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黒体
別名:完全放射体
【英】Black Body
黒体とは、光や電磁波などを全て吸収する性質を持った理想的な物質のことである。
物質はそれぞれの反射率によって光や電磁波を反射する性質を持っている。その光や電磁波をすべて吸収するものと設定された物質が黒体に当たる。黒体の性質を完全に実現している物質は、特に完全黒体と呼ばれる。厳密な完全黒体は現実には存在しないが、近似した性質を持つ物質は存在する。
一般に、物質を熱するとその物質は熱量に従った色を放射する。理論上で完全黒体を熱した場合に、熱量に従って放射される色が、熱量と色とを関連付ける「色温度」の基準値として定められている。色温度はディスプレイやDTPの分野において輝度の表示基準などとして用いられている。
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黒体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/09/05 11:31 UTC 版)
黒体(こくたい、Black body、あるいは完全放射体)とは、外部から入射する熱放射など(光・電磁波による)を、あらゆる波長に渡って完全に吸収し、また放出できる物体のこと。完全な意味での黒体(完全黒体)は現実には存在しないと言われているが、ブラックホールなど近似的にそうみなせる物質、物体はある。
黒体からの熱などの放射を黒体放射と言う(以前は黒体輻射ともいった)。ある温度の黒体から放射される電磁波のスペクトルは一定である。温度 T において、波長 λ の電磁波の黒体放射強度 B(λ) は
で表される。これをプランク分布という。プランク分布を全波長領域で積分することで、黒体放射の全エネルギーが T4 に比例する(E = σT4,σ:シュテファン=ボルツマン定数)というシュテファン=ボルツマンの法則を得る。また微分して B(λ) が極大となる λ を求めることで、放射強度最大の波長が T に 反比例するというヴィーンの変位則を得る。
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空洞放射
十分に大きな空洞を考え、空洞を囲む壁は光を含む一切の電磁波を遮断するものとする。この空洞に、その大きさに対し十分に小さな孔を開ける。孔を開けることによる空洞内部の状態の変化は無視できるとする。外部からその孔を通して入った電磁波(ある特定の波長のものが光)が、空洞内部で反射するなどして再び出てくることは、孔が十分に小さければ無視することができる。つまりこの空洞は、外部から入射する電磁波を(ほぼ)完全に吸収する黒体とみなすことができる。
この空洞からの熱などの放射を空洞放射という。
黒体放射と量子力学
理想的な黒体放射を現実にもっとも再現するとされる空洞放射が温度のみに依存する、という法則はグスターブ・キルヒホッフにより1859年に発見された。以来、空洞放射のスペクトルを説明する理論が研究され、最終的に1900年にマックス・プランクによりプランク分布が発見されたことで、その理論が完成された。
物理的に黒体放射をプランク分布で説明するためには、黒体が電磁波を放出する(電気双極子が振動する)ときの振動子の量子化を仮定する必要がある (プランクの法則)。つまり、振動子が持ちうるエネルギー (E) は振動数 (ν) の整数倍に比例しなければならない。
- E = nhν (n = 0, 1, 2, ...)
この比例定数 h = 6.626×10-34 [J・s] は後に、プランク定数とよばれ物理学の基本定数となった。これは古典力学と反する仮定であった(古典力学では物理量は連続な値をとり、量子化されない)が、1905年にアルベルト・アインシュタインがこのプランクの量子化の仮定と、光子の概念を用いて光電効果を説明したことにより、この量子化の仮定に基づいた量子力学が築かれることとなった。
灰色体
工業製品などでの設計では、対象の温度範囲が限られていることから、しばしば放射率が周波数に依存しない理想的な物体として灰色体(かいしょくたい)を用いる。灰色体は、黒体の放射率を 1 より小さい定数としたものと等価であり、黒体よりも現実的なモデルを与える。
関連項目
関連した本
- 黒体と量子猫〈1〉ワンダフルな物理史 古典篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) ジェニファー ウーレット 早川書房
- 黒体と量子猫〈2〉ワンダフルな物理史 現代篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) ジェニファー ウーレット 早川書房
- 黒体のふしぎ―21世紀の新素材 (はなしシリーズ) 酒井 弥 技報堂出版


