おんせいたじゅう‐ほうそう〔オンセイタヂユウハウソウ〕【音声多重放送】
音声多重放送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 13:31 UTC 版)
音声多重放送(おんせいたじゅうほうそう)とは、一つの放送チャンネルに複数の音声を多重化して行う放送である。
注釈
- ^ 当時は東京12チャンネル(現・テレビ東京・テレ東)は独立局だった。
- ^ モノラル音声にしか対応していないの受信機(テレビやFMラジオ)では、2つの音声チャンネルのうち主音声用チャンネルの音声信号(左チャンネル音声と右チャンネル音声の混合信号)のみが可聴音声に復元される。
- ^ ステレオ放送と二重音声放送(2か国語放送や解説放送などの副音声付放送)は、同じ信号方式を利用して送信され、受信機側の識別情報を自動的に判別する機能により、それぞれの放送に応じた人間が聞くことのできる音声に復元している。したがって、ほとんどの受信機ではステレオ放送と二重音声放送への対応は同じことを表す場合が多い。
- ^ アナログ放送における音声多重放送対応型受信機でのステレオ音声の分離原理は、左(L)チャンネル用は主音声信号と副音声信号の和((L+R)+(L-R)=2L)、右(R)チャンネル用は主音声信号と副音声信号の差((L+R)-(L-R)=2R)として生成出力される。
- ^ ステレオ音声の左右いずれか片方の音声のみを出力する機能はあくまで受信機・装置の仕様に拠るもので、ステレオ音声は固定的に2chステレオとしてしか聴けないものもある。
- ^ ステレオ放送の場合は、主音声信号と副音声信号の2つから左チャンネル用音声と右チャンネル信号を復元分離する。二重音声信号の場合は、そのまま主音声信号は主音声、副音声信号は副音声として復元する。
- ^ アナログ放送では音声多重放送は、2つの音声チャンネルしか使用できない規格であったことから、2チャンネルステレオ放送、二重音声放送のどちらかであることを意味していたが、デジタル放送では音声チャンネルの多重化(最大8チャンネル)が許容されているため、アナログ放送での2チャンネルステレオやモノラル音声の組み合わせによる二重音声の他に、2チャンネルステレオで3か国語以上の同時放送や、5.1チャンネルサラウンドステレオ放送が可能になった。なお、マルチ音声信号(マルチ音声放送)による音声信号選択が2つのみであってもそれは、従来技術の二重音声とは区別される。例えば2チャンネルステレオでの2か国語放送(デュアルステレオ放送などと呼ばれることもある)のみの場合でも、通常は二重音声放送とは呼ばず、あくまでマルチ音声放送として区別され、操作上も殆どの受信機ではマルチ信号切り替え(操作上は「音声信号」「音声」「信号」「マルチ音声」「マルチ信号」など機種によって異なる)になっている。放送規格の仕様上では、マルチ音声放送の一信号として、従来のモノラル音声の組み合わせによる二重音声を組み込むことも可能(例えば二重音声と5.1チャンネルサラウンドとの組み合わせなど)であるが、実際に両方式を組み合わせて放送が行われることは殆どない。
- ^ デジタル放送が登場した当初は、多重音声の方式の違い(二重音声/マルチ音声)への考慮として、多くのデジタルテレビ放送受信機のリモコン装置での「二重音声および2チャンネルステレオのLR切り替え」と「マルチ音声の信号切り替え」の切替は操作ボタンを分けていたが、地上波アナログテレビ放送の終了する過渡期以降は、両方式の切替ボタンを統合した操作形態の方が主流になった。
- ^ テレビ(モニタ装置)にAV機器(DVD/BD/HDDなどのデジタルビデオレコーダーおよびプレーヤー、単体チューナーなど)を接続し、それらの機器からの音声出力をデジタルにした場合、出力設定をPCMかBitstreamかを選択するタイプのものが多いが、Bitstreamを選んだ場合は、レコーダー/プレーヤー側の操作では音声切替が出来なくなる(但し、画面に表示される動作状態では切り替わっている旨の表示がなされる)動作をする。使用上の支障がある場合は、必要に応じてデジタル音声の出力設定をPCMに変更するか、接続形態をアナログ接続(コンポジット端子接続/S端子+アナログ音声接続/コンポーネント端子接続/D端子接続など)に変更する。
- ^ しかし、地上デジタル放送では常時ステレオ信号なのでモノステレオ音源で放送されていた。
- ^ 日本での一般個人向けのCSデジタル放送には、東経110度にある通信衛星によるCS放送と東経128度/東経124度にある通信衛星によるCS放送の2種類に大別(詳細は衛星放送の記事を参照)され、前者はISDB、後者はDVB方式で行われている。
