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葉巻きタバコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/28 12:21 UTC 版)
葉巻きタバコ(はまきタバコ)はタバコの形態の一種。単に「葉巻」と呼称されることが多い。
目次 |
概説
葉巻タバコはタバコの葉を筒状に巻いたものである。たばこ加工技術としては最古の部類である。通常、刻みタバコのように葉を細断せず一枚のタバコの葉を巻いたもので、紙巻きタバコのように紙で包まず、フィルターも用いない。また一部のパイプタバコのように香料をつける「着香」はドライシガー以外では基本的に行われない。燃焼時間は標準サイズのプレミアムシガーでおおよそ1時間〜1時間30分である。
葉巻きに使用されるタバコ葉は熱帯地域を中心に生産されており、有名なのはキューバ(ハバナ葉)、ドミニカ共和国、フィリピン(マニラ葉)など。他にも、アメリカ合衆国(コネチカット葉、フロリダ葉)、ホンジュラス、ニカラグア、インドネシア(ジャワ葉、スマトラ葉)などの葉がある。
種類
葉巻は、保管に湿度管理を必要とする「プレミアムシガー」と、その必要がない「ドライシガー」に大別される。同一ブランドであればプレミアムはドライより高価。また、プレミアムシガーの中でも機械巻きのマシンメイドシガーに対して、職人が1本1本手巻きするハンドメイドシガーがより高級とされる。
プレミアムシガーと一部のドライシガーの葉巻きは吸い口部分がラッパーと呼ぶタバコ葉で閉じられており、吸う前に穴をあける必要がある。吸い口を作るために葉巻の端を切る専用の鋏やシガーカッターが喫煙具として市販されている。あらかじめ吸い口があけられた葉巻の中でも紙巻タバコと同様のサイズのものをミニシガーやシガリロ(cigarillo)と呼ぶ。ただしシガリロの称範囲は非常に広く、ドライシガー全般や葉巻葉を混ぜ込んだ紙巻きタバコまでを含めることもある。
構造
葉巻は、内側に詰められるフィラー(Filler 填充葉)と呼ばれる葉と、フィラーをまとめるバインダー(Binder 中巻葉、省かれているものもある)と呼ばれる葉、そして外側を巻くラッパー(Wrapper 上巻き葉)と呼ばれる葉で構成される。いずれもタバコの葉だが、産地、栽培方法、熟成方法がそれぞれ異なる場合が多い。
紙巻タバコと同じように細かく刻んだ葉をフィラーに使うものを「ショートフィラータイプ」、刻まない一枚(もしくはそれ以上)の葉をフィラーにしたものを「ロングフィラータイプ」と呼ぶ。特殊な例としてはミドルフィラーと呼ばれるラッパーの検品で弾かれた製品を再度まき直した葉巻も存在する。一般にドライシガーは大半がショートフィラー・マシンメイドである。
シガーラベルとバンド
葉巻ブランドごとに特色のある、シガーラベルとシガーバンドがある。
「シガーラベル」とは葉巻を封入した箱の裏蓋を封じた約15×22センチの紙である。当初は簡単な図柄だったが、模造品対策からキューバシガーの箱では20色もの多色刷り石版印刷や箔押し加工が行われていた。1920年代以降は写真製版印刷のラベルが用いられている。写真製版導入前の物は美術的な評価が高く、現在では石版印刷の再現が難しいことから骨董品としても珍重されている[1]。
「シガーバンド」は葉巻1つ1つに巻かれている帯で、葉巻のブランドの判る図版が組み込まれている。バンドの本来の目的は、白い手袋や素手がヤニで黄ばむことを避けるためだったが、近年は添付されないシガーもある。なお、喫煙の際にはバンドが添付している物は無理に外すと葉巻きを痛める恐れがあるため、燃焼が進んで糊が溶けてから剥がすことが推奨される。
吸い方・楽しみ方
本来、葉巻は嗜好品である以上、各々が好きなスタイルで楽しめば良い。そもそもルールや決まりごとは存在しないが、一般的な吸い方やノウハウは以下の通りである。
喫煙方法
- 葉巻の片方の端のキャップを専用のカッターや鋏などで吸い口を作る。
- 灰はラジエーターの役割をするため可能な限り落とさない。
- 一度消えた葉巻に着火した場合一旦吹き出して中の煙を追い出す(再点火の際に風味が違う)。灰をしっかりと落としてから再着火すると火が点きやすい。
点火に際しては、まず吸い込んだりせずに、大きな炎で先端部分を焙りながら炭化させ、更に後端が上になる形で45度程度に傾けながら均等に炭化させる。こうすることで葉巻の内部までが湿り気を帯びた熱気で温められる。次に回転させながら遠火で点火するが、この際も紙巻きタバコのように吸い込みながら点火しない。先端部が均等に着火したことを確認の上で、ゆっくり吸い始める。
なおこういった「手間の掛かる点火方法」は、葉巻が繊細であり、また手間をかけることで風味がいっそう増すことに由来する。なお特に太い葉巻では、紙巻きタバコのようにいきなり吸いながら点火すると、均等に着火せずいびつに燃えることもある。
カット方法
ラッパーに吸い口を開ける方法にも幾つかある。使用する道具によって区別されるが、その幾つかはよく切れるナイフ(汎用の刃物)でも対応可能である[2]。
- フラットカット
- 吸い口を水平に切り落とす切り方で、一般的に出回っている“シガーカッター”かナイフで切り落とす。端の丸みを帯びた箇所を僅かに残す形で切り落とすと、口当たりが良くなる。
- パンチカット
- フラットカットに次いで一般的な切り方で、円筒状の刃の付いた専用の“シガーパンチ”を使うが、シガーパンチにも大小があり、大きく開ければ濃厚な風味を、小さく開ければ穏やかな風味を楽しめる。丸みを帯びた後端が残るため、口当たりがよく、またまろやかな風味である。
- Vカット(ウェッジカット)
- やはり専用の器具を使う。後端にV字型の溝を切り込むように切り取ることで、丸みを帯びた後端が残ることから口当たりがよい。パンチカットよりも切り取り面積が広いのが特徴的。
なおフラットカットやVカットでは、ラッパーごと内部に巻かれた葉も切り取るが、パンチカットだけは余り深く切り込みを入れず、ラッパーのみを取り除く。
味
葉巻愛好家は主にその香りや複雑な味を楽しむために喫煙をする人が多く、葉巻の銘柄によっても様々な味の違いが存在する。同じブランドの同じ葉巻においても喫煙時の精神状態や喫煙方法の差や葉巻の個体差により全く同一の味になることはほぼ無く、味が毎回異なることも愛好家が好む要素の一つとなっている。
また、酒と合わせて楽しむ場合もあり、スコッチやバーボン・ウイスキーなどのウィスキー、コニャック、アルマニャック、カルヴァドスなどのブランデー、ラムなどとの組み合わせは比較的好まれる。
臭い
葉巻は独特の臭いを紫煙とともに発することから、紙巻の喫煙者でも葉巻の臭いを忌避する人もいる。葉巻の灰は紙巻の灰に比べて臭いが強く、灰を潰すとその臭いが拡散する。
- ^ シガーラベルの世界 ~葉巻の箱の小さな芸術~(たばこと塩の博物館)
- ^ 柘植製作所小冊子『Cigars』
- ^ Cigar Smoking(ACS)
- ^ 「葉巻」で威風を示し、戦後の復興を導いた吉田茂(日本たばこ産業)
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