總光寺庭園とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 總光寺庭園の意味・解説 

總光寺庭園

名称: 總光寺庭園
ふりがな そうこうじていえん
種別 名勝
種別2:
都道府県 山形県
市区町村 酒田市
管理団体
指定年月日 1996.03.29(平成8.03.29)
指定基準 名1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: H7-8-11[[〓(※1)光寺庭園]そうこうじていえん]※1.txt: 松山町は、日本海沿岸酒田市街から東南東最上川沿いに約一二キロメートル江戸時代庄内藩本拠鶴岡市街から北北東へ約一七キロメートル山稜西麓位置する
 江戸時代庄内藩酒井家松山支藩城下町として栄えことが、今も町の中心公園学校敷地などにうかがうことができる。
 曹洞宗禅宗寺院である洞瀧山〓(*1)光寺は、町の東部山裾正面を西に向けて境内構えている。参道両脇には県指定天然記念物の「きのこ」が並ぶ。江戸時代通じて歴代住職の手入れによりきのこ型の樹冠をもち、独得景観呈している。文化八年一八一一再建山門を入ると正面本堂瑠璃光殿)および右手本堂曲折れに接す庫裏を見る。いずれも宝暦十一年(一七六一)の再建である。庭園は、本堂庫裏の裏側に位置する
 〓(*1)光寺は、至徳元年一三八四)、陸奥国胆沢郡報恩永徳寺高僧月庵良圓禅師により峰の頂に薬師仏一体を祀り開山としたと寺史伝えている。以後戦乱等により被災再建歴史続いてきたが、江戸時代には庄内松山支藩酒井家加護を受け、安定した一山経営続けられてきた。現在の寺観は、庭園含めて宝暦六年(一七五六)の被災後再建を基にしている。
 庭園は、庫裏書院の間からの座観を基本とした築山林泉庭である。書院の間からの真東望めば左手上方最上段の滝石組落としており、中央の築山脇を流れ過ぎて池に注いでいる。池中には、書院間正面に平坦な中島設けており、池水南西隅の池尻から庫裏脇に落としている。最上段の滝石組は、高さ約一・五メートル、幅一メートル強の板石用い滝下一段経て流れはくの字に屈曲しながら小さく一段二段落ち、そこから石で畳んだ流れとなって中間の小さな石組に続く。ここから池までは平坦に低く構えた二段落としで池に注ぐ。書院の間から庭園下りれば、池の平坦な護岸石から五つ臼石の澤飛を経て中島渡れる。中島北端南端にはやや大振りの石を据えており亀島風のしつらえ思わせる中島と池の東岸はごく接しており一石で結ぶ。対岸渡ってからは、斜め上方に疎らに飛石打ち左手見え築山の奥のやや広がりをもつ草地へと続く。廻遊路でもある。飛石右手には緩やかな築山設けられており、七か所ばかりに景石配している。廻遊路は草地経て、滝石組からの流れ中間石橋続き小振り自然石灯篭老木の脇を通り開山塔への小道合する
 この庭園特色一つは、左手上方からの滝石組流れ中央の岩組による豪放な築山右手柔和な築山護岸低く押さえた池と中島巧妙な組み合わせである。江戸時代後期完成する日本庭園典型を示すとともに華美に流れずいかにも禅宗寺院庭園としての風格表していて見事である。
 もう一つ特色は、庭園正面遠方山頂峰の薬師堂を庭景に取り込んでいることである。現在は庭園上部老大木の間薬師堂を望むことができる。山林中の広葉樹紅葉とともに一幅の絵として庭園美を引き立てている。
 庭園左手から小道始まりの多い尾根筋上がりきると開山塔がある。享保十七年(一七三二建立の「〓(*1)光開山月庵圓老和尚塔銘」とある高さ約二メートル石塔である。開山塔から少し屋根上がって後平坦な道を行くと中の薬師堂に至る。ここから急坂の道が広葉樹林の間を巡り山頂峰の薬師堂で終わる。庭園から比高一五メートルばかりの行程である。
 峰の薬師堂前に立つと、北方鳥海山南方月山西方眼下最上川庄内平野日本海素晴らし風景一気眺望することができる。
 この庭園は、庭園自体として意匠依存度、管理の点で、江戸時代後期伝統的日本庭園典型として優れているばかりでなく、本堂庫裏建物、中および峰の薬師堂、背景樹林見事な調和保ち全体名勝として十分な価値有している。
 よって、庭園および庭園と一体となって美観呈している境内ならびに峰の薬師堂、中の薬師堂取り込んだ寺有広く名勝として指定し長く保存を図るものとする
史跡名勝記念物のほかの用語一覧
名勝:  箕面山  粉河寺庭園  縮景園  總光寺庭園  美保の北浦  耶馬渓  聚光院庭園



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「總光寺庭園」の関連用語

總光寺庭園のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



總光寺庭園のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2024 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS