一つの中国
別名:一つの中国政策、一つの中国の原則、1つの中国、一個中國、一个中国、一個中國原則、一个中国原则
英語:One-China、One-China policy、One China principle
中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)が一つの国家である、あるいはそうあるべきだとするイデオロギーのこと。
「一つの中国」の語は特に、中華民国政府の合法性を認めず、台湾は中華人民共和国の一部だとする、中華人民共和国側の立場を指すことが多い。中華人民共和国が「一つの中国」を原則として強く主張しており、中華民国との二重の国家承認を認めていない。一方、台湾では、近年は「一つの中国」論が強く主張される傾向は少ないものの、台湾側の立場を取った場合には、「一つの中国」は中華民国を指すことになる。
国共内戦の結果として、1949年以降、中華人民共和国政府と中華民国政府の2つの政府が、ともに「中国」を自称するようになった。中華人民共和国はその後一貫して、「一つの中国」のイデオロギーのもとで台湾との統一を目指しており、香港やマカオと同様に、「一国二制度」を適用することを現実的な手段として推進してきた。
一方、台湾では指導者が変わるごとに、中華人民共和国との関係の解釈が変化してきた。蒋介石時代には「一つの中国」の考えを堅持し、中華人民共和国に対する敵対姿勢を保っていたが、のちに李登輝総統が「両国論(二国論)」を、陳水扁総統が「一辺一国論」を主張するなど、「一つの中国」のイデオロギーを離れ、独立路線をとる傾向が見られた。
一つの中国
(1つの中国 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 15:45 UTC 版)
一つの中国(ひとつのちゅうごく、繁体字: 一個中國、簡体字: 一个中国)とは、正統性を持った「中国」の国家は一つしか存在せず、中国と台湾は一つの国家が不可分に統治しなければならないとする政策的立場および主張である。
- ^ “教科書に現れた「二つの中国」に関する質問主意書”. www.shugiin.go.jp. 衆議院 (昭和四十九年七月三十日). 2022年1月1日閲覧。
- ^ “《一個中國的原則與台灣問題》白皮書” (中国語). 国务院. 中華人民共和國國務院台灣事務辦公室 (2000年2月21日). 2021年10月10日閲覧。
- ^ 李登輝 (2013年5月). “台湾が感動した安倍総理の友人発言”. Voice (PHP研究所): p. 42
- ^ “台湾の蔡英文総統が「一つの中国」92年合意受け入れ“拒否” 米紙の取材に 中国は不快感示す”. 2018年6月6日閲覧。
- ^ “蔡政権2年 進む米依存 中国圧力、3カ国が断交”. 2018年6月6日閲覧。
- ^ “ブータン基礎データ”. 外務省. 2016年6月12日閲覧。
- ^ “日本、7/9から在留カード開始 出身の記載「台湾」に”. フォーカス台湾 (中央通訊社). (2012年6月26日) 2017年5月22日閲覧。
- ^ 李登輝 (2013年5月). “台湾が感動した安倍総理の友人発言”. Voice (PHP研究所): p. 43
- ^ “我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 平成27年7月29日”. 国会会議録検索システム (国立国会図書館). (2015年7月29日) 2016年7月23日閲覧。
- ^ “台湾旅行法が成立 閣僚の相互訪問を促進”. 2018年6月6日閲覧。
- ^ “米国務長官「台湾は中国に含まれず」、中国「反撃する」と警告”. 2021年1月10日閲覧。
- ^ “米政府高官が「一つの中国」の立場に変更のないことを強調”. ニフティ. 2022年7月6日閲覧。
- 1 一つの中国とは
- 2 一つの中国の概要
- 3 中華人民共和国が主張する「一つの中国」
- 4 脚注
- 1つの中国のページへのリンク