- ^ 初期設定メニューなどに二重音声の設定がある機器の場合、電源再投入時の動作はその設定に従う仕様のものもある。
- ^ 尚、スカパー!での放送を含むデジタルテレビ放送では、放送開始15分前のテストパターンと放送終了前のイメージソング・大学学歌のみステレオ放送を実施している。
- ^ 同放送の初の番組は、同日23時50分からの映画『冬のライオン』の2か国語放送だった。
- ^ 開局前に、同年6月24日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
- ^ 中京テレビのみ、事前にサービス放送を、同年6月15日から開始している。
- ^ 事前にサービス放送を両局共に、同年6月21日から開始している。
- ^ 開局前に、同年9月24日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
- ^ 開局前に、同年3月25日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
- ^ 開局前に、同年9月15日からサービス放送を開始しているが、音声多重のサービス放送は行わず、開局日に同放送を開始している。
- ^ 開局前に、同年3月27日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
- ^ a b c 奄美地域は、当初含まれず、未実施だった。
- ^ 開局前に、同年9月23日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
- ^ 開局前に、同年9月25日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
- ^ ただし胆振支庁管内の苫小牧市・勇払郡も含む。
- ^ 当初はステレオのみで、二か国語を始めとする二重音声も対応となったのは、1988年8月のことである。
朝日新聞縮刷版 1988年8月 264ページ(1988年8月7日新聞紙面 10ページ(8月7日テレビ欄)) - ^ 開局前に、同年9月20日からの試験放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
出典
- ^ a b c 沼口安隆、「テレビ音声多重放送の研究開発の歴史」『映像情報メディア学会誌』 2011年 65巻 7号 p.903 - 906, doi:10.3169/itej.65.903, 映像情報メディア学会
- ^ NHKアーカイブス NHKクロニクル「劇映画 『ぼくはついてる』」 1969年12月21日放送
- ^ NHKクロニクル「NHKコンサートホール」1970年8月9日
- ^ NHKクロニクル「NHKコンサートホール」1970年8月23日
- ^ NHKクロニクル「NHKコンサートホール」1971年9月12日
- ^ NHKクロニクル「NHKイタリア歌劇公演 歌劇『リゴレット』(ヴェルディ作曲) 1971年9月11日
- ^ NHKクロニクル「NHKイタリア歌劇公演 歌劇『椿姫』(ヴェルディ作曲) 1973年9月23日
- ^ 「ズーム・アップ テレビ音声多重中継回線開通へ」『月刊民放』1979年8月号、日本民間放送連盟、7頁。
- ^ a b c d 「放送日誌(54年12月)」『月刊民放』1980年3月号、日本民間放送連盟、50頁。
- ^ 日本テレビ 会社概要 日本テレビ略史(日本テレビ公式ページ)(2023年10月3日閲覧)
- ^ よみうりテレビ開局20周年記念事業企画委員会 編『よみうりテレビの20年 : 写真と証言』讀賣テレビ放送株式会社、1979年7月、82頁。NDLJP:12276016/86。
- ^ 株式会社毎日放送 会社紹介 沿革(毎日放送公式ページ)(2023年10月3日閲覧)
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、418頁。NDLJP:12276014/500。
- ^ テレビ朝日 会社情報 社史(テレビ朝日公式ページ)(2023年10月3日閲覧)
- ^ 北日本放送 沿革(北日本放送公式ページ)(2023年10月3日閲覧)
- ^ 『北日本新聞』1978年12月23日付朝刊11面『テレビに"多重放送時代" 多重放送 週に17時間放送「チャンネル1」など』より。
- ^ 『テレビ東京20年史』テレビ東京、1984年4月12日、100頁。NDLJP:12275747/55。
- ^ テレビ東京 会社案内 沿革(テレビ東京公式ページ)(2023年10月3日閲覧)
- ^ 朝日新聞大阪版 1995年1月3日付朝刊 P.24 テレビ欄(朝日新聞クロスサーチにて閲覧)
