蒸留廃液(じょうりゅうはいえき)
蒸留酒せ製造するとき、蒸留終了時に蒸留釜(がま)に残ったもの。煮汁、釜残(かまざん)、沖縄では糟酒(かしじぇー)ともいう。本格焼酎の場合、クエン酸などの有機酸やタンパク質、脂肪、繊維分と少量のアルコールや微量の栄養素(ピタミン・ミネラルなど)を含み、飼・肥料としての価値が高い。たとえば、これで飼育したブタは肉に赤身が多く高値で売れたので、かつての沖縄では泡盛の製造場でブタを飼育しているところが多く、また本土でも畜産農家により利用されていた。昭和四〇年代以降、配合飼料との競合や焼酎生産量の増加にともなって廃液の処理が問題になりつつある。焼酎甲類の場合、連続式蒸留機から排出される廃液の量も多く、原料に糖密(とうみつ)を使用したものはカラメルの色がとりにくいので、あらかじめ簡単に蒸留をすませた無色の粗留アルコール(クルード・ラム)を輸入している。
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