.315
/郭源治	30	59	52	0	5	0	0	0	5	4	0	0	7	0	0	0	0	19	0	.096	.096	.096	.192
/鈴木孝政	26	57	47	2	7	1	0	0	8	2	0	0	8	0	2	0	0	15	0	.149	.184	.170	.354
/仁村徹	36	55	50	2	10	1	0	2	17	8	1	0	3	1	1	0	0	15	1	.200	.212	.340	.552
/内田強	34	53	47	2	11	0	0	1	14	1	0	0	1	0	5	2	0	5	0	.234	.308	.298	.606
/豊田誠佑	62	52	45	5	9	1	0	1	13	5	0	0	1	0	6	0	0	15	2	.200	.294	.289	.583
/藤波行雄	57	51	48	2	9	1	1	0	12	1	0	0	2	0	1	1	0	10	0	.188	.204	.250	.454
/栗岡英智	55	51	47	12	11	2	0	0	13	1	6	2	1	0	3	0	0	14	0	.234	.280	.277	.557
/小松辰雄	24	47	41	1	11	2	0	0	13	5	0	0	5	0	1	0	0	10	1	.268	.286	.317	.603
/島田芳明	42	37	35	4	8	4	0	0	12	5	2	2	0	1	1	0	0	6	1	.229	.243	.343	.586
/彦野利勝	19	23	21	4	5	0	0	0	5	2	1	0	0	0	2	0	0	4	0	.238	.304	.238	.542
/鹿島忠	26	21	19	0	3	1	0	0	4	2	1	0	2	0	0	0	0	4	1	.158	.158	.211	.368
/桑田茂	27	20	17	1	2	0	0	0	2	0	0	0	3	0	0	0	0	6	0	.118	.118	.118	.235
/宮下昌己	40	17	14	0	0	0	0	0	0	1	0	0	3	0	0	0	0	4	0	.000	.000	.000	.000
/松浦英信	42	11	11	4	3	1	0	0	4	0	4	2	0	0	0	0	0	2	0	.273	.273	.364	.636
/牛島和彦	35	10	9	0	3	0	0	0	3	0	0	0	1	0	0	0	0	3	0	.333	.333	.333	.667
/有賀佳弘	20	9	8	1	1	0	0	0	1	0	0	0	0	0	1	0	0	5	0	.125	.222	.125	.347
/金田進	7	7	7	0	1	0	0	0	1	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	.143	.143	.143	.286
/都裕次郎	23	5	5	0	2	0	0	0	2	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	.400	.400	.400	.800
/小松崎善久	5	5	4	0	0	0	0	0	0	0	1	0	0	0	1	0	0	3	0	.000	.200	.000	.200
/平沼定晴	34	3	3	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	.000	.000	.000	.000
/米村明	29	3	3	1	1	0	0	1	4	1	0	0	0	0	0	0	0	1	0	.333	.333	1.333	1.667
/三浦将明	5	2	2	1	1	0	0	0	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	.500	.500	.500	1.000
/斉藤学	8	1	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	.000	.000	.000	.000
/古谷盛人	1	1	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	.000	.000	.000	.000
/山田和利	1	1	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	.000	.000	.000	.000

できごと

選手・スタッフ

中日ドラゴンズ 1986
監督	65 山内一弘（7月5日まで） 71 高木守道（7月6日から監督代行）
一軍コーチ	72 中登志雄（打撃） 71 高木守道（守備→監督代行） 76 島野育夫（走塁兼外野守備） 75 高橋良昌（投手） 86 水沼四郎（バッテリー）
二軍監督・コーチ	74 井手峻（監督） 73 中山俊丈（投手） 78 稲葉光雄（投手） 79 新宅洋志（バッテリー） 84 金山卓嗣（バッテリー補佐） 77 飯田幸夫（打撃） 83 関東孝雄（守備） 89 高橋三千丈（投手補佐） 80 村田広光（トレーニング） 90 三木安司（トレーニング） 87 坪内道則（寮長兼コーチ）
投手	11 古川利行 12 斉藤学 14 杉本正 16 清水治美 17 牛島和彦 18 鹿島忠 19 米村明 20 小松辰雄 21 近藤満 22 曽田康二 26 三浦将明 28 都裕次郎 29 鈴木孝政 32 桑田茂 33 郭源治 34 山本昌広 35 後藤祝秀 43 片平哲也 46 平沼定晴 47 倉田邦房 51 浜田一夫 53 川畑泰博 58 江本晃一 60 宮下昌己 61 白次謙二
捕手	8 大石友好 9 中尾孝義 13 有賀佳弘 27 内田強 39 中村武志 50 金田進 66 入澤淳 93 中原勇一
内野手	1 藤王康晴 2 尾上旭 6 上川誠二 7 宇野勝 23 川又米利 24 仁村徹 30 山田和利 36 長田克史 37 鈴木康友 41 谷沢健一 45 栗岡英智 48 小森哲也 49 水本啓史 54 小松崎善久 55 古谷盛人 56 前原博之
外野手	3 平野謙 4 ゲーリー 5 大島康徳 25 豊田誠佑 31 石井昭男 38 島田芳明 40 藤波行雄 44 神山一義 52 松浦英信 57 彦野利勝

表彰選手

リーグ・リーダー
選手名	タイトル	成績	回数
平野謙	盗塁王	48個	初受賞

ベストナイン
選出なし
ゴールデングラブ賞
選手名	ポジション	回数
平野謙	外野手	2年連続3度目

ドラフト

詳細は「1986年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)」を参照

順位	選手名	ポジション	所属	結果
1位	近藤真一	投手	享栄高	入団
2位	山崎武司	捕手	愛知工業大学名電高	入団
3位	西村秀嗣	投手	柳川高	入団
4位	荒川哲男	内野手	大宮東高	入団
5位	長谷部裕	捕手	享栄高	入団
6位	本村信吾	外野手	熊本鉄道管理局	入団

出典

1. ^ ^{a b} “年度別成績 1986年 セントラル・リーグ”. 日本野球機構. 2015年7月10日閲覧。
2. ^ 『読売新聞』1986年4月7日付朝刊、14版、17面
3. ^ 『読売新聞』1986年5月1日付朝刊、14版、16面
4. ^ 『読売新聞』1986年6月1日付朝刊、14版、16面
5. ^ 『読売新聞』1986年6月30日付朝刊、14版、15面
6. ^ 『読売新聞』1986年8月1日付朝刊、14版、17面
7. ^ 『読売新聞』1986年9月1日付朝刊、14版、17面

表・話・編・歴 « 1985 1986年の日本プロ野球 1987 »
セントラル・リーグ				パシフィック・リーグ
優勝	広島東洋カープ	2位	読売ジャイアンツ	優勝	西武ライオンズ	2位	近鉄バファローズ
3位	阪神タイガース	4位	横浜大洋ホエールズ	3位	阪急ブレーブス	4位	ロッテオリオンズ
5位	中日ドラゴンズ	6位	ヤクルトスワローズ	5位	日本ハムファイターズ	6位	南海ホークス
：日本一　 ：日本シリーズ出場
日本シリーズ オールスターゲーム ドラフト会議

表 話 編 歴 各年の中日ドラゴンズ
1930年代	1936 1937 1938 1939
1940年代	1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948 1949
1950年代	1950 1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959
1960年代	1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966 1967 1968 1969
1970年代	1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979
1980年代	1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989
1990年代	1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999
2000年代	2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
2010年代	2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
2020年代	2020 2021 2022 2023
1945年は戦況悪化のため、公式戦を休止。合同チームによる非公式戦のみ開催。

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