西武E851形電気機関車とは? わかりやすく解説

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西武E851形電気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 02:12 UTC 版)

西武E851形電気機関車(せいぶE851がたでんききかんしゃ)は、西武鉄道1969年昭和44年)の西武秩父線開業に際して新製した電気機関車である[2]


注釈

  1. ^ 1928年(昭和3年)の日本国有鉄道(国鉄)における形式称号規程改訂に際して制定された、動軸数に応じてAから順にアルファベット記号を割り振る表記方式による呼称。動軸を「6軸」備える本形式はAから数えて6番目の「F形」となる[3][4]
  2. ^ 当時西武鉄道が保有した電気機関車各形式中、最も大出力かつ強力な牽引特性を備えるものはE61形電気機関車であったが、同形式ですら定格出力1,000 kW・定格牽引力13,600 kgfと本形式の約半分に相当する性能を備えるに過ぎなかった[11]。ただし、東武鉄道のED5000番台機が定格出力586 kW、秩父鉄道のデキ200形以降が定格出力920 kWであることを考えると、これでも私鉄機としてはトップクラスの出力である。
  3. ^ 前掲した3形式は、いずれも船舶の製造を主に手がけた川崎造船所より鉄道車両製造部門が分離独立して成立した川崎車輌(現・川崎車両)が設計・製造した車両であり[17]、3形式の製造当時に船舶用窓ガラスとして多く用いられた丸窓を鉄道車両にも採用したものと推定される[17]
  4. ^ 日本国外向けでは、1950年代後半から1960年代前半にかけて、日立製作所インド国鉄向けに丸窓を持つ2形式の電気機関車、WCM3形およびWCM4形を製造しているが、これらはインド国鉄の希望によるものである。
  5. ^ 通常、大出力を備える電気機関車は、大電流対策として電車用の摺り板と比較して頑丈かつ重い摺り板を搭載する。そのため、国鉄が保有する電気機関車においては一部の例外を除いて、一般的な電車用パンタグラフにおける、ばね上昇(空気圧下降)式とは構造が逆転した、空気圧上昇(ばね下降)式のパンタグラフを採用し、架線追従能力を確保している。
  6. ^ 1976年(昭和51年)には国鉄(現・東日本旅客鉄道武蔵野線新秋津駅から所沢に至る貨物連絡線が完成し[14]、それまで池袋および国分寺において国鉄との連絡運輸を行っていたセメント輸送列車についても同年3月1日から新秋津を中継駅とするよう変更され[25][26]、運行系統は東横瀬 - 新秋津間のみに一本化された[14]
  7. ^ 西武鉄道における正式な貨物輸送の廃止日は同年3月31日付であり[28]、貨物専用駅であった東横瀬駅も翌4月1日付で廃止となった[5]
  8. ^ 101系4000系10000系は自動空気ブレーキ機能を備えるもののあくまでもバックアップ用途であり、連結器の構造も異なることから機関車からブレーキ管を引き通しての常用自動空気ブレーキを動作させるのは困難である。もっとも、電車のバックアップ用自動空気ブレーキを機関車から動作させることは国鉄151系・153系電車やEF63形電気機関車などで前例がある。

出典

  1. ^ a b c 『三菱重工技報 第7巻』
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「西武鉄道新製電気機関車概要」(1969) p.30
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 『ヤマケイ私鉄ハンドブック6 西武』 pp.52 - 53
  4. ^ a b c 『西武の赤い電機』 p.140
  5. ^ a b c d e f g h i j k 「西武鉄道の一大転換期 激動の1980 - 1990年代を振り返る」(2011) pp.47 - 48
  6. ^ 『私鉄の車両2 西武』 pp.82 - 83
  7. ^ a b c d 『新車年鑑 1997年版』 p.185
  8. ^ a b c d 「西武秩父線の開通と輸送計画」(1969) pp.24 - 25
  9. ^ a b c 「西武秩父線の開通と輸送計画」(1969) p.26
  10. ^ a b c d e f 「西武鉄道の電気・蓄電池機関車」(1970) p.64
  11. ^ 「西武鉄道の電気機関車」(1992) p.245
  12. ^ 「私鉄車両めぐり(147) 西武鉄道」(1992) p.279
  13. ^ a b c d e f g h 「私鉄車両めぐり(147) 西武鉄道」(1992) p.267
  14. ^ a b c d 『私鉄の車両2 西武』 pp.84 - 85
  15. ^ a b c d e f g h i j k l m 「西武鉄道の電気機関車」(1992) pp.237 - 238
  16. ^ a b c d 『復刻版 私鉄の車両6 西武鉄道』 pp.84 - 85
  17. ^ a b c d 『西武の赤い電機』 pp.194 - 195
  18. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 「西武鉄道新製電気機関車概要」(1969) pp.31 - 32
  19. ^ 『鉄道ファン』通巻424号p62
  20. ^ a b c d e f g 『ヤマケイ私鉄ハンドブック6 西武』 p.95
  21. ^ a b c d e f 「EF81の一大拠点 JR貨物富山機関区」(2005) pp.36 - 37
  22. ^ a b 『西武の赤い電機』 pp.254 - 257
  23. ^ a b 『西武の赤い電機』 pp.192 - 193
  24. ^ a b c d 『西武の赤い電機』 p.199
  25. ^ 『西武の赤い電機』 pp.28 - 29
  26. ^ 『西武の赤い電機』 pp.40 - 41
  27. ^ 『西武の赤い電機』 pp.170 - 171
  28. ^ a b 「輸送と運転 近年の動向」(2002) p.34
  29. ^ a b 「西武特集 輸送と運転の現況」(1992) p.33
  30. ^ a b c 『鉄道ファン』通巻424号 1996年8月号、p.61
  31. ^ a b 『西武の赤い電機』 pp.88 - 97
  32. ^ a b c d e 『西武の赤い電機』 pp.98 - 115
  33. ^ a b c 「私鉄車両めぐり(169) 西武鉄道」(2002) pp.237 - 240
  34. ^ 『西武の赤い電機』 pp.126 - 127


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