鉱量

石油/天然ガス用語辞典

鉱量

読み方： こうりょう
【英】: reserves
同義語: 埋蔵量  

»埋蔵量

埋蔵量

読み方： まいぞうりょう
【英】: reserves
同義語: 鉱量  

埋蔵量とは、貯留岩（油・ガス層）中に存在する石油・ガスの量をいい、埋蔵鉱量あるいは単に鉱量ともいう。 油の量は、通常、1 気圧（ 14.7 psia ）、常温（ 60 °F）条件で表す（stock tank volume）が、油層条件で表す（reservoir condition volume）こともある。ガスについては、基準状態（standard condition：1 気圧、15.6 ℃、水蒸気飽和）で表す場合と、標準状態（normal condition：1 気圧、0 ℃、乾燥）で表す場合がある。埋蔵量の分類および計算方法はさまざまであり、必ずしも統一されてはいないが、一般的に以下に述べる分類、計算方法が用いられる。 埋蔵量は、原始埋蔵量（original oil〈またはgas〉in place）と可採埋蔵量（recoverable reserves）とに大別される。原始埋蔵量とは、生産開始以前に存在していた油層、ガス層内の原油・ガスの総量を指す。 一方、油・ガス田を実際に開発している場合、適切な技術・経済条件において、今後採収可能な油・ガスの量を可採埋蔵量という。また、可採埋蔵量とその計算時点までの累計生産量を合わせて究極可採埋蔵量（ultimate recoverable reserves）または総可採埋蔵量（total recoverable reserves）という。 単に埋蔵量といえば可採埋蔵量を意味することになるので、通常、混乱を避けるため、「原始――」、「可採――」の用語を用いる。実際に地表に取り出し得る油の量は、原始埋蔵量の数％ないし数 10 ％にすぎない。埋蔵量の計算方法としては、容積法、減退曲線法、物質収支法、油層限界ゲスト法、油層シミュレーション法などがある。開発・生産初期段階などのデータが少ない場合には容積法、油層限界テスト法が一般的であり、他の手法は生産がかなり進んだ段階で使用されることが多い。日本工業規格（JIS）M1006-1975「原油および天然ガス鉱量計算基準」では、(1) 適用範囲、(2) 油層・ガス層の定義および分類、(3) 鉱量の定義および分類、(4) 鉱量の計算を定めている。JIS では (4) の鉱量の計算につき、油層・遊離型ガス層については容積法、物質収支法、減退曲線法のみを、水溶型ガス層については容積法のみを規定している。容積法の適用にあたっては、いろいろなデータの信頼度に応じ、鉱量を確認鉱量（proved reserves）、推定鉱量（probable reserves）、予想鉱量（possible reserves）の三つに分類し、その計算法を規定している。確認鉱量とは最も信頼度の高い分類であり、その時点の経済条件下で、地質的・油層工学的データに基づき、油・ガス層から採収し得ると判断される油・ガスの量である。 JIS では原油の場合、産出井を中心とした集油構造内半径 100m の円内の地域またはそれらの包絡線内を確認地域とし、その地域内の原始埋蔵量に採収率を乗じて求めるとしている。同様に JIS による推定鉱量、予想鉱量の対象地域はそれぞれ、産出井の存在によって対象とする油層が連続することが地質学的に推定される地域のうちで、確認地域を除いた地域、原油の埋蔵が地質学的に予想される地域であって、確認地域および推定地域以外の地域と定められている。