- ^ ABC創立65周年記念 ABC65年のあゆみ(朝日放送テレビ公式ページ)(2023年10月3日閲覧)
- ^ 朝日新聞北海道版 1979年7月1日付朝刊 P.24 テレビ欄及び同ページでのSTV広告「音声多重放送 本日スタート」(朝日新聞クロスサーチにて閲覧)
- ^ 「放送日誌(54年8月)」『月刊民放』1979年11月号、日本民間放送連盟、54頁。
- ^ 中部日本放送『中部日本放送50年のあゆみ』2000年、216-217頁。
- ^ 東海テレビ放送/編集『東海テレビ放送開局50年史 つたえるつなぐ』2009年、100,102頁。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'80』日本放送出版協会、1980年、31頁。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'80』日本放送出版協会、1980年、30,195頁。
- ^ RSK山陽放送 会社概要(2023年6月26日閲覧)
- ^ 「放送日誌(55年2月)」『月刊民放』1980年5月号、日本民間放送連盟、50頁。
- ^ RSK HD 訂正有価証券報告書-第72期(2019/04/01-2020/03/31)(IR BANKのサイト)(2023年6月26日閲覧)
- ^ 会社概要 沿革(tbc東北放送)(2023年6月28日閲覧)
- ^ a b 「放送日誌(55年3月)」『月刊民放』1980年6月号、日本民間放送連盟、50頁。
- ^ RKB毎日放送株式会社50年史編纂委員会 編纂『九州・福岡RKB放送史事典 : RKB毎日放送創立50年記念』RKB毎日放送、2001年、127頁。
- ^ 「放送日誌(55年4月)」『月刊民放』1980年7月号、日本民間放送連盟、50頁。
- ^ 西日本放送の歴史 沿革(西日本放送)(2023年6月28日閲覧)
- ^ 開局二十周年記念事業委員会社史編纂専門部会 編『長野放送二十年の歩み』長野放送、1989年、119頁。
- ^ 信濃毎日新聞 1980年6月30日 夕刊 P.8 テレビ欄 「SBC・NBSの音声多重放送 あすから本格開始 記念番組を編成しPR」(信濃毎日新聞データベースにて閲覧)
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'81』日本放送出版協会、1981年、11,214頁。
- ^ 開始日前日に、本免許を取得して開始。「石川テレビの50年 停波事故を乗り越えて」(2019年4月25日、石川テレビ放送発行)84ページ。
- ^ 新潟放送『新潟放送40年のあゆみ』新潟放送、1992年10月15日、434頁。
- ^ 新潟日報 1980年11月29日朝刊 P.24 テレビ欄 及び P.5 BSN新潟放送広告「BSNテレビで、きょう開始 音声多重放送」(新潟日報マイクロフィルム版にて閲覧)
- ^ (株)テレビ新潟放送網『写真でつづる テレビ新潟10年のあゆみ』(株)テレビ新潟放送網、1991年11月、29頁。
- ^ 新潟日報 1981年7月1日朝刊 P.24 テレビ欄(新潟日報マイクロフィルム版にて閲覧)
- ^ 九州朝日放送 編『九州朝日放送30年史』1983年、323頁。
- ^ 静岡放送50年史編纂委員会/編『静岡放送50年史』静岡放送、2002年、84頁。
- ^ a b c 『NHK年鑑'83』, pp. 112
- ^ a b c d 『NHK年鑑'84』, p. 86
- ^ 信濃毎日新聞 1983年6月10日 朝刊 P.2「NHK長野も音声多重放送」(信濃毎日新聞データベースにて閲覧)
- ^ a b 『NHK年鑑'85』, p. 101
- ^ 「きょうから福島で音声多重放送開始」『福島民報縮刷版1984年8月号』(福島民報社)、31頁(1984年(昭和59年)8月2日、朝刊3面)に記載。
- ^ uhb20年の歩み - 北海道文化放送(1993年)
- ^ NHK山口放送局の沿革(NHK山口放送局のサイト)
- ^ 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'85』日本放送出版協会、1985年、101頁。
- ^ テレビ神奈川『テレビ神奈川35年史』株式会社テレビ神奈川、2007年12月20日、192頁。
- ^ サガテレビ「会社案内」会社沿革(2023年6月27日閲覧)
- ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'86』日本放送出版協会、1986年、67頁。
