膠芽腫とは? わかりやすく解説

こうが‐しゅ〔カウガ‐〕【×膠芽腫】

読み方:こうがしゅ

神経膠腫グリオーマ)の一種進行速く脳腫瘍の中で最も悪性度が高い。中高年多く発症する腫瘍増大によって頭蓋内圧亢進(こうしん)し、早朝に強い頭痛吐き気が起こる。腫瘍部位によって運動言語視力記憶などに障害現れる手術腫瘍摘出した後も放射線照射化学療法が必要となる。グリオブラストーマグリブラ


膠芽腫


膠芽腫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/05 18:13 UTC 版)

膠芽腫のデータ
ICD-10 C719
統計 出典:
世界の患者数 半角数字、3桁区切り
(20xx年xx月xx日)
日本の患者数 半角数字、3桁区切り
(20xx年xx月xx日)
○○学会
日本 日本脳神経外科学会
世界 AANS & CNS Neurosurgery On-Call
この記事はウィキプロジェクトの雛形を用いています

膠芽腫(こうがしゅ、: glioblastoma)は、脳腫瘍の一種。神経膠腫(グリオーマ)の中でも最も悪性の腫瘍とされる。

定義(概念)

グリア細胞(主として星状膠細胞)由来の悪性腫瘍の中で、極端に未分化で増殖能の高いものを指す。腫瘍は出血を伴うことが多く、腫瘍の内部に壊死巣が見られる事がある。腫瘍細胞は円形、紡錘形などの様々な形状が存在し、大小不同である。

病態

急速な腫瘍の増大により極めて進行が速い。数週単位で症状が悪化することも見られる。

疫学

好発年齢は45〜79歳であり中年以降に多発する。男性のほうがやや多い(1.4倍)。原発性脳腫瘍の約9.0%を占める。前頭葉に最も多く、次いで側頭葉頭頂葉に好発する。

症状

膠芽腫 Gioblastoma 病理組織像

急速に増大する腫瘍による頭蓋内圧亢進症状が見られる。初発症状は頭痛が多い。他の脳腫瘍と同じく、朝に強い頭痛が見られること(morning headache)が多い。その他に運動麻痺痙攣見当識の低下などが見られる。

検査と診断

膠芽腫のMRI画像
CT
単純CTでは腫瘍実質が高吸収域、周囲の壊死部や嚢胞は低吸収域として造影される。造影剤を用いた造影CTでは腫瘍実質が不均一に増強される。
MRI
T1強調画像では腫瘍はやや低信号域、T2強調画像では腫瘍やその周囲の脳浮腫が高信号域となる。ガドリニウムを用いた造影MRIでは、腫瘍の辺縁が高信号域となる一方、腫瘍内部は壊死などを反映して低〜高信号域が入り混じった像となる事が多い。この所見をリング・エンハンスメントと称する。また、リング・エンハンスメントは膠芽腫に特異的な所見ではなく、脳膿瘍、転移性脳腫瘍などが鑑別として挙がることが多い。

臨床症状から脳腫瘍を疑い、CTやMRIの結果を元に確定診断する。

診療科脳神経外科神経内科の担当となる。

治療

膠芽腫を根治する方法はない。手術での出来る限りの摘出が基本であるが、腫瘍は浸潤性で正常組織との境界が不明瞭であるため、通常全摘は不可能である。そのため術後の放射線療法化学療法との併用が基本となる。現在、化学療法はテモゾロミドを用いるのが一般的である。

近年では腫瘍電場療法を取り入れた施設も増えている。

東京大学医科学研究所単純ヘルペスウイルスを使ったウイルス療法を研究し、遺伝子を改変した「G47Δ」が再生医療等製品として2021年に承認された[1][2]

予後

脳腫瘍の中では予後が最も悪く、全ての悪性腫瘍と比べても最悪の部類に入る。1年生存率は51.6%、3年生存率は13.1%、5年生存率は7.8%である。なお、膠芽腫は遠隔転移はほとんどせず、転移するのは脳内のみであるという特徴がある。

参考文献

脚注




膠芽腫と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「膠芽腫」の関連用語

膠芽腫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



膠芽腫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2024 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの膠芽腫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS