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舟戸藩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/04/13 11:29 UTC 版)

舟戸藩（ふなとはん）は、下総国葛飾郡舟戸村（現在の千葉県柏市船戸付近）を居所として、江戸時代前期・中期に存在した藩。1616年、本多正重（本多正信の弟）が1万石の大名となって成立したが、正重はまもなく隠居し、相続の際に本多家は8000石の旗本となったため、一旦廃藩したと見なされる。本多家は引き続きこの地域を知行地とし、1688年に本多正永が加増を受けて大名となったため、当地に再立藩した。1703年、正永は上野国に領地を与えられ沼田藩に移転。葛飾郡藤心村（現在の柏市藤心）にも陣屋があり、同地を居所としたとする見方から藤心藩（ふじこころはん）と呼ばれることもある^{[注釈 1]}。

脚注

注釈

^ 『藩史大事典』（雄山閣）では「舟戸(藤心)藩」^[1]。『房総における近世陣屋』においては陣屋名として「藤心陣屋・船戸陣屋」と表記する^[2]。
^ 赤丸は本文内で藩領として言及する土地。青丸はそれ以外。
^ 『寛政譜』に居所は記載されていない^[4]。
^ 長坂重吉の長男、母は本多正重の娘^[6]。
^ 正重の長男の本多正氏は豊臣秀次に仕えたが、文禄4年（1595年）に秀次に殉死^[6]。二男の本多正包は慶長13年（1608年）に17歳で早世^[6]。
^ 『寛政譜』に居所は記載されていない^[6]。
^ 『角川日本地名大辞典』の「舟戸藩」の項目では、正永が大名に列したことを記載する^[8]。
^ 柏市の郷土史教育用副読本では、本多家は「代々農民を大切にし」「領民に慕われた」と記す^[20]。ただし本多家の領地支配全体で騒動がなかったわけではなく、田中藩の駿河国の本領では江戸時代後期に増田五郎右衛門の義民伝承を残す百姓一揆も発生している^[13]。

出典

^ “藩史大事典第2巻　関東編【新装版】目次”. 雄山閣. 2022年11月8日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 『房総における近世陣屋』, p. 35.
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f “船戸村(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月8日閲覧。
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^ “長尾藩前史－駿州田中藩－”. 房州長尾藩　―明治維新の大名と武士たち―. 館山市立博物館. 2022年11月8日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j 『寛政重修諸家譜』巻第六百九十四「本多」、国民図書版『寛政重修諸家譜第四輯』p.714。
^ ^a ^b 『藩翰譜』巻十一、吉川半七版『藩翰譜第１０上−１１』65/87コマ。
^ ^a ^b “舟戸藩(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月8日閲覧。
^ 『寛政重修諸家譜』巻第六百九十四「本多」、国民図書版『寛政重修諸家譜第四輯』pp.714-715。
^ ^a ^b 『寛政重修諸家譜』巻第六百九十四「本多」、国民図書版『寛政重修諸家譜第四輯』p.715。
^ ^a ^b “駿河国・田中藩の飛び地”. 鎌ヶ谷市. 2022年11月8日閲覧。
^ “柏に輝いた人たち”. 柏市. 2022年11月8日閲覧。
^ ^a ^b “田中藩”. 日本大百科全書(ニッポニカ). 2022年11月8日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e “藤心村(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月8日閲覧。
^ ^a ^b ^c “「明治初年の下総農民による国替え停止運動について」”. 教会員ブログ. SDA柏キリスト教会. 2022年11月8日閲覧。^{[信頼性要検証]}
^ ^a ^b “藤意郷(中世)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月8日閲覧。
^ “下総領”. 房州長尾藩　―明治維新の大名と武士たち―. 館山市立博物館. 2022年11月8日閲覧。
^ ^a ^b 『房総における近世陣屋』, p. 39.
^ “加村(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2024年4月13日閲覧。
^ ^a ^b “第4章江戸幕府と柏（江戸時代)”. 郷土かしわ. 柏市. 2022年11月8日閲覧。