非常口とは?

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ひじょう-ぐち ―じやう― 2 【非常口】

建物乗り物で、火事事故など危急のときに逃げるための出入り口
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非常口 Emergency exit

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非常口

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/03/31 16:23 UTC 版)

非常口のピクトグラム

非常口(ひじょうぐち)とは、なんらかの非常事態が発生した場合に備えて設置された出口。

目次

概説

誘導灯

ビル地下街劇場ホテルなど不特定多数の人が集まる場所では、火災地震事故その他、なんらかの非常事態が発生した場合に、迅速かつ安全に退避する必要がある。そのために非常用出口と、最寄の非常口へ誘導する案内板、および緑色と白色で描かれた非常口の誘導灯が設置されている。

設置されているところとして、上記施設などのほか、構内・トンネル鉄道車両バス航空機などの乗り物にも設置されている。

非常口には、緊急時にのみ使用をすることを目的に作られた出口の他、恒常的に使用する出入口(正面玄関など)も指定される。緊急時のみに使用する非常口は、誤用を防ぐためや緊急通報と兼ねるため、非常ベルを押さなければ非常口が使えなかったり、開閉ハッチ自体が開けることで非常通報の代わりとなる機能を備えていることがある。

誘導灯のデザイン

アメリカの誘導灯

日本では、非常口を示すピクトグラム消防法施行規則に基づいた消防庁告示「誘導灯及び誘導標識の基準」で定められている[1]。 これとのダブルスタンダードを回避するため、案内用図記号を定めたJIS Z 8210[2] や,安全標識を定めたJIS Z 9104[3] では規定されておらず、参考として記載されている。

ピクトグラムの周囲が緑地の標識と、白地の標識の2種類があり、緑地のものが「非常口そのもの」に設置される。白地のものは廊下・通路に設けられるもので、「非常口がある方向」を示しているにすぎないため、すぐ近くに出口があるとは限らない。

現在のピクトグラムが制定される1982年以前は、単に「非常口」もしくは「非常出口」、または「非常階段」の文字が大きくレイアウトされ、書体や英語表記の有無なども誘導灯の製造会社間で統一はされていなかった。

誰にでもわかる標識を目指しデザインが1979年に公募され、およそ3300人の応募の中から図案評価実験等を経て小谷松敏文の作品が選ばれた。改良を経て1982年に国内で制定、1987年に国際規格ISO 6309:1987(Fire protection--Safty signs)に組み込まれ、国際標準になった。

1994年頃からはコンパクトスクエア型が登場した。

ISO 7010:2003 (Graphical symbols -- Safety colours and safety signs -- Safety signs used in workplaces and public areas)にも規定されている。

世界的に実際に用いられているものは、デザインに若干の違いが見られ、ヨーロッパでは出口と人が別れて描かれている。 韓国では日本と同様のデザインが用いられているものの、廊下・通路の表示にも緑地の標識が使用されている場合があり、日本と全く同じ運用はされていない。 一方、アメリカ合衆国ではピクトグラムを用いず、白地に赤か緑で大きく「EXIT」という文字があるのみである。

交通機関における非常口

旅客機

ボーイング767の非常口の例。客室部の先頭部分にはタイプA非常口、客室中央部にはタイプIII非常口が設置されている

旅客機では、アメリカ連邦航空局(FAA)および欧州共同航空当局(JAA)によって、不時着時の緊急脱出口を設置することが義務付けられている。非常時の脱出の際には、片側の非常口から90秒以内に乗客全員を脱出させなければならない。非常口の大きさは以下のように決められている[4]

  • タイプA(最小寸法幅106.7cm×高さ182.9cm)…ボーイング747から採用された。
  • タイプI(最小寸法幅61cm×高さ122cm)
  • タイプII(最小寸法幅50.8cm×高さ111.8cm)
  • タイプIII(最小寸法幅50.8cm×高さ91.4cm、機内の床から下辺まで50.8cm)…主翼の上
  • タイプVI(最小寸法幅48.3cm×高さ66cm、機内の床から下辺まで91.4cm)…主翼の上

