細胞融合とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > 細胞 > 細胞 > 細胞融合の意味・解説 

さいぼう‐ゆうごう〔サイバウユウガフ〕【細胞融合】

読み方:さいぼうゆうごう

同種あるいは異種の2個以上の細胞融合し両方合体して染色体がまざり合い新しい1個の細胞形成されること。受精時の生殖細胞などでみられる人為的に細胞膜溶解酵素作用させて雑種細胞をつくり品種改良などに利用


細胞融合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 10:14 UTC 版)

細胞融合 (cell fusion) は、二つ以上の細胞が融合して一つの雑種細胞となる現象である。

概要

細胞融合は、二つ以上の細胞から一つの雑種細胞が形成される現象である[1][2]。同種細胞どうしはうまく融合しやすいが、異種の細胞融合も起こる。

細胞融合は、筋肉および栄養膜細胞の分化胚発生および形態形成の期間に起こる重要な細胞過程である[3]。これは、生体の成長において、細胞の機能を維持するために必須である[4]。また、受精時の生殖細胞や溶解ウイルス感染においてよく観察される。これには形態変化、液胞形成、および合胞体形成のための細胞融合も含む。

細胞融合現象は、1957年に岡田善雄によって発見された。この時、センダイウイルス (HVJ) に細胞を融合させる作用があることを見出した。現在までに人工細胞融合が可能となり、品種改良モノクローナル抗体の生産などに利用されている。ウイルスを介するだけでなく、プロトプラスト-PEG法や電気刺激によっても細胞融合を起こし目的の細胞を作ることができる。

糖尿病治療への応用

2013年5月29日、京都大学再生医科学研究所の角昭一郎らが、「膵臓内でインスリンを分泌するランゲルハンス島の細胞を、骨髄から取り出した幹細胞と融合させ、生体内で効率的に働かせる動物実験に世界で初めて成功した」と発表した。角昭らのグループは、細胞増殖などの能力に優れた大腿骨の骨髄由来の幹細胞と膵島細胞とを並べて電気刺激を与えて融合させ、インスリンを分泌できないラット移植した。その結果、通常の膵島移植[5]の半分の量の融合細胞を移植しただけで、血糖値が低下する効果が出ることが確認され、移植後3カ月間、血糖値が徐々に低下したことから、融合細胞が生体内で増殖したと考えられるという。角昭は「膵島から融合細胞を作製し、それを移植するという新たな手法につながる可能性がある」と話している[6]

関連項目

参考文献

  • H. Harris: Cell fusion, 1970, Harvard University Press, Mass.
  • R. Borgens et al.: Cell Fusion and some subcellular Properties of heterokaryons and hybrids, Journal of Cell Biology, VOLUME 67, 1975, pages 257-280

脚注

  1. ^ Glossary of Biotech Terms(2004年2月3日アーカイブ)
  2. ^ Glossary of biotechnology and genetic engineering
  3. ^ http://herkules.oulu.fi/isbn9514269306/html/x1210.html
  4. ^ Mesothelioma Settlement - lawyer, attorney, law, lawsuit - Legal Glossary
  5. ^ 重い糖尿病患者には、膵臓移植が最も有効な治療法とされており、提供者の膵臓が移植に適さない場合は、膵臓内に点在する膵島を分離し、点滴で移植する方法がある。しかし、一つの膵臓から分離できる膵島は少量で、患者1人分に満たないこともある。また、移植後も効果が持続せず、再び膵島移植が必要になる患者が多い。
  6. ^ 毎日新聞』(2013年5月29日)「<糖尿病治療>融合細胞使う動物実験成功 膵島移植に効果

細胞融合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 22:51 UTC 版)

仮面ライダーBLACK (キャラクター)」の記事における「細胞融合」の解説

自らの身体細胞レベルにまで分解して通常の人間細胞一体化する能力その人間に超人的な戦闘能力与えることが可能。他人身体乗っ取る行為であるため人道的観点から使用控えていたが、第36話にて卑劣なバルンボルンの企み打ち破るために、プロボクサー沢田了承得て使用した

※この「細胞融合」の解説は、「仮面ライダーBLACK (キャラクター)」の解説の一部です。
「細胞融合」を含む「仮面ライダーBLACK (キャラクター)」の記事については、「仮面ライダーBLACK (キャラクター)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「細胞融合」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

細胞融合

出典:『Wiktionary』 (2017/07/28 11:29 UTC 版)

名詞

細胞 融合さいぼうゆうごう

  1. 2上の細胞が1個の細胞繋がる細胞増え方。

「細胞融合」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



細胞融合と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「細胞融合」の関連用語

細胞融合のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



細胞融合のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの細胞融合 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの仮面ライダーBLACK (キャラクター) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの細胞融合 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS