那須野ヶ原用水

全国疏水名鑑

那須野ヶ原用水

那須疏水公園 この疏水の関連情報 疏水マップダウンロード 水土里の路ウォーキング1 （那須野が原ウォーク　Ａコース） 水土里の路ウォーキング2 （那須野が原ウォーク　Ｂコース） 疏水を守る活動 （那須野ヶ原西堀地区／那須塩原市／那須野ヶ原西堀 ）		疏水の概要
		■疏水の所在 栃木県北東部の那須塩原市・大田原市・湯津上村に位置する総延長340kmの用水路。 ■所在地域の概要 栃木県の北東部に位置する那須野ヶ原は、那珂川と箒川に挟まれた約4万haの広大な複合扇状地であり、水稲と酪農を中心とする農業が盛んな地域で、人口１７万人を擁する。北部山沿いには塩原・那須温泉といった観光地が隣接、毎年780万人の観光客が訪れている。 ■疏水の概要・特徴 那須野ヶ原の水利開発は、慶長年間（1595〜1615）に蛇尾川を水源とする蟇沼用水と宝暦13年（1763）に木ノ俣川を水源として旧木の俣用水による一部地域の水利開発が行われるも、多くは不毛の地であった。 那珂川と鬼怒川間の45kmを結ぶ大運河構想に端を発し、明治の日本三大疏水のひとつとして、明治18年（1885）に開削されたのが那須疏水である。 明治初期の那須野ヶ原は、東北地方を中心として実施された明治政府の士族授産政策による開墾事業に誘発され、政府高官や華族・地元有力地主らによる結社農場建設が盛んに行われた。しかし、開拓予定地は水に乏しく、特に飲水にも事欠く事態は開拓者の大きな負担であった。この状況に鑑み、飲用水・灌漑用水確保のため那須疏水の開削が急ピッチで進められ、明治18年に僅か１年で那須疏水幹線水路16.5kmが完成した。翌明治19年に支線水路95.7kmも完成、約1,000haにおよぶ水田かんがい用水の他、生活用水としても利用されてきた。那須疏水開削に大きく貢献したのが、印南丈作・矢板武の両翁である。 那須疏水の開削以降、那須野ヶ原の開拓は飛躍的に進み、開墾社を中心に多くの村落が形成されるなど、那須疏水の通水は今日の那須野ヶ原発展の礎であった。 また、那須野ヶ原では、水の一滴は血の一滴として貴重なものであり、現在にもその精神が引継がれ、清水が守られている。那須疏水のほか、慶長年間に大田原城の御用水として開削された蟇沼用水や木の俣用水など、現在でも生活排水の放流は一切認めていない水系が多い。 また、貴重な用水を平等に配分するため、特異な水利秩序として「背割分水方式」が発明され、現在にも受継がれている。 しかし、用水路の多くは土水路であったため、維持管理に多大な労力および経費を要し、漏水のため末端まで用水が届かないことが生じたことと、那須疏水開削以降も依然として用水の不足を生じていたことから、昭和42年度から平成6年度まで国営総合農地開発事業において、新たな水源の確保と施設の改修がなされ、用水不足の解消と施設の近代化が図られた。 本事業は、那珂川上流に深山ダム（約2，000万m3）、赤田調整池（約120万m3）、戸田調整池（約104万m3）を築造して水源を確保し、板室ダム（取水口）、西岩崎頭首工、蟇沼頭首工、新・旧木の俣頭首工の新設及び移設改修、幹・支線用水路等（約340ｋｍ）の新設及び改修を実施した。この用水系統の統廃合により、事業実施前は単独で管理していた用水も、事業実施後は、用水の相互利用が可能となった。平成7年4月から那須疏水を始めとする蟇沼用水、新・旧木の俣用水は統合され、那須野ヶ原用水の構築が図られた。地区全体の用排水調整は、那須野ヶ原総合開発水管理センターで行っている。戸田・赤田調整池は、那須野ヶ原用水を一時貯留し灌漑用水の安定供給及び洪水調整を図るための施設として、疏水と一体的に活用している。 この工事に際しては、上水道への用水供給及び防火用水等の地域用水の確保を行う必要があったことから、仮廻し水路等の工夫が施された。
		くわしい情報 水土里ネット那須野ヶ原 （那須野ヶ原土地改良区連合） http://www.nasu-lid.or.jpwww.nasu-lid.or.jp 那須野が原博物館 http://www.city.nasushiobara.lg.jp/hakubutsukan/ 栃木県庁 http://www.pref.tochigi.jp/shuto/ contents_04/nasu_b.htm 那須塩原市 http://www.city.nasushiobara.lg.jp/rekishi.htm とちぎインターネット放送局 http://www.pref.tochigi.jp/tib/ichioshi/index.html