タイプA、タイプIおよびタイプIIの非常口の内側には脱出用シュート(すべり台)が取り付けられており、非常時にドアを開けた場合、自動的に展開するようになっている。

航空機において、非常口の数と大きさは、航空機の最大定員にも影響する。例えば、ボーイング737において、-800型と-900型では全長が2.6mも異なるが、最大旅客定員は同じ189名となっている。これは、非常口の数と仕様が、-800型と-900型で変わらないことによるものである。つまり、飛行機の最大定員は、「90秒以内に脱出できる最大人数」ということになる。

非常口の数は運行に必要な客室乗務員(客室保安要員)の人数などにも関わってくる。例えば、ボーイング777-300で満席の際には、客室乗務員は10名乗務させることになる。これは、片側5箇所の非常口があり、通路が2本あるため、乗客の誘導に必要な人数として5×2=10名必要と算出されるからである。

船舶

船舶ではSOLAS条約において、脱出口についても定められている。

この条約によると、救命胴衣を着用した乗員・乗客が迅速に脱出できるように、十分な数の脱出口を備えなければならないことになっている。船舶内から脱出口までの順路には堅固な構造の足場やはしごを恒久的に固定していなければならない。また、各乗員・乗客に対しては、少なくとも2組の脱出経路を確保しなくてはならないことともされている。

バス

日本の基準に合わせたため車道側に非常口扉が設置されているネオプラン・セントロライナー 日本の基準に合わせたため車道側に非常口扉が設置されているネオプラン・セントロライナー
日本の基準に合わせたため車道側に非常口扉が設置されているネオプラン・セントロライナー
欧州の基準をそのまま適用したため非常口扉が車道側にないメルセデス・ベンツ・シターロ
非常口のドアを開けて座席を倒した状態(日野ブルーリボンシティハイブリッド

バス車両は構造上出入口が片側にしかないことから、出入口とは反対側の側面または後部において脱出口を設置する必要がある。

欧州では、窓の寸法を大きめに設定し、非常時にはガラスをハンマーで破って脱出口とする例が一般的である。ガラスの中心を非常用ハンマーにより叩くと、ガラス全面が細かく破砕され脱出口となる。この場合、座席を踏み台として窓から車外へ脱出することになる。[5]。この場合、ガラス破片が尖らないようにする必要があるため、強化ガラスを使用することになる。

日本のバス車両の保安基準においては、幼児専用車と30人以上の定員を有する自動車においては、座席ごとに乗降口がある場合を除いて、必ず非常扉を設置しなくてはならない[6]。輸入車においても例外ではなかったが、近年の輸入車においては、実証試験を行なったうえで、先に記述した窓ガラスを脱出口として使用する仕様も認められるようになっている。

また、一部の車種では、屋根上に換気口を兼ねた脱出口がオプションで設置できるようになっている。

鉄道

ICE車内に備えられている非常用ハンマーの例。赤い丸の部分をハンマーで叩くとガラスが破砕する

欧州では、バスと同様、窓の寸法を大きめに設定し、非常時にはガラスをハンマーで破って脱出口とする例が一般的である。

日本の鉄道車両においては、普通鉄道構造規則により、乗降用の扉が少なく、非常の際に旅客の脱出に支障がある可能性がある場合は、非常口を設置することが義務付けられている。非常口のサイズは幅40cm以上、高さは120cm以上と定められており、外開き戸か引き戸のいずれかとされている。地下鉄の場合は、側方への退避が困難な場合が多いため、編成最前部と最後部の妻面に非常口が用意される。新幹線においては0系で採用されていたが、後期の製造車では廃止されており、他の形式でも採用されていない。

脚注

  1. ^ 誘導灯及び誘導標識の基準、第四の三の(二)、および別図第1。平成十一年三月十七日消防庁告示第二号、改正 平成一三年八月消防庁告示第三九号。
  2. ^ JIS Z 8210:2002、附属書表3 標準案内用図記号(安全)、p.31、日本工業標準調査会
  3. ^ JIS Z 9104:2005、附属書表2 ISO 7010 図記号集、p.12、日本工業標準調査会
  4. ^ 航空実用事典内「非常口ドア」の記述より。
  5. ^ 非常口に係る日本の基準と当該連節バスの非常口の仕様比較表の記載より。
  6. ^ 道路運送車両の保安基準第26条による。

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