蛙狩神事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 17:13 UTC 版)
さて御手洗河にかへりて漁猟の儀を表す。七尺の清滝氷閇(とじ)て一機(はた)の白布地に敷けり。雅楽数輩、斧鉄を以て是を切り砕けば、蝦蟆五つ六つ出現す。毎年不闕の奇特なり。壇上のかへる石と申す事もゆえあることにや、神使、小弓小矢をもて是を射取りて、各串にさして捧げもちて生贄の初とす。 — 『諏方大明神画詞』「諏方祭 巻第一 春上」 元日の朝に上社本宮で行われる蛙狩神事では、本宮前の御手洗川から捕らえられたカエルが小弓と矢で射抜かれ、生贄とする。かつてはカエルを「射取る」のが神使(おこう)の役目であり、6匹を捕獲したのは6人の神使がいたからと思われる。しかし時代が下がるとカエルの数も少なくなり、現在は2匹が平均的である。「不闕の奇特」と言われるほど川には必ずカエルが現れると信じられ、これが諏訪大社七不思議の一つとして数えられている。射抜かれたカエルは本宮の「帝屋」(現在の勅使殿)に座す大祝の前に供えられ、丸焼きした後に神薬として配られた。 中世の伝承では諏訪明神による蝦蟆神の退治を模した神事とされているが、カエルを供える本当の理由は謎に包まれており、いろんな説が挙げられている。一説ではこの話が蛇神としての諏訪神と土地神(ミシャグジあるいは洩矢神)による神権争奪を意味するという。
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