ゲオルギオスの日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/05 14:25 UTC 版)
ゲオルギオスの日(ゲオルギオスのひ)は、聖ゲオルギオスを記憶するキリスト教の聖名祝日。イギリスやスペインなどではゲオルギオスが殉教した命日とされる4月23日に祝われる。正教圏では5月6日(ユリウス暦4月23日)[注釈 1]に加えて秋にも祝日がある地域もあり、グルジアでは11月23日、ロシアでは12月9日に、より大きく祝われる。このほか地域によって、また復活祭との関係によって、これ以外の日が祝日とされることもある。ブルガリア(5月6日)およびグルジア(11月23日)では、ゲオルギオスの日が公休日である。
注釈
- ^ この換算は、1900年から2099年の期間についてあてはまる。以下同様。
- ^ 「光栄なる聖大致命者凱旋者ゲオルギイ」や単に「聖ゲオルギイ」の形も用いられている[4]。
- ^ 贈答される花としては、麦の穂を添えた一輪のバラ、特に赤いバラが一般的である。“サン・ジョルディの日”. 日本・カタルーニャ友好親善協会. 2013年4月24日閲覧。
- ^ ブルガリアには「ゲオルギオスの雨は値千金」«Гергьовският дъжд алтън струва»という諺がある[12]。
- ^ ロシアの学者からはスラブの聖ゲオルギオスの日の行事をスラブ神話のヤリーロの祭と結びつける見解が示されているが[14]、伊東一郎は「そもそもヤリーロの信仰はブルガリアには知られていない」こと、異教の影響と見るよりも地理的条件と生業から来る意味づけを見るべきとの見地から否定的である[14]。
- ^ ブルガリア民謡では、しばしば聖ゲオルギオスが羊飼いとして歌われる[15]。
- ^ 伊東一郎によれば、ブルガリア、ギリシア、コプトなどのイコンではドラゴンと戦う聖ゲオルギオスの背後に水差しを持った少年が描かれるという特徴的なディーテールがあり、これは「子供をトルコ人にさらわれた両親の祈りに応え、聖ゲオルギオスが少年を自分の馬に載せて送り届けた」という別の伝承を盛り込んだものである[16]。
- ^ レバノンではイスラームおよび東方典礼カトリック教会が優勢であり、正教会も無視できない割合で存在する。
- ^ 右参考文献にも、列挙された大祭・中祭の中に聖ゲオルギイ(聖ゲオルギオス)の祭日は挙げられていない。参考文献:主教ニコライ:閲、中井木菟麻呂:序、松本高太郎:編『公祈祷講話』22頁 - 24頁、正教会出版、明治34年10月
出典
- ^ a b “カトリック教会のこよみ 2013年4月”. カトリック中央協議会. 2014年11月24日閲覧。
- ^ “聖人カレンダー 4月23日 聖ジェルジオ殉教者”. 女子パウロ会. 2014年11月24日閲覧。
- ^ “キリスト教社会共通の人気者 聖ゲオルギオスの日”. 九州の正教会 (2021年5月6日). 2021年12月11日閲覧。
- ^ “4月23日/5月6日 光榮なる聖大致命者凱旋者ゲオルギイの祭日”. Liturgia 正教会聖歌 実践と研究. 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b 伊東一郎 2013, p. 96.
- ^ Tradition English Festivals
- ^ McSmith, Andy (2009年4月23日). “Who is St George?”. London: Independent.co.uk 2010年4月23日閲覧。
- ^ Crutchlow, Dayle (2006年7月5日). “Hands off our patron saint, by George!”. コベントリー・テレグラフ 2008年8月17日閲覧。
- ^ A new Patron Saint of England? (2008年6月26日). “Suffolk - Community - A new Patron Saint of England?”. BBC. 2010年4月23日閲覧。
- ^ “Radio 4 - Today - St Alban”. BBC. 2010年4月23日閲覧。
- ^ a b c 伊東一郎 2017, p. 271.
- ^ a b c 伊東一郎 2016, p. 80.
- ^ 伊東一郎 2016, pp. 81, 84.
- ^ a b 伊東一郎 2017, p. 274.
- ^ 伊東一郎 2017, p. 275.
- ^ a b c 伊東一郎 2016, p. 79.
- ^ a b c 伊東一郎 2013, p. 93.
- ^ “St George's Day celebrations” (英語). The Scout Association. 2014年11月24日閲覧。
- 1 ゲオルギオスの日とは
- 2 ゲオルギオスの日の概要
- 3 正教が優勢な国
- 4 欧米以外の国
- 5 関連事項
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