関楠生
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関 楠生（せき くすお、1924年7月15日 - 2014年7月3日[1]）は、日本のドイツ文学者、超常現象研究者。東京大学・獨協大学名誉教授。正四位、瑞宝中綬章[2]。父は静岡高等学校教授のドイツ文学者・関泰祐。
経歴
静岡県に生まれる。旧制武蔵高等学校を経て1946年東京大学独文科卒業、その後松本高等学校講師、水戸高等学校教授。1950年千葉大学助教授） 1952年東京学芸大学助教授に着任。
1954年より1955年までドイツ・ミュンヘン大学に留学し、帰国後の1956年に武蔵中学校・高等学校講師となる（1965年まで）。
1959年に東京大学教養学部助教授、1970年に同教授となり、1985年定年退官。以後、東京大学名誉教授、獨協大学教授を勤める。退職後、獨協大学名誉教授。
はじめトーマス・マンの『ファウストゥス博士』を翻訳したが、以後、児童文学、古代史を中心とする歴史読物を数多く訳した。
1980年代後半から、歴史に関する読物や、超常現象を扱う著書を刊行。
2007年、高橋健二、秋山六郎兵衛、石中象治、鼓常良らのドイツ文学者がナチス時代にどのようにドイツの作家を評価していたかを述べた『ドイツ文学者の蹉跌』を出版した。
単著
- 『歴史名言集 世界編』（ポプラ社） 1968
- 『狂王伝説 ルートヴィヒ二世』（河出書房新社） 1987
- 『西洋史エピソード集』（社会思想社、現代教養文庫） 1990
- 『ヒトラーと退廃芸術 〈退廃芸術展〉と〈大ドイツ芸術展〉』（河出書房新社） 1992
- 『世にも不思議?! 信じられない本当の話』（同文書院） 1993
- 『世界の不思議・超常事件 この先、ミステリー領界』（同文書院） 1993
- 『ドイツ名作が面白い ゲーテから、カフカまで』（同文書院） 1994
- 『白バラ 反ナチ抵抗運動の学生たち』（清水書院） 1995
- 『超常現象 解明できない戦慄の真実』（PHP研究所） 1996
- 『グリム童話の仕掛け』（鳥影社） 1997
- 『ドイツ文学者の蹉跌』（中央公論新社） 2007
翻訳
- 『ファウスト博士』（トーマス・マン、関泰祐共訳、岩波書店） 1952 - 1954、岩波文庫 全3巻 1974
- 『エジプト王陵の秘密』（メノー・ホルスト、みすず書房） 1960
- 『贋作者・商人・専門家』（ゼップ・シュラー、河出書房新社） 1961
- 改題『フェイクビジネス』（小学館文庫） 1998
- 『世界城塞物語』（エーゴン・アイス、辻瑆・内垣啓一共訳、河出書房新社） 1962
- 『マゼラン / アメリゴ』（シュテファン・ツヴァイク、河原忠彦共訳、みすず書房）「全集」1962、新版1980。
- 『ヒトラーとナチス 第三帝国の思想と行動』（ヘルマン・グラッサー、社会思想社、現代教養文庫 1963
- 改題『ドイツ第三帝国』（中公文庫） 2008
- 『さまよえる湖』（スヴェン・ヘディン、白水社、1964）、新版2005ほか多数
- 『知と愛について ドイツ作家の言葉』（訳編、現代教養文庫） 1965
- 『マリー・アントワネット』（シュテファン・ツヴァイク、河出書房新社・世界文学全集） 1965、のち河出文庫（上下）。グーテンベルク21（電子出版） 2016
- 『火のくつと風のサンダル』（ウルズラ・ウェルフェル、学習研究社） 1966
- 『こんにちはスザンナ』（ウルズラ・ウェルフェル、学習研究社） 1967
- 『死の艦隊 マゼラン航海記』（ホルスト、学習研究社） 1969
- 『小さなホセとロバの旅』（ギュンター・フォイステル、岩波書店） 1969
- 『たたかう灰色ネコ』（スヴェン・フレロン、ポプラ社） 1969
- 『赤ギツネのおやこ』（スヴェン・フレロン、ポプラ社） 1969
- 『消えたエリーネ号』（ミープ・ディークマン、ポプラ社） 1970
- 『魔法のぼうしはどこ?』（ルードルフ・ノイマン、学習研究社） 1970
- 『白バラ抵抗運動の記録 処刑される学生たち』（クリスティアン・ペトリ、未來社） 1971
- 『氷島のロビンソン』（クルト・リュートゲン、学習研究社） 1970
