キックターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 17:45 UTC 版)
斜面で静止状態で方向転換するための技術。いくつかの方法があるが、日本スキー教程/全日本スキー連盟・著に記載されている主な方法を中心に記述する。 1)両方の板をフォールラインに対して垂直方向に揃えてエッジを立てて静止している状態から、谷脚スキー板のトップを上にするように持ち上げ、板のテールを前方に出して立てる。その状態から板のトップを谷側を経由して倒しながら後方に持っていき、山側の板と逆方向で平行になるように着地させる。これによって、脚は極端な爪先開きの体勢となる一方、上体は谷を向く方向となる。続けて山脚を持ち上げて身体の捻れを解くように谷側に移動させて両方の板が平行になるように着地させる。これによって方向転換が完成する(動画「キックターン-1」参照)。キックターンの中では一番行いやすい方法とされる。 2)谷脚のスキーを持ち上げてそのままトップを谷側かつ後方に回転させつつ山側にそろえ、脚が極端な爪先開きの体勢、かつ上体が谷を向く方向となったところで、入れ替わって谷側となったスキーのトップを谷側から逆方向に回して同方向に揃える、前述の方法とほぼ逆の動きをするキックターンもある(動画「キックターン-2」参照)。上記の応用で、谷側のスキーを後方に回転させた後で、入れ替わって谷側となったスキーのテールを立てて雪面に突き、それを支点として板のトップを谷側を経由して倒しながらスキー先端を同じ方向に揃える方法もある(動画「キックターン-3」参照)。 急斜面や狭い場所、スキーレッスンなどにおいて安全な方向転換のためには欠かせない技術で、初心者の段階から習得を求められるものである。なお、子ども・筋力不足やバランスが上手く取れない初心者などでは、1)のキックターンをする際にスキー板を前に立てる事が出来ない人もいるため、板を立てる事が出来るかどうかを確認してから指導する方が良い。
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