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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

ふうせつ 0 【風説】

(名)スル

〔「ふうぜつ」とも〕世間とりざたすること。また、そのうわさ。風評
「―に迷わされる」「人の―する所に因(よ)れば/当世書生気質逍遥)」
「風説」に似た言葉
  情報  デマ    風評



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/05 14:14 UTC 版)

(風説 から転送)

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(うわさ)とは、その内容が事実であるかどうかを問わず、世間で言い交わされている話の事。類義語として飛語(蜚語)・ゴシップ・デマ・流言などがあり、それぞれ下項で紹介する。

目次

飛語

飛語(蜚語・ひご)も、根拠のない無責任な噂を意味する言葉で、流言と合わせて流言飛語流言蜚語)という四字熟語を構成する。

ゴシップ

ゴシップ: gossip英語発音: /ˈgɔsəp/ サプ、米語発音: /ˈgɑsəp/ サプ)とは、巷で伝聞される興味本位の噂話の事を指すが、特にマスメディアにおいては芸能人などのゴシップを、「不祥事」・「醜聞」を意味する「スキャンダル 」(: scandal英語発音: /skændl/キャンドゥル、スキャンドー)という表現で伝える事が多い。この類のネタにした記事を「ゴシップ記事」、さらにこのゴシップ記事の類を多数掲載している新聞・雑誌の事をゴシップ誌と呼ぶ事がある。

デマ

デマとはデマゴギー(: Demagogie)の略で、本来は政治的な目的を持って意図的に流すのことであり、転じて単なる嘘や噂、流言などを指すこともある。前者の意味のデマを流す人物のことをデマゴーグ(: Demagog)という。

噂や流言はしばしば(前者の意味での)デマゴギーだったのではないかと捉えられることがある(陰謀論の項も参照)。1990年代後半以降は、インターネット上のブログ電子掲示板などから広まるケースも増えている。

インターネットで広まったデマの例

  • 数年前、インターネット上に『創価学会に入信した有名人リスト』として事実確認をせずに氏名を掲載するデマが流行し、その内容をきっこ等の有名ブロガーが記事として掲載したことから愛川欽也が創価学会員というデマがネット上で流れた。2009年2月28日に愛川は自身の公式ホームページで「僕は創価学会の会員ではありません」と正式に否定し、J-CASTニュースが3月2日に報じている[1]。同誌によれば、愛川の発言は過去に週刊誌等が特集として組んだ創価学会に入信した芸能人リスト[2][3]の中にも愛川の名がないことから「ウェブサイトでの発表の正しさを裏付けるものと言えそうだ。」としている。その後きっこのブログは謝罪記事を掲載した。創価学会はこの件に対し一切コメントしていない。
  • 国会議員や言論・文化人に対する在日認定。右派系雑誌や学者がまことしやかに採り上げ、訴訟に発展した例もある。
  • チェーンメール

流言

流言(りゅうげん)とは、正確な知識や情報を得られず、明確な根拠も無いままに広まる噂のこと。風説、流説ともいう。ある一部での話が連鎖的に広まり、それがやがて全体に広がっていく形態を取る。白川静によれば、中国の古代の歴史書書経に既に流言の例が見られるという[4]。日本での流言の古い歴史は1600年ごろまでさかのぼる。

トイレットペーパー騒動

日本国内で最も広範に広まった流言に、オイルショックによるトイレットペーパー騒動がある。

1973年11月1日午後1時半ごろ、大阪千里ニュータウン大丸ピーコックストアの宣伝用の特売広告に、(激安の販売によって)「紙がなくなる!」と書いたところ、突然300人近い主婦の列ができ、2時間のうちにトイレットペーパー500個が売り切れたことから始まった。

当時は第四次中東戦争という背景もあり、原油価格の高騰により紙が本当に無くなるかもしれないという不安心理から、各地で噂が飛び火し、行列が発生したため、マスコミにも大きく取り上げられ、混乱は全国に連鎖的に急速に拡大した。高度経済成長で大量消費に慣れていた人たちが、初めて「物不足の恐怖」に直面したために起こった騒動とも言われている。ただし、原油価格の高騰と商品全般の価格高騰に関係はあっても、元々が原油と紙との製造・流通過程における直接的な関連はないのでこの流言がなければ過剰な需要による品不足になる可能性は低かったと考えられる。

