隠し砦の三悪人
原題: | |
製作国: | 日本 |
製作年: | 1958 |
配給: | 東宝 |
スタッフ | |
監督: | 黒澤明 クロサワアキラ |
製作: | 藤本真澄 フジモトサネズミ |
黒澤明 クロサワアキラ | |
脚本: | 菊島隆三 キクシマリュウゾウ |
小国英雄 オグニヒデオ | |
橋本忍 ハシモトシノブ | |
黒澤明 クロサワアキラ | |
撮影: | 山崎市雄 |
音楽: | 佐藤勝 サトウマサル |
美術: | 村木与四郎 ムラキヨシロウ |
録音: | 矢野口文雄 ヤノグチフミオ |
照明: | 猪原一郎 |
キャスト(役名) |
千秋実 チアキミノル (太平) |
藤原釜足 フジワラカマタリ (又七) |
三船敏郎 ミフネトシロウ (真壁六郎太) |
藤田進 フジタススム (田所兵衛) |
上原美佐(1) ウエハラミサ (雪姫) |
志村喬 シムラタカシ (老将長倉和泉) |
三好栄子 ミヨシエイコ (老女) |
緒方燐作 オガタリンサク (屈強な若者(秋月の郎党)) |
中丸忠雄 ナカマルタダオ (屈強な若者(秋月の郎党)) |
樋口年子 ヒグチトシコ (娘(秋月領の百姓)) |
上田吉二郎 ウエダキチジロウ (人買いのおやじ) |
沢村いき雄 サワムライキオ (バクチの男) |
大橋史典 (馬を買う侍) |
高堂国典 コウドウコクテン (立札の前の男) |
加藤武 カトウタケシ (血みどろの落武者) |
小杉義男 コスギヨシオ (秋月の雑兵一) |
大村千吉 オオムラセンキチ (秋月の雑兵二) |
中島春男 ナカジマハルオ (秋月の雑兵三) |
広瀬正一 ヒロセショウイチ (山名の雑兵) |
三井弘次 ミツイコウジ (山名の番卒) |
小川虎之助 オガワトラノスケ (橋の関所奉行) |
佐田豊 サダユタカ (橋の関所番卒) |
大友伸 (伝令の騎馬の武士) |
中山豊 ナカヤマユタカ (山名の足軽一) |
佐藤允 サトウマコト (山名の足軽二) |
熊谷二郎 クマガヤジロウ (山名の足軽三) |
桜井巨郎 (山名の落武者一) |
西条悦郎 (山名の落武者二) |
谷晃 タニアキラ (六郎太を捕える足軽一) |
堺左千夫 サカイサチオ (六郎太を捕える足軽二) |
笈川武夫 オイカワタケオ (峠の関所の番卒一) |
藤木悠 フジキユウ (峠の関所の番卒二) |
土屋嘉男 ツチヤヨシオ (早川方の騎馬の侍) |
解説 |
「どん底」の黒澤明が久方振りに発表する初のワイド作品で、戦国の世、敗軍の将が美女と黄金を擁して敵中を突破するという娯楽時代劇。脚本は、菊島隆三・小国英雄・橋本忍・黒澤明の合作。撮影は「東京の休日(1958)」の山崎市雄。出演者は「無法松の一生(1958)」の三船敏郎を筆頭に、千秋実・藤原釜足・藤田進・志村喬、それに新人の上原美佐・樋口年子など。 |
ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
戦国の乱世、秋月家は隣国の山名家と一戦を交えて敗れ去った。秋月家の侍大将・真壁六郎太は、世継の雪姫を擁して数名の残党と隠し砦にこもった。砦近くの泉には、薪の中に軍資金黄金二百貫が隠されている。同盟国の早川領へ脱出の機会を狙っていた六郎太は、砦近くの沢で出会った二人の男、百姓の太平と又七を利用しようと考えた。二人の強欲は、黄金を背負わせたらあらゆる苦難にも耐え得ると見抜いたからだ。早川領への国境は警護が固かったから、一度山名領へ入り、敵地を通って早川領へ抜けるより道はなかった。六郎太は雪姫を唖にしたて、太平・又七とともに砦を後にした。国境の関所。六郎太は背中の薪を一本引抜き山で拾ったと訴え、黄金を見て騒ぎ出したその際に関門を通過した。木賃宿で一夜を明かした六郎太は、姫の願いで、人買いに買われて行く秋月の百姓娘を救った。百姓娘はどこまでもついてきた。一行五人は、しばらくの間姿をくらますことに成功したが、騎馬武者に発見された。六郎太の前に、山名の侍大将・田所兵衛が立ちふさがった。激闘数合、兵衛は六郎太の槍を太腿に受けた。首をさしのべる兵衛を残し、六郎太は馬にとび乗った。山名方は百姓を火祭りにかりたて、一行がその行列にまぎれこんで逃げるのを待った。薪を火にくべる火祭りの行列は、黄金をしこんだ薪を運ぶ絶好の機会だった。太平と又七が列を離れようとしたとき、六郎太は押しとどめその炎の中に薪を投げこんだ。一行は、百姓たちとともに踊った。翌朝、金の延棒を拾いあげていた一行に危機が迫った。山名方の山狩りである。太平・又七は敵方へ走った。--山名と早川の国境にある関所の牢の中で、雪姫と六郎太は最後を待っていた。そこに現われたのが兵衛だ。六郎太に不覚をとったため、主君に弓杖で打たれたという。姫・六郎太・百姓娘の三人は、縛られたまま馬にのせられて曳き出された。続いて黄金をつんだ五頭の馬。と、兵衛が現われ黄金をつんだ馬の尻をなぐりつけた。馬は早川領へ。続いて兵衛は六郎太の縄を切った。三人は早川領へ走り去った。兵衛も続いた。慌てた山名の鉄砲が、後を追って鳴り響いた。 |
隠し砦の三悪人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 08:20 UTC 版)
『隠し砦の三悪人』(かくしとりでのさんあくにん)は、1958年公開の日本の時代劇映画である。監督は黒澤明、主演は三船敏郎。モノクロ、東宝スコープ、139分。戦国時代を舞台に[注釈 1]、敗国の侍大将が世継ぎの姫と軍用金を擁し、2人の百姓を従えて敵中突破する姿を描いた冒険活劇である[3]。黒澤作品初のシネマスコープ作品で、ワイド画面を活かした迫力ある映像とアクションが中心の娯楽大作となった。製作日数の大幅な遅滞と、それによる製作費の増大を引き起こしたが、興行的に大ヒットし、第9回ベルリン国際映画祭で監督賞と国際映画批評家連盟賞を受賞した[4]。
注釈
出典
- ^ a b c d e 尾崎秀樹 編『プロデューサー人生 藤本真澄 映画に賭ける』東宝出版事業室、1981年12月、241-242頁。
- ^ a b c 85回史 2012, pp. 148, 156.
