薬物分布
【概要】 血液のなかで薬物はアルブミンなどの血漿蛋白と結合したものと、結合していないものが存在し、その割合を蛋白結合率と呼ぶ。血液に運ばれて体内の様々な臓器に色々な濃度で分布する。これを薬物分布という。細胞内へとり込まれ、作用部位で効果を発揮したり、肝臓で代謝あるいは腎臓で排泄を受けるものは、非結合型の薬物である。したがって、血中非結合型薬物濃度推移は体内動態を考えるうえで最も重要となる。
【詳しく】 特に注意するのは中枢神経系への移行である。脳の中にしみ通るには脳の血管から洩れて移動しなければならないが、血管内皮の構造でしみ通りにくい仕組みがある。これを血液脳関門(blood brain barrier)と言う。HIV脳症を治療するには、薬が素通りしては困る。つまり中枢神経移行性が優れていて脳内に分布する必要がある。
《参照》 薬物動態
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