馬頭観音とは?

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ばとう かんのん -くわんおん 【馬頭観音】


馬頭観音

読み方:バトウカンノン(batoukannon)

六観音八大明王の一。

別名 馬頭明王


馬頭観音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/09 12:44 UTC 版)

馬頭観音(ばとうかんのん / めづかんのん)、梵名ハヤグリーヴァ (हयग्रीव [hayagriiva])は、仏教における信仰対象である菩薩の一尊。観音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり、いわゆる「六観音」の一尊にも数えられている。柔和相と憤怒相の二つの相をもち、日本では柔和相の姿はあまり知られておらず作例も少ない。そのため、観音としては珍しい忿怒の姿をとるとも言われ、通例として憤怒相の姿に対しても観音と呼ぶことが多いが、密教では、憤怒相の姿を区別して馬頭明王とも呼び、『大妙金剛経』(大正蔵:No.965)[1]に説かれる「八大明王」の一尊にも数える。




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  1. ^ 『大妙金剛経』は、正式名称を『大妙金剛甘露軍孥利焔鬘熾盛金剛経』といい、そこに説かれる「八大明王」は降三世明王大威徳明王、大笑明王、大輪明王、馬頭明王、無能勝明王、不動明王、歩擲明王の八尊となる。一般に真言宗では、「五大明王」に烏枢沙摩明王、無能勝明王、馬頭明王の三尊を加えて「八大明王」とするが、天台宗の「五大明王」には烏枢沙摩明王が入っているので、この三尊では八尊とならない。
  2. ^ 『如意輪観音・馬頭観音像』(至文堂)、p54。
  3. ^ 『八大ヘールカ法』は、日本の「八大明王法」に相当する密教の修法で、『大妙金剛経』が漢訳されるのと同時代に、チベット密教ニンマ派の開祖グル・パドマサンバヴァによって直接チベットに伝えられた。『八大ヘールカ法』は、『修部の八教説』(ドゥパ・カギェー:sgruppa bkah bragyad)、または『八大守護尊の体系』(イダム・ドゥパ・カギェー:ydam sgruppa bkah bragyad)とも呼ばれる。ここでいう『八大守護尊』とは、妙吉祥ヘールカ(大威徳明王)・蓮華ヘールカ(馬頭明王)・真実ヘールカ・甘露ヘールカ(甘露軍荼利明王)・金剛橛ヘールカ(プルパ金剛)・殊勝ヘールカ・呪語ヘールカ・世神ヘールカの八尊を指し、日本密教で明王と呼ばれている尊格も登場する。
  4. ^ 「西蔵仏教宗義研究 第三巻 トゥカン『一切宗義』 ニンマ派の章」(東洋文庫)、pp.108-109、p161。
  5. ^ 『大チベット展』(株式会社毎日コミュニケーションズ)、図版 ツ73-1〜ツ73-9。
  6. ^ 蓮華部を守る憤怒尊で「蓮華口密」の意味。
  7. ^ 『チベットの仏たち』(方丈出版)、pp.60-64。
  8. ^ 『清宮藏傳佛教文物』(故宮博物院紫禁城出版社)、p106、p224。
  9. ^ 『馬頭観音供』(芝金聲堂)、pp.56-58。
  10. ^ 『六字経』と呼ばれる経典は、日本では奈良時代から信仰され用いられてきた。主に罪を滅し、呪詛の類を退けて、自身と家族の生活を安穏にし、怨敵を退ける目的をもつ陀羅尼や呪法を説くもので、経典は一冊ではなく類書が多い。また、その修法の本尊も「釈迦金輪」・「釈迦金輪曼荼羅」・「六観音」・「六字観音」・「六字明王」等々と一定していない。「釈迦金輪曼荼羅」には種々あるが、このうち『六字経』に関係する釈迦金輪の曼荼羅は、別名『六字経曼荼羅』と呼ばれ、釈迦金輪を中心として六体の観音を描くもので、ここに登場する「六観音」が単独に信仰されるようになり、六観音を円形に描く曼荼羅をも『六字経曼荼羅』呼ばれるようになったことから、『六字経』を離れて「六観音」の信仰が確立したとも言われている。なお、『六字経』と呼ばれる経典には以下のようなものがある。主本は『六字神呪経』(大正蔵:No.1186)で、他には『六字呪王経』(大正蔵:No.1044)、『六字神呪王経』(大正蔵:No.1045)、『六字陀羅尼呪経』(大正蔵:No.1046)、『聖六字大明王陀羅尼経』(大正蔵:No.1047)が挙げられる。
