離騒とは? わかりやすく解説

りそう〔リサウ〕【離騒】

読み方:りそう

《「離」は遭う、「騒」は憂え憂えに遭(あ)う意》「楚辞」の代表的な長編詩。中国戦国時代(そ)の屈原の詩で、讒言(ざんげん)によって王に追放され失意のあまり投身決するまでの心境夢幻的うたったもの。


離騒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/12 15:03 UTC 版)

離騒』(りそう)は、屈原の作と伝えられる詩。楚辞の代表作であり、三七五句から成る中国で最も長編の抒情的叙事詩の1つである。世に容れられない人物の悲憤慷慨と神話的幻想世界への旅行が多数の比喩や擬態語を散りばめて歌われている。


注釈

  1. ^ 『史記』屈原賈生列伝の索隠に「応劭云:離、遭也。騒、憂也。」とある。
  2. ^ 「被讒放逐、作離騒賦。」注「師古曰:離、遭也。憂動曰騒。遭憂而作此辞。」
  3. ^ 洪興祖『楚辞補註』離騒経章句第一「余按、古人引離騒、未言経者。蓋後世之士祖述其辞、尊之為経耳、非屈原意也。」

出典

  1. ^ 矢田 2018, p. 2.
  2. ^ 小南 2003, pp. 7–8.
  3. ^ 岡村 1966, pp. 98–99.
  4. ^ 小南 2003, p. 121.
  5. ^ 小南 2003, p. 130.
  6. ^ 矢田 2018, p. 24-35.
  7. ^ 矢田 2018, p. 126.
  8. ^ 藤野 1967, p. 24.
  9. ^ 藤野 1951, p. 84.


「離騒」の続きの解説一覧

離騒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 05:41 UTC 版)

吉川霊華」の記事における「離騒」の解説

左幅 右幅 東京国立近代美術館双幅、各93.6x136.4cm、大正15年1925年第7回帝展題名の「離騒」とは中国戦国時代政治家詩人屈原代表作楚辞』にある長編詩で、本作長い間そこから着想得ているとされてきた。しかし、絵の解釈、特に右幅の龍に乗る女性については説が分かれる美術史家藤懸静也は、これを伏羲の娘で洛水溺れ後に河神となった虙妃とするが、詩の後半登場し屈原世界回り君主探すよう告げ巫女巫咸)とする説もある。 美術史家島尾新は、『楚辞』の「離騒」「九歌」は、北宋時代白描復活させた李公麟、元の張渥、明の陳洪綬多く画家書き継がれてきた「白描本流と言い得る画題であり、これを強く意識したはその中から湘君選んだ推測している。田中伝はこの島尾意見進めて作中のモチーフ対照させながら、「九歌」の第三編「湘君第四編「湘夫人」の詩句忠実に絵画化し加えて中国絵画伝統的に描き継がれてきた「九歌図」を図像的な典拠だと指摘する。そして、この「離騒」で描き出されているのは、今当に降臨しようとする夫人(右幅)と、その姿を見ることが出来ない屈原(左幅)だと考えられる。霊が「離騒」と名づけ理由は、当時「離騒」は「屈原の詩全般」を指すという理解一定度あったため、霊も「九歌」も屈原の詩であるから作品に「離騒」と名付けた。しかし、一方で「離騒」=「屈原の詩全般」という語意は、却って詩題混乱を招くとして『楚辞関連書籍から削除される傾向にあり、懸らも『楚辞』の離騒のことだと誤解した考えられる後年、霊夫人回想によると、「離騒」の製作期間一週間ほどだった。普段訪問者があると長く歓談をするのが常の霊も、この時ばかりは夫人玄関断り五日間ほとんど寝ず記憶にある小下絵だけで一気描き上げた。線は肘や手だけでなく体全体で引き、長い線を引いた時は汗びっしょりで、一筆ごとに夫人が汗を拭い完成した時には端正な顔はすっかりやつれ、病人のようだっという。 「離騒」は第七帝展出品され、同展の日本画の中で最も好評だったという。霊以前展覧会画」と避難した傾向は、初期文展の時ほどではないにしろ継続している中、このような白描淡彩大作衆目驚かせ専門家を唸らせた。先述懸は、この絵を「超帝展作物」「明治大正年間の諸展覧会表れた傑作屈指のもの」と絶賛し一線一線渾身の力が注ぎ込まれており、その線の歌うかのような音律躍動によって、「離騒」の詩がもつ興趣直接絵として表現されている、と評した帝国美術院賞候補にも挙げられたが、霊審査員だったため見送られており、懸はこれを残念がっている。

※この「離騒」の解説は、「吉川霊華」の解説の一部です。
「離騒」を含む「吉川霊華」の記事については、「吉川霊華」の概要を参照ください。

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