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美術批評

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 22:55 UTC 版)

ドゥニ・ディドロ」の記事における「美術批評」の解説

グリムの『文藝通信』に断続的に掲載されサロン批評(「サロン評」)によって近代的美術批評の祖ともされる。その批評論は『絵画論』(Essai sur la peinture, 1766年刊)に結実したディドロ美術論ディドロの『絵画論』とその他美術に関する著作加えた絵画について』(佐々木健一訳、岩波書店2005年)に詳しい。 ディドロ時代近代的な芸術概念確立期重なっていた。近代的な芸術概念とは、文学造形美術絵画彫刻建築)と音楽をひとまとまりのものとしてくくる考えのことである。近代的な芸術概念核心は、絵画彫刻を「頭の仕事」として格上げすることにあったディドロ美術との関係が顕著に表れるのは、サロン展の批評書き始めたころである。1759年を皮きりに、1781年まで9年分(596163656769717581年)を書いている。サロン評公表されたのは『文藝通信』というミニコミ誌だった。これを刊行していたのは、グリム1723年1807年)というパリ在住ドイツ人で、パリ定住して4年目1753年から、或る人物のやっていたこの事業引き継いだディドロ主要な著作のうち、サロン評と『絵画論』、更に『ダランベールの夢』と『ブガンヴィル航海記補遺』などが『文藝通信』に公表された。しかし、読者極めて限られていて、最大でも15人ほどだった。ディドロは『絵画論』の刊行を『1765年サロン』の末尾予告して1766年の『文藝通信』でそれは公表された。 『絵画論』は哲学的な絵画論であることを以て特徴としていた。彼は詩などを論じるために使われ修辞学概念切り捨て絵画純粋に絵画として論じた。 『絵画論』の最終章で彼はもう一度項目「美」主題だった美の根拠について論じている。彼は問う。「だが、もしも趣味気まぐれなものであり、美について永遠の、不変規則など存在しないであれば、これらすべての原理いかなる味があるのか」。彼は美を真や善と結びつけることによって、この問題解決しようとする。彼はいう。「真、善、美は密接に結びあっている。最初二つの質に何か稀で目覚ましい状況加えてみたまえ。真は美となろう、善は美となるだろう」。彼によれば趣味とは、「経験重ねることによって、真や善がそれを美しくする状況ぐるみで容易に捉えられるようになり、それにすぐにそして強く感銘を受けるうになるそのようにして身についた能力」だった。 彼は絵画美しくするためには、その対象である自然の構造もしくは秘密につうじることが不可欠であると考えた。そこで、彼の絵画論課題は、自ずから自然法則をよく知るという課題重なりあった。この美自然法則照応は『絵画論最終章主題直結している。そこで美は真と善に基礎けられるが、ここで言う自然法則」は真であるとともに善(特に有用性)の基盤となるものである。そして、この問題意識が、ディドロ美学的思索の展開においてひとつの中心的な主題をなしていたことに注意しておきたい、と佐々木健一述べている。

※この「美術批評」の解説は、「ドゥニ・ディドロ」の解説の一部です。
「美術批評」を含む「ドゥニ・ディドロ」の記事については、「ドゥニ・ディドロ」の概要を参照ください。

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