- ^ 都築 2010, p. 290.
- ^ a b c d 浜野保樹「解説・世界のクロサワと挫折―『隠し砦の三悪人』」(大系2 2009, pp. 692–695)
- ^ a b 浜野保樹「解説・世界のクロサワと挫折―時代劇三部作」(大系2 2009, pp. 683–684)
- ^ a b 菊島隆三「すぐれた作品のかげにはストイックなまでの自虐」(『黒澤明ドキュメント』キネマ旬報社、1974年)。キネマ旬報 2010, pp. 108–116に所収
- ^ 佐藤忠男『黒澤明作品解題』岩波書店〈岩波現代文庫〉、2002年10月、202-203頁。ISBN 9784006020590。
- ^ 「黒澤明、自作を語る―隠し砦の三悪人」(キネマ旬報 2010, p. 53)
- ^ 「製作メモランダ」『全集黒澤明』第4巻、岩波書店、1988年2月、432-433頁、ISBN 9784000913249。
- ^ “黒澤明第3部-PAGE6”. 日本映画写真のキネマ写真館. 2016年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月30日閲覧。
- ^ 浜野保樹「解説・世界のクロサワと挫折―黒澤プロダクション」(大系2 2009, pp. 695–696)
- ^ 『芸能画報』1958年2月号、国際写真通信社、1958年、33頁。
- ^ ガルブレイス4世 2015, p. 325.
- ^ 研究会 1999, p. 204.
- ^ 上原美佐「雪姫になって」(DVDの解説書)、東宝、2003年、37頁。
- ^ a b 丹野達弥 編『村木与四郎の映画美術「聞き書き」黒澤映画のデザイン』フィルムアート社、1998年10月、115頁。ISBN 4845998858。
- ^ a b 都築 2010, pp. 293–294.
- ^ a b 松田美智子『サムライ 評伝三船敏郎』文藝春秋、2014年1月、59-60頁。ISBN 9784163900056。
- ^ 塩澤幸登『KUROSAWA 映画美術編』河出書房新社、2005年7月、323頁。ISBN 9784309906447。
- ^ “ブルーリボン賞ヒストリー 第9回(1959年2月5日)”. シネマ報知. 2012年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月1日閲覧。
- ^ “PRIZES & HONOURS 1959” (英語). Berlinale. 2020年9月1日閲覧。
- ^ “Festival Awards - 1959” (英語). fipresci.org. 2020年9月1日閲覧。
- ^ 85回史 2012, p. 588.
- ^ “「オールタイム・ベスト 映画遺産200」全ランキング公開”. キネマ旬報映画データベース. 2009年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月1日閲覧。
- ^ “THE HIDDEN FORTRESS” (英語). Rotten Tomatoes. 2020年9月1日閲覧。
- ^ a b Nicholas Barber. “The film Star Wars stole from” (英語). BBC. 2020年9月1日閲覧。
- ^ ガルブレイス4世 2015, pp. 333.
- ^ オーディ・E・ボック「素顔の黒澤明」(『話の特集』1979年6月号、佐藤美和子訳)。『大系黒澤明 第3巻』講談社、2010年2月、pp.260-271に所収
- ^ 研究会 1999, p. 198.
- ^ 『読売新聞 縮刷版』読売新聞社、1981年4月4日付けラジオ・テレビ欄。
- ^ a b c d e f g “黒澤映画「隠し砦の三悪人」舞台化決定、真壁六郎太役の上川隆也「壁の高さは計り知れません」”. ステージナタリー. ナターシャ (2023年4月6日). 2023年4月6日閲覧。
- ^ a b c d e f “黒澤映画「隠し砦の三悪人」舞台版に佐藤アツヒロ登場「これは怖い…怖すぎです」”. ステージナタリー. ナターシャ (2023年5月9日). 2023年6月10日閲覧。
- 1 隠し砦の三悪人とは
- 2 隠し砦の三悪人の概要
- 3 スタッフ
- 4 影響
- 5 舞台
固有名詞の分類
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