- 『謎の北西航路』（リュートゲン、福音館書店） 1971
- 『白いコンドル』（リュートゲン、学習研究社） 1972
- 『アルプスの少女』（ヨハンナ・スピリ、学習研究社） 1973、のち童心社フォア文庫
- 『動物寓話集』（ブックマン社） 1974
- 『食人の世界史』（クリスチアン・シュピール、講談社） 1974
- 『迷宮に死者は住む クレタの秘密と西欧の目覚め』（ハンス・ゲオルク・ヴンダーリヒ、新潮社） 1975
- 『フェニキア人 古代海洋民族の謎』（ゲルハルト・ヘルム、河出書房新社） 1976
- 『海洋の道 考古学的冒険』（トール・ヘイエルダール、カール・イェトマル編、白水社） 1976、新版1999
- 『こわがりやのおばけ』（ディーター・グリム、講談社） 1977、のち青い鳥文庫
- 『古代への情熱 シュリーマン自伝』（シュリーマン、新潮文庫） 1977、改版2004
- 『いたずらっ子といたずらヤギ』（ウルズラ・ウェルフェル、学習研究社） 1978
- 『こわがりやのおばけアメリカへいく』（ディーター・グリム、講談社） 1978、のち青い鳥文庫
- 『ドイツ・ジョーク集』（編著、実業之日本社） 1979
- 『愛の一家』（ザッパー、集英社、子どものための世界名作文学） 1979
- 『ケルト人 古代ヨーロッパ先住民族』（ゲルハルト・ヘルム、河出書房新社） 1979
- 『ヒトラー・ジョーク ジョークでつづる第三帝国史』（アレクサンデル・ドロジンスキー、河出書房新社） 1980
- 『ププさんとふしぎなおうむ』（ディルク・グートツァイト、関みなみ共訳、講談社、世界のメルヘン） 1980
- 『わんぱくジョーク』（編訳、河出文庫） 1981
- 『古代クレタ文明 エーゲ文明の謎』（ハンス・パルス、小川超共訳、佑学社） 1981
- 『過去の謎 現代考古学の冒険』（クルト・ベネシュ、社会思想社） 1982、
- 『中世への旅 農民戦争と傭兵』（ハインリヒ・プレティヒャ、白水社） 1982、白水Uブックス 2023
- 『中世への旅 都市と庶民』（ハインリヒ・プレティヒャ、白水社） 1982、新版2002、白水Uブックス 2023
- 『世界風俗史』（パウル・フリッシャウアー、河出書房新社 1983、のち河出文庫（全3巻）
- 『西洋史こぼれ話』（H.C.ツァンダー、社会思想社、現代教養文庫） 1984
- 『クレイジー・ジョーク』（編訳、河出文庫） 1984
ハンス・バウマン
- 『草原の子ら ジンギス・カンの孫たち』（ハンス・バウマン、岩波少年文庫） 1957
- 『たいようの小馬』（ハンス・バウマン、学習研究社） 1965
- 『ペルーの神々と黄金』（バウマン、学習研究社） 1970
- 『神々の橋をもとめて』（バウマン、学習研究社） 1971
- 『屋根の上の回転木馬』（バウマン、講談社、こどもの世界文学 ドイツ編4） 1972
- 『イーカロスのつばさ』（バウマン、岩波書店） 1979
ヘルマン・シュライバー
- 『道の文化史 一つの交響曲』（ヘルマン・シュライバー、岩波書店） 1962
- 『羞恥心の文化史 腰布からビキニまで』（ヘルマン・シュライバー、河出書房新社） 1973
- 『ヴェネチア人 沈みゆく海上都市国家史』（ヘルマン・シュライバー、河出書房新社） 1985
- 『古代ローマへの道』（ヘルマン・シュライバー、河出書房新社） 1989
- 『ドイツ怪異集 幽霊・狼男・吸血鬼…』（シュライバー、社会思想社、現代教養文庫） 1989
ヘンリー・ウィンターフェルト
- 『リリパット漂流記』（ヘンリー・ウィンターフェルト、学習研究社） 1967
- 『カイウスはばかだ』（ウィンターフェルト、学習研究社） 1968、のち福武文庫
- 『星からきた少女』（ウィンターフェルト、学習研究社） 1969
- 『ポニーテールは王女さま』（ウィンターフェルト、学習研究社） 1969
- 『カイウスはひらめいた』（ウィンターフェルト、学習研究社） 1970
脚注
- ^ 関楠生氏（東大名誉教授）が死去 読売新聞 2014年7月7日
- ^ 「叙位叙勲」『読売新聞』2014年8月2日朝刊
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