非結合性軌道とは? わかりやすく解説

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非結合性軌道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/24 01:24 UTC 版)

非結合性軌道(ひけつごうせいきどう、: non-bonding orbital)は、電子による占有が、関与する原子間の結合次数を増加も減少もさせない分子軌道である。非結合性軌道は分子軌道ダイアグラムおよび電子遷移表記法においてしばしば文字nで表される。分子軌道法における非結合性軌道はルイス構造における孤立電子対に相当する。非結合性軌道のエネルギー準位は典型的には、より低いエネルギーの原子価殻結合性軌道とそれに対応するより高いエネルギーの反結合性軌道との間にある。そのため、電子によって占有された非結合性軌道は通常はHOMO(最高被占分子軌道)となる。


  1. ^ 水素の1s軌道とフッ素の2s軌道はエネルギー差が大きくほとんど混合しない。
  2. ^ Anslyn, Eric V.; Dougherty, Dennis A. (2006). Modern Physical Organic Chemistry. University Science Books. pp. 841–842. ISBN 978-1-891389-31-3. 
  3. ^ 原型的なカルボニル化合物であるホルムアルデヒドを例にとると、ホルムアルデヒドのHOMOは酸素原子と炭素原子の2py軌道、2つの水素原子の1s軌道(を逆位相で混ぜたもの)から作られる。この分子軌道では酸素-炭素原子間に節があり、炭素の2py軌道の寄与が相対的に小さいため、酸素の2py軌道がそれ程変化していない非結合性軌道という近似的な見方もできる。ただし実際には軌道エネルギーは結合長に依存し、フッ化水素について述べたような意味での非結合性軌道ではない。
  4. ^ Alfred D. Bacher. “Theory of Ultraviolet-Visible (UV-Vis) Spectroscopy”. UCLA Chemistry Department. 2012年2月1日閲覧。


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