赤い繭
赤い繭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 21:01 UTC 版)
安部はこの作品の執筆当時、ようやく手に入れた6畳ほどの物置小屋を自分で床を張り改造した住居に住んでいて、布団の上に粉雪が降る境遇だったという。安部はその頃を振り返り、以下のように語っている。 当時ぼくは極貧の中にいた。そのくせ、ほとんど貧しさを自覚しなかった。貧乏はまるで自分の皮膚のように、自然にぼくの輪郭になっていた。ぼくはたぶん、その貧しさを紡ぐようにして作品を書いたのだ。とりわけ、この『赤い繭』は、そのままぼくの分身のように思われる。作者は、そのたびに、作品の中で自殺しなければならないものらしい。 — 安部公房「覚え書――『赤い繭』」
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