豊川信用金庫の流言事件

1973年愛知県小坂井町(現・豊川市)を中心として騒動となった事例。高校生達が国鉄飯田線(当時)の車内で自分達の就職先の話をしていて、「豊川信用金庫」が就職先としてどうであるのかという話で盛り上がっていた。内容は、他の高校生がただからかうだけで「豊川信用金庫は危ないよ」と話していた(金融機関を狙う強盗による物理的な危険性を指しての発言だったらしい。なお、その時点では豊川信金は経営的には安定していた)。この女子高校生の話を本当に鵜呑みにしてしまった高校生が、親に就職の相談を持ちかけ、親は豊川信金小坂井支店に預金があったため、急いで預金をおろす準備をした。そして、その行動が町中に広がり、豊川信金は全体として約20億円が引き出されて活動が一時的に不可能になってしまった(取り付け騒ぎ)。

関東大震災における流言

関東大震災後に警視庁が配布した、デマを流すと処罰する旨のビラ。

1923年9月1日関東大震災発生後、実際よりも大袈裟な、朝鮮人(厳密には大韓帝国1910年で消滅、1945年に解放されるまで日本領となっているため、国籍上は日本人であった)による略奪や暴徒化に関する流言があった。当時は報道手段が新聞や出版程度しかないため(ラジオ放送開始は大正末期の1925年である)一般市民が最新情報を入手しにくく、流言が広がりやすい環境下にあり、またそれ以前から朝鮮半島出身者が治安上の脅威と考えられていたことによる。詳細は「関東大震災#影響」を参照。

その時に流れた主なうわさを以下に示す。

  1. “朝鮮人が井戸に毒をいれた”
  2. “朝鮮人が放火・暴動を起こしている”
  3. “朝鮮人がクーデターを起こすため海軍東京無線電信所を襲う恐れあり”

具体的な情報ではなく、平時ではただの噂で終わるが、震災による極度の混乱と“日頃から「異国人」である朝鮮系に抱いていた恐怖心や憎悪・蔑視”などが重なり虐殺事件へと発展した。震災後の混乱に対する自力救済として各地で結成された自警団により、朝鮮人と間違われた日本人や中国人も含む多数が殺害された。多くの朝鮮人が各地の警察署に保護され難を逃れた(埼玉県本庄町本庄警察署では、警察署を襲撃した民衆が朝鮮人を殺害した事件が発生している)が、実は流言の発生源のひとつは警察を統括する内務省であったとする説もある[5]

東日本大震災における流言

2011年東日本大震災でも多くの流言が発生している。「チェーンメール#チェーンメールが招いた悪影響」を参照。ウェブ雑誌「BLOGOZ」上において、この地震に起因する流言を分析した松永英明[6]によれば、震災発生後1か月で80個のデマが広がり、大別して11種類に分けられるという。内訳は「情報の混乱によるデマ」「科学的・医学的知識の欠如によるデマ(疑似科学を含む)」「偏向報道によるデマ」「政治家を貶めるデマ」「外国の支援を政府が妨げているとするデマ」「政府批判デマ」「その他企業・個人を批判するデマ」「人種差別デマ」「日本ユニセフアグネス・チャンを批判するデマ」「被災地の誤報」「好意的すぎる予断」「洒落がデマと化したデマ」等に分けることができるという。特に、この地震のデマはツイッター上で流れた不正確な情報を大量にツイートする人がいたことから広まるケースが多かった。さらに国内マスコミに不信感を持つ人々が海外メディアの誤報をインターネットに転載したため、デマに拍車がかかった。外国メディアの中には「福島第一原発では核兵器開発が行われていた」「東日本は今後300年、焼土と化す」等、珍妙な報道をするものもあった[7]

