血統主義とは? わかりやすく解説

けっとう‐しゅぎ【血統主義】

読み方:けっとうしゅぎ

出生による国籍の取得に関して、子の生まれた場所がどこの国であろうとも、父または母の国籍与えるという考え方日本国籍法はこの主義採用。→出生地主義


血統主義(けっとうしゅぎ)

家族親子関係戸籍関わる用語

出生による国籍の取得のうち、出生地いかんにかかわらず、父または母が自国であれば自国国籍与えるとする主義わが国国籍法は、原則としてこの血統主義をとる。


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血統主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 17:24 UTC 版)

血統主義(けっとうしゅぎ、ラテン語: jus sanguinis)とは、出生による国籍の定め方(生来的な国籍の取得)について、親との血縁で定める決定方法[1]。これに対立する概念として、親の国籍を問わず出生した場所が自国内であれば国籍を付与するという出生地主義(しゅっしょうちしゅぎ、ラテン語: jus soli)がある[1][2]。ただし、いずれの国も一方の方式で貫徹しているわけではなく、原則をどちらかにした上で、 補充的に他方の決定方法を取り入れている[2]


注釈

  1. ^ 父が無国籍である場合に母が日本人であれば、子は日本国籍を取得できた[5]
  2. ^ 改正後の国籍法2条3号は「日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。」という、例外的に出生地主義を認める規定となっている[16]
  3. ^ フランス人を父としてフランスで生まれた子についての規定がないのは、その子がフランス人であることを当然の前提としていたからと考えられる[19]

出典

  1. ^ a b モトムラ・ヒロシ「アメリカ合衆国における移民・国籍の歴史,法,そして家族について—われわれは労働者を求めたが,家族がやってきた—」『香川法学』第32巻第2号、香川大学法学会、2012年9月20日、215-222頁。 
  2. ^ a b 岡村 美保子. “短報 重国籍 我が国の法制と各国の動向”. 国立国会図書館(レファレンス 2003.11). 2023年12月20日閲覧。
  3. ^ a b c 江川, 山田 & 早田 1997, p. 59.
  4. ^ 木棚 2021, p. 184.
  5. ^ a b c d e f 江川, 山田 & 早田 1997, p. 62.
  6. ^ 無国籍研究会 2017, p. 36.
  7. ^ a b c d 江川, 山田 & 早田 1997, p. 60.
  8. ^ 江川, 山田 & 早田 1997, pp. 61–62.
  9. ^ a b c d 木棚 2021, p. 185.
  10. ^ 「この子にも“復帰”を 宙に浮いた国籍 嘆きの米兵妻 “小学校も追われる”」『読売新聞』、1972年5月22日、10面。
  11. ^ 「国際結婚の対応に遅れ 沖縄に今も無国籍児 差別に悩む母子家庭 父系優位の法が妨げに」『朝日新聞』、1980年7月14日、4面。
  12. ^ 「沖縄の無国籍児 基地がらみ法の谷間に80人 「父母両系」への法改正急げ」『朝日新聞』、1980年7月14日、15面。
  13. ^ a b 江川, 山田 & 早田 1997, p. 63.
  14. ^ 女子差別撤廃条約全文”. 内閣府男女共同参画局. 2021年10月29日閲覧。
  15. ^ 法律第四十五号(昭五九・五・二五)”. 衆議院. 2021年10月29日閲覧。
  16. ^ 木棚 2021, p. 186.
  17. ^ 木棚 2021, p. 79.
  18. ^ 山田 1997, p. 92.
  19. ^ a b 木棚 2021, p. 80.
  20. ^ 館田 晶子「血統主義の意味・試論 : -国籍法違憲判決を素材にして-」『跡見学園女子大学マネジメント学部紀要』第9巻、香川大学法学会、2010年3月、51-64頁。 
  21. ^ 山田 1997, p. 98.
  22. ^ 木棚 2021, pp. 81–82.
  23. ^ 木棚 2021, p. 84.
  24. ^ 木棚 2021, p. 85.
  25. ^ 木棚 2021, p. 91.
  26. ^ a b 伊東 2008, p. 1.
  27. ^ a b 木棚 2021, p. 92.
  28. ^ 木棚 2021, p. 93.
  29. ^ 木棚 2021, p. 96.
  30. ^ a b 木棚 2021, p. 98.


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血統主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 06:15 UTC 版)

家系」の記事における「血統主義」の解説

家系は、人間に対してのみ使用される言葉である。これは、同じ家系とされる人間が必ずしも他の動物植物のように生物的な繋がり血筋血縁であるとは限らないことが含まれている。例え人間しかない関係性として養子などが挙げられる。従って家系という言葉血統という言葉には、若干ニュアンス違い生まれる。血統主義、血統重視するという場合は、単に同じ家系である以上に生物的な関係性重んじている。 ヨーロッパでは、アリストテレスにより人間精子によって作られる信じられて来た。女性の役割精子育てることと考えられ人間資質男性全て依存する捉えられた。ここから様々な能力資格権利血統によって継承されるという考えから他の地域異な文化生まれた。まず、このためヨーロッパでは、貴族庶民明確に別けられた。現在でもイギリス身分大きく分かれている。次にハプスブルク家代表されるように非常に近い血統人物同士結婚繰り返し結果として虚弱化していったことが知られる。これは、家系が持つ社会的地位財産守ろうしたため起こった

※この「血統主義」の解説は、「家系」の解説の一部です。
「血統主義」を含む「家系」の記事については、「家系」の概要を参照ください。

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