  11. ^ 『赤観音阿闍梨潅頂次第訳註』(蓮華堂)を参照。
  12. ^ 『理趣経』は、主に日本の真言宗において常用される日課経典で、密教の大楽思想を説く経典である。別名を『大楽金剛不空真実三麼耶経』、あるいは『金剛頂瑜伽般若理趣経』、『大楽金剛不空真実三摩地耶経般若波羅蜜多理趣品』ともいう。
  13. ^ 理趣釈経』は、先に挙げた『理趣経』の注釈書であり、この経典の取り扱いをめぐって空海最澄が袂を分かつことになったことで有名な書物である。別名を『大楽金剛不空真実三昧耶経般若波羅蜜多理趣釈』という。
  14. ^ 「得自性清浄法性如来」は、「蓮華王菩薩」ともいう。
  15. ^ 「蓮華部母」は「蓮華王母」とも言い、如来の五智であるところの『妙観察智』のことを指しており、智慧(プラジュニャー)は梵語で女性名詞となるため、密教では女尊として表現されている。この『妙観察智』は蓮華部を代表する智慧であるため、観音の明妃である「蓮華部母」や、阿弥陀如来の明妃である「白衣観音」に配される。それゆえ日本密教では、馬頭明王があらゆる観音の憤怒相であるので、修法の際には「蓮華部母」の賛嘆文(梵文・漢文)や真言を唱える。
  16. ^ 『馬頭観音供』(芝金聲堂)、p35、p43。『六観音合行供』(芝金聲堂)、p43、p47。
  17. ^ 「ラト・マチェンドラ・ナート」の意味は「ラト」(赤)・「マチェンドラ」(観音)・「ナート」(様)で、「赤観音」を指す。
  18. ^ 「説法印」とは、その本尊の内証を表すために結ばれる印相のこと。馬頭観音の場合には、「根本馬口印」や「剣印」、「棍棒印」、「根本印」等が「説法印」として結ばれる。いわゆる観音の法身や、「得自性清浄法性如来」が法界からその姿を報界等に現す際にはこの「説法印」を結ぶ。例として、『理趣経』の第二段においては、大日如来が報界の曼荼羅に姿を現す際に「智拳印」を結び、これを「説法印」としている。また、日本の金剛界の大日如来は「智拳印」を、胎蔵界の大日如来は「大三昧耶印」を「説法印」とし、この両印を結ぶのを常としている。
  19. ^ 千葉県高野山真言宗蓮華堂蔵。
  20. ^ 『覚禅鈔』(かくぜんしょう)は、『覚禅抄』とも表記し、真言宗小野派・金胎房覚禅(1143-1213頃)が編纂した事相の作法と図像集。当時、高野山醍醐寺勧修寺に伝わる資料に加え、「図像抄」や「別尊雑記」等を調べて、別尊法の次第や図録を書き記したもの。当初は、百巻あったともされ「百巻抄」とも呼ばれるが、原本は失われて写本のみが伝わり、写本ごとに内容が異なる。その中で有名なものには「勧修寺本」(かじゅうじぼん)がある。
  21. ^ 『秋季特別展 馬頭観音信仰のひろがり』(馬の博物館)、p38。
  22. ^ 『秋季特別展 馬頭観音信仰のひろがり』(馬の博物館)、p34。
  23. ^ 『秋季特別展 馬頭観音信仰のひろがり』(馬の博物館)、p51。
  24. ^ 大護八郎 著 「馬に関する信仰と馬頭観世音」(『日本の石仏』 季刊第10号 特集・馬頭観世音)、pp.4-10。
  25. ^ 日本では、馬頭観音は「白馬頭」を頭上に戴くが、チベット密教ではサムイェー寺にある尊像の写真のように、「碧馬頭」を頭上に戴くのが一般的である。
  26. ^ 三目は、額に縦に一目を有する。
  27. ^ この経典の読み名は、『せいかやぐりばだいいぬおうりっせいだいしんげんくようねんじゅぎき』となる。
  28. ^ この経典の読み名は、『せいやまんとくいおうりっせいだいしんげんねんじゅほう』となる。
  29. ^ この経典の読み名は、『かやぐりばぞうほう』となる。
  30. ^ この経典の読み名は、『かやぐりばかんぜおんぼさつじゅほうだん』となる。
  31. ^ 『観音像』(至文堂)、p70。
  32. ^ 「根本馬口印」は、別名を「馬頭根本印」、「馬口印」ともいう。
  33. ^ 『房総の馬乗り馬頭観音』(たけしま出版)、pp.14-23。
  34. ^ 『ボストン美術館蔵馬頭明王像』(美術史學會)、pp.140-142。
  35. ^ 『法界源流圖』(商務印書館有限公司)、第37図。


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