通信路容量とは? わかりやすく解説

通信路容量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/12 14:48 UTC 版)

通信路容量(つうしんろようりょう)または伝送路容量(でんそうろようりょう、: Channel capacity)は、電気工学計算機科学情報理論において通信路に対して定義される量であり、通信路を介して確実に伝送できる情報の量の上限である。




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通信路容量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 03:37 UTC 版)

加算性白色ガウス雑音」の記事における「通信路容量」の解説

AWGN通信路離散時間事象添え字 i {\displaystyle i} とする一連の出力 Y i {\displaystyle Y_{i}} により表されるY i {\displaystyle Y_{i}} は入力 X i {\displaystyle X_{i}} と雑音 Z i {\displaystyle Z_{i}} の和である。 Z i {\displaystyle Z_{i}} は独立同分布であり、平均0、分散 N {\displaystyle N} の正規分布から得られるのである。さらに Z i {\displaystyle Z_{i}} は X i {\displaystyle X_{i}} と相関しないと仮定されるZ i ∼ N ( 0 , N ) {\displaystyle Z_{i}\sim {\mathcal {N}}(0,N)\,\!} Y i = X i + Z i . {\displaystyle Y_{i}=X_{i}+Z_{i}.\,\!} 雑音nが0ではなくX i {\displaystyle X_{i}} が十分に制約されない限り通信路容量は無限である。入力対する最も一般的な制約は、いわゆるパワー制約であり、通信路を介して送信されるコード名 ( x 1 , x 2 , … , x k ) {\displaystyle (x_{1},x_{2},\dots ,x_{k})} に対して必要なものである。 1 k ∑ i = 1 k x i 2 ≤ P , {\displaystyle {\frac {1}{k}}\sum _{i=1}^{k}x_{i}^{2}\leq P,} ここで P {\displaystyle P} は最大の通信路容量を表す。よって、パワー制限され通信路容量は以下になるC = max f ( x )  s.t.  E ( X 2 ) ≤ P I ( X ; Y ) {\displaystyle C=\max _{f(x){\text{ s.t. }}E\left(X^{2}\right)\leq P}I(X;Y)\,\!} f ( x ) {\displaystyle f(x)} は X {\displaystyle X} の分布である。 I ( X ; Y ) {\displaystyle I(X;Y)} を展開し微分エントロピー観点から書くと以下の式になる。 I ( X ; Y ) = h ( Y ) − h ( Y | X ) = h ( Y ) − h ( X + Z | X ) = h ( Y ) − h ( Z | X ) {\displaystyle {\begin{aligned}I(X;Y)=h(Y)-h(Y|X)&=h(Y)-h(X+Z|X)&=h(Y)-h(Z|X)\end{aligned}}\,\!} しかし X {\displaystyle X} と Z {\displaystyle Z} は独立である。よって I ( X ; Y ) = h ( Y ) − h ( Z ) {\displaystyle I(X;Y)=h(Y)-h(Z)\,\!} となる。ガウス微分エントロピー評価すると h ( Z ) = 1 2 log ⁡ ( 2 π e N ) {\displaystyle h(Z)={\frac {1}{2}}\log(2\pi eN)\,\!} となる。 X {\displaystyle X} と Z {\displaystyle Z} は独立で、それらの和が Y {\displaystyle Y} になるから、: E ( Y 2 ) = E ( ( X + Z ) 2 ) = E ( X 2 ) + 2 E ( X ) E ( Z ) + E ( Z 2 ) = P + N {\displaystyle E(Y^{2})=E((X+Z)^{2})=E(X^{2})+2E(X)E(Z)+E(Z^{2})=P+N\,\!} この範囲より、微分エントロピーの性質推測すると h ( Y )1 2 log ⁡ ( 2 π e ( P + N ) ) {\displaystyle h(Y)\leq {\frac {1}{2}}\log(2\pi e(P+N))\,\!} となる。よって通信路容量相互情報量における達成可能な最大境界与えられ、 I ( X ; Y ) ≤ 1 2 log ⁡ ( 2 π e ( P + N ) ) − 1 2 log ⁡ ( 2 π e N ) {\displaystyle I(X;Y)\leq {\frac {1}{2}}\log(2\pi e(P+N))-{\frac {1}{2}}\log(2\pi eN)\,\!} I ( X ; Y ) {\displaystyle I(X;Y)} は X ∼ N ( 0 , P ) {\displaystyle X\sim {\mathcal {N}}(0,P)\,\!} のときに最大となり、このとき通信路容量 C {\displaystyle C} は以下となる。 C = 1 2 log ⁡ ( 1 + P N ) {\displaystyle C={\frac {1}{2}}\log \left(1+{\frac {P}{N}}\right)\,\!}

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「通信路容量」を含む「加算性白色ガウス雑音」の記事については、「加算性白色ガウス雑音」の概要を参照ください。


通信路容量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 14:38 UTC 版)

情報理論」の記事における「通信路容量」の解説

詳細は「シャノンの通信路符号化定理」を参照 イーサネットなどの通信路上の通信情報理論構築主な動機である。電話使ったことのある人なら誰でも経験することだが、そのような通信路では正確な信号再現失敗することもよくあり、ノイズや一時的な信号途絶などにより信号識別不能となることがあるそのようなノイズの多い通信路でどれだけの情報伝えることが期待できるだろうか離散的な通信路による通信考える。X を転送されるメッセージ集合とし、Y をある一定時間内にその通信路経由受信したメッセージ集合とする。ここで、 p ( y | x ) {\displaystyle p(y|x)} を x が送信されたときに y が受信される条件付き確率分布関数とする。ここで、 p ( y | x ) {\displaystyle p(y|x)} がその通信路固有の属性であるとする(この通信路ノイズ性質表している)。この通信路での X と Y の同時分布は、我々がこの通信路送り出すメッセージ周辺分布 f ( x ) {\displaystyle f(x)} から求められる。この条件通信できる情報量最大化したい。この尺度となるのが伝達情報量であり、伝達情報量最大値を通信路容量と呼んで次の式で表す: C = max f I ( X ; Y ) . {\displaystyle C=\max _{f}I(X;Y).\!} 通信路容量は情報レート R(ここで R は記号ごとのビット数)による通信次のような関係がある。R < C であるような情報レートで符号誤り率 ε> 0 である場合、十分大きな数 N について、コード長さが N で情報レートが R 以上かつ誤り率が ε 以下となるような符号化アルゴリズム存在し、非常に低い誤り率通信行え可能性がある。さらに R > Cであるよう情報レートでは、低い誤り率通信を行うことは不可能である。

※この「通信路容量」の解説は、「情報理論」の解説の一部です。
「通信路容量」を含む「情報理論」の記事については、「情報理論」の概要を参照ください。

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