その他の事例

流言の発生条件

流言の発生は、「情報の重要さ」と「情報の不確かさ」(嘘と本当の間に極大値を持つ)の積で与えられるとされる。

  • どうでもいいこと(重要性低)が嘘に決まっているあるいは本当に決まっている(不確かさ極小)なら、流言発生はない。
  • 大切なこと(重要性高)が嘘に決まっているあるいは本当に決まっている(不確かさ極小)なら、流言発生は噂話や伝言に留まる。
  • 大切なこと(重要性高)が嘘か本当か分からない(不確かさ極大)ときに、流言が発生する。

さらに、流言が発生するにはある条件を満たしているとより広がりやすくなる傾向があるとされる。 噂が広がる要因の一つに“話をする人”が挙げられる。その人に信用がある、または情報をよく知っているなどの条件が重なれば、聞き手はそれが本当であると信じてしまう(検証せずに鵜呑みにしてしまう)、次々と伝播してゆく。さらに、「これはためになる」と思い込むことから、良かれと思って(=善意で)自分の周囲の人や知人に広く伝播させてしまう傾向が強い。パソコン通信時代、「LHAにウイルスが混入」「○○地方から当たり屋グループが」「輸血で必要なためB型Rhマイナスの人を探しています」などといった書き込みが伝播したこともある。いずれも善意の情報を装ったものであり、のちのチェーンメールのプロトタイプとも言える。

流言の伝えて、受け手側の心理的な要因として、「不安」と「批判能力」も重要である。一般に、人々の不安が高い状態(例:災害発生直後など)では、流言に対する被暗示性が高くなり、流言は受け入れられやすくなり、また伝達されやすくなる。また、受け手側でも、不安が強い人ほど流言を信じやすくなるという傾向がみられる。一方、流言を受け取っても、批判能力の高い人の場合には、他の情報源にあたってチェックするなどの情報確認行動をとることにより、真偽を見分け、流言の伝播を食い止めることができる。1938年10月にアメリカでSF「宇宙戦争」のラジオドラマ放送をきっかけとして起こったパニック騒ぎでは、批判能力の低い人ほど、番組で連呼された「火星人襲来!」を事実と勘違いしてパニックに陥りやすかったという調査結果が報告されている(実は聴いている放送を他局に変えればそのような事実はないことがすぐに確認できたのである)。

また、社会的情勢が不安定である場合、噂が広がり易いとされる。例えば、石油ショック・不況といった何らかの社会情勢の不安定化、大地震などといった天変地異伝染病の流行などがその契機になると見られており、人間の、危機や不安に対する自己防衛本能、最悪の場合を想定してそれに備えようとする本性との関連が指摘される。


[ヘルプ]
  1. ^ 「創価学会の会員ではありません」愛川欽也がサイトで「宣言」 http://www.j-cast.com/2009/03/02036905.html
  2. ^ 「新興宗教『有名人信者113人』禁断リスト」(「フラッシュ」07年6月26日号)
  3. ^ 「創価学会『ニッポン洗脳』の不気味 学会系芸能人最新版39人リスト」(「週刊文春」05年3月17日号)他2誌
  4. ^ 白川『字通』の「流言」の項目参照。周の武王が死亡した後、後継者の成王を補佐していた大臣の周公旦に対して、謀反を起こした管叔らが「周公旦が王位を奪おうとしている」という流言を行ったというもの。
  5. ^ 山岸秀『関東大震災と朝鮮人虐殺―80年後の徹底検証』早稲田出版、2002年
  6. ^ http://news.livedoor.com/article/detail/5477882/
  7. ^ http://spa.fusosha.co.jp/weekly/weekly00014616.php
  8. ^ 村上義人「手拭いの旗暁の風に翻る」より、当時の社会状況描写
  9. ^ 汐文社版はだしのゲン1巻より
  10. ^ 茨城新聞 昭和37年4月1日号掲載
  11. ^ 廣井 脩 『うわさと誤報の社会心理』 日本放送出版協会〈NHKブックス 562〉、1988年11月20日、2頁。ISBN 4-14-001562-4
  12. ^ 『週刊誌の読み方』株式会社話の特集、1985年、pp.257-259
  13. ^ 沢木耕太郎『馬車は走る』


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