西瓜図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/07 09:44 UTC 版)
《西瓜図》(すいかず)は、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎による肉筆浮世絵。北斎80歳の晩年の作[1]で、縦長の画面に菜切り包丁の置かれたスイカを描き、乞巧奠(七夕)の見立絵とされる[1]。現在は宮内庁三の丸尚蔵館所蔵。
- ^ a b c 三の丸尚蔵館収蔵作品詳細.
- ^ 「需(もと)めに応じる」すなわち、特別な依頼によって描かれたという意。
- ^ 今橋理子 1999, p. 326.
- ^ 太田彩 2017, p. 52.
- ^ a b 太田彩 2018, p. 26.
- ^ 今橋理子 1996, pp. 14–15.
- ^ 本節の作品記述は主に今橋論文を参考にした。cf. 今橋理子 (1996, pp. 1–2)
- ^ a b c d e 神谷浩 1991, p. 224.
- ^ a b 辻惟雄 1991, p. 235.
- ^ a b c d 今橋理子 1996, p. 2.
- ^ 今橋理子 1996, pp. 12–13.
- ^ 今橋理子 1999, p. 323.
- ^ 今橋理子 1999, pp. 326–327.
- ^ 星に関する民俗学的研究を行った野尻抱影によれば、こと座のα星(ベガ)と正三角形をなす2つの4等星(ε星・ζ星)を中国では織女三星と総称し、日本でもこれらをひとまとまりと見る伝承が各地にある。また、和名抄では牽牛星の和名を彦星または犬飼星としており、これはわし座α星(アルタイル、牽牛星)を挟んでγ星・β星が一直線に並ぶ様子を犬飼が犬を引く姿と見た名称であろうと推定している。cf.野尻抱影 (1955, pp. 47–57)
- ^ 織女星・牽牛星をそれぞれ3つの点で表す作例には、狩野惟信筆《富嶽十二ケ月図巻》(静岡県立美術館蔵)がある。cf.今橋理子 (1996, p. 9)
- ^ a b 今橋理子 1996, p. 5.
- ^ 北極星(北辰)を神格化した妙見菩薩に対する信仰。
- ^ 今橋理子 1996, pp. 13–14.
- ^ 楢崎宗重 1972, p. 104.
- ^ 太田彩 2017, p. 53.
- ^ 太田彩 2018, pp. 25–26.
- ^ 前田恭二 『絵のように 明治文学と美術』 白水社、2014年。
- ^ 太田彩 2017, p. 54.
- ^ 辻惟雄 (1991, p. 236)が《西瓜図》と妖怪画の関連を述べるにあたり、複数挙げている作例のうちの一つ。
- ^ 今橋理子 1996, pp. 1–2.
- ^ a b c d 辻惟雄 1991, p. 236.
- ^ a b c 小林忠 1991, p. 218.
- ^ 近世絵画の主流である狩野派や円山四条派に対して、言わば傍流として等閑視されてきた伊藤若冲や曾我蕭白などの奇矯で幻想的な画風を「奇想」と捉え、積極的に評価する見方。辻惟雄が『奇想の系譜』(美術出版社、1970)で提唱した。
- ^ 《西瓜と包丁》北斎館(長野県上高井郡小布施町)所蔵。cf.夏の館蔵肉筆名作選
- ^ 今橋理子 1996, pp. 2–3.
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