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這龍図小柄笄二所

はいりゅうずこずかふたところもの


江戸中期
赤銅魚子高彫色絵象嵌裏板削継
小柄長さ97ミリ幅;14.5ミリ
長さ212ミリ幅;12.4ミリ

大森英昌は町彫金工の祖とも評されている横谷宗珉の高弟で、叔父重光および宗珉に学んだ後の享保年間独立して大森家を興し、師家と共に江戸金工界の発展下地を作った名工。はじめ与市と称し、後に四郎右衛門襲い、英昌の工銘に花押を切り添えるを掟とし、幹支間号する横谷流の作風踏まえ獅子牡丹や龍の図の精密豪華高彫表現を得意としながらも、さらに独自の表現模索し、その独創性大森二代の英秀に継がせて大森波と呼ばれる複雑で極めて立体的高彫表現の波の図柄完成させている。大森家柳川家菊岡家石黒家などの横谷同門中最も格高い流派であり、また、英昌は多く門弟養成し、明和九年に六十八歳で没している。掲載二所物は、阿吽の相を示す二態の這龍を小柄と笄に分け、その呼応し合う様子絹目のように微細整然と蒔かれた赤鋼魚子地に肉高く彫り出し色合い神々しい金の色絵施した、精密でしかも活力漲る作。図柄構成後藤家の伝統的な這龍を基本に置きながらも後藤家の文様的な表現による龍とは作風各部分の彫刻手法明らかに異なり全てわたって実体的で手足胴体様子躍動感満ち溢れている。手足角・額に施ざれた点刻は大小変化付けられて表情を豊かにし、深く窪んだ眼窩の奥には赤銅にて目玉が点象嵌されており、これが光を強く反射して龍に生気をもたらしている。






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