- ^ 富山テレビ放送「会社概要」沿革(2023年6月27日閲覧)
- ^ 開局50周年記念社史編纂事務局 編『名古屋テレビ放送50年史』名古屋テレビ放送、2012年、124頁。
- ^ 信濃毎日新聞 1986年7月1日 朝刊 テレビ欄 P.24(信濃毎日新聞データベースにて閲覧)
- ^ a b 『NHK年鑑'87』, p. 67
- ^ NHK徳島放送局サイト「局のあゆみ」 (PDF)
- ^ NHK高知放送局サイト「NHK高知放送局のあゆみ」
- ^ 『四国放送の50年』(四国放送発行、2002年)256ページ
- ^ 「夢にはじまる 南海放送五十年史」337頁(南海放送株式会社編)
- ^ 日本放送協会放送文化研究所放送情報調査部『NHK年鑑'91』日本放送出版協会、1991年、284頁。
- ^ 朝日新聞縮刷版 1992年4月 32ページ(朝日新聞1992年4月1日朝刊 32ページ(テレビ欄))
- ^ 朝日新聞縮刷版 1995年4月 72ページ(朝日新聞1995年4月2日朝刊 20ページ(翌4月3日のテレビ欄))
- ^ 朝日新聞名古屋版 1995年10月1日付朝刊 P.30 テレビ欄(朝日新聞クロスサーチにて閲覧)
- 1 音声多重放送とは
- 2 音声多重放送の概要
- 3 日本のテレビ放送
- 4 日本のラジオ放送
音声多重放送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 00:03 UTC 版)
アナログテレビによる音声多重放送は札幌放送局(胆振管内の苫小牧市及び勇払郡も含む)のみで実施していた。北海道は放送区域が広大で多くの中継施設を要し、かつ冬季の除雪費用が余分にかかったこと、道内各放送局・中継局を結ぶ中継回線(全道ライン)にNTTのマイクロ波を使用していた頃の使用料が高額だったことに起因している。 地上デジタル放送の開始により、全道ラインはHOTnet(北海道総合通信網)に移管された。これにより、全国で唯一アナログでの音声多重放送が行われなかった函館・旭川・帯広・釧路・北見・室蘭の各放送局管内でも、HBCを含む道内民放テレビ各局の音声多重放送を楽しめるようになった。2か国語放送・ステレオ2音声放送・5.1chサラウンド放送を行わない限り、モノラル収録であっても常時ステレオ放送の状態となっている。 地上デジタル放送開始後はプロ野球中継を中心に音声多重放送で製作・放送されるようになった。
※この「音声多重放送」の解説は、「北海道放送」の解説の一部です。
「音声多重放送」を含む「北海道放送」の記事については、「北海道放送」の概要を参照ください。
音声多重放送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 14:37 UTC 版)
詳細は「音声多重放送」を参照 音声は当初モノラルのみであったが、1978年に日本の東京広域圏で、FM-FM変調によるEIAJ方式音声多重放送が始まった。 1984年、アメリカでBTSC (Broadcast Television Systems Committee) が、MTS (Multi-channel Television Sound) と言われるAM-FM変調方式の音声多重放送の規格を制定した。日本とアメリカの方式の場合、音声信号内にサブキャリアを挿入する。 またPAL圏の西ドイツでは1981年から、A2ステレオ方式で音声多重放送を行っている。これは前2者の様な方式と異なり、2つ目の音声搬送波を設けて、そこで第2音声(二ヶ国語放送の外国語音声または、ステレオ放送時の右チャンネル音声)を伝送する規格である。
※この「音声多重放送」の解説は、「NTSC」の解説の一部です。
「音声多重放送」を含む「NTSC」の記事については、「NTSC」の概要を参照ください。
音声多重放送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 12:00 UTC 版)
アナログ放送での音声多重放送は札幌から道内各地への中継回線使用料が高い等の理由で、他の道内民放テレビ各局も含め札幌地区のみ(胆振管内の一部も含む)で行われていた。 地上デジタル放送による音声多重放送は放送対象地域内全域で行われており、2か国語放送・ステレオ2音声放送・5.1chサラウンド放送を行わない限り、モノラル収録であっても常時ステレオ放送の状態となっている。
※この「音声多重放送」の解説は、「北海道文化放送」の解説の一部です。
「音声多重放送」を含む「北海道文化放送」の記事については、「北海道文化放送」の概要を参照ください。
「音声多重放送」の例文・使い方・用例・文例
音声多重放送と同じ種類の言葉
- 音声多重放送のページへのリンク