ぼう‐し〔バウ‐〕【紡糸】
紡糸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/21 14:04 UTC 版)
紡糸(ぼうし、英: spinning)は、合成樹脂などの原料を口金から押し出し、引き伸ばして細長い繊維状にする工程である。紡糸技術は繊維工学の中でもとりわけ繊細で、高度な技術要素を含む[1]。
注釈
- ^ 時速に換算すると約840km/h、ジェット旅客機の巡航速度に匹敵する。
- ^ ポリエチレンなど屈曲した分子構造を持つ高分子に対し、屈曲性を持たないひも状の分子構造[30]。
- ^ ポリ(パラ-フェニレンベンゾビスチアゾール)。耐熱性、耐放射線性に優れた化学繊維。強酸のポリリン酸やメタンスルホン酸を用いて液晶紡糸する[33]。
- ^ のちの三菱レイヨン、2017年より三菱ケミカル。
- ^ 摂食に用いる口とは別の器官である。吐き出す力ではなく運動により糸を作り出している(牽引紡糸)ことから、「紡糸口」とも呼ぶ[43]。
- ^ セリシンはヒトの角質層と共通する[45]アスパラギン酸やグリシン、セリン、トレオニンなどを豊富に含み、スキンケア商品などに利用される。
- ^ 絹糸腺の直径の変形率に目を転じると、合成繊維に引けを取らない高速で紡糸を行っていることが分かる[43]。
出典
- ^ a b 石原英昭(京都工芸繊維大学)「極細繊維と溶融紡糸不安定性」『繊維工学』第56巻第3号、日本繊維機械学会、2003年、 137-144頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 再生繊維とは(tunageru.com)
- ^ 糸が出来るまで(東京都クリーニング生活衛生同業組合)
- ^ 紡績と製糸と紡糸の意味・違いとは?(ファッションガイド.jp)
- ^ “明治期の農林水産業発展の歩み 製糸”. 農林水産省. 2022年6月19日閲覧。
- ^ (信州大学 2011, pp. 109)
- ^ a b c d e (加藤 2011, pp. 8–9)
- ^ a b c 相宅省吾、北尾敏男「溶融紡糸における糸条形成について」『繊維工学』第21巻第8号、日本繊維機械学会、1968年、 528-533頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 乾式紡糸用ノズル(日本ノズル株式会社)
- ^ 高分子溶融体流れのマルチスケールシミュレーション ―溶融紡糸への応用― (PDF)
- ^ 堀泰明(昭和油化)「モノフィラメントの押出し」『高分子』第11巻第2号、高分子学会、1962年11月、 150-155頁、2022年8月6日閲覧。
- ^ a b 標葉二郎(帝人)「異形断面糸」『高分子』第17巻、高分子学会、1968年、 579-582頁、2022年8月24日閲覧。
- ^ 写真で見る合成繊維の製法(日本化学繊維協会)
- ^ 佐々木久衛「合繊が果たしてきた役割とこれからの素材革命、技術の可能性 (PDF) 」 『繊維トレンド』、東レ経営研究所、2012年、 4-12頁、2022年8月24日閲覧。
- ^ “【この技術がすごい 5】東レの複合紡糸技術「ナノデザイン」”. 繊研新聞社. (2020年5月6日) 2022年8月24日閲覧。
- ^ a b (沢田 2011, pp. 151–152)
- ^ 松井亨景「ポリエチレンテレフタレートの超高速紡糸における紡糸成形過程」『繊維と工業』第38巻第11号、繊維学会、1982年、 508-513頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 超高速紡糸(日本化学繊維協会)
- ^ 石崎舜三・庵原耕一・藤本和士(帝人)「ポリエステル繊維の超高速紡糸」『繊維と工業』第45巻第5号、繊維学会、1989年、 234-239頁、2022年8月4日閲覧。
- ^ a b 古谷哲朗(東洋紡績)「弾性繊維と乾式紡糸」『繊維機械学会誌「せんい」』第56巻第3号、日本繊維機械学会、2003年、 105-110頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 秦英雄(帝人)「紡糸」『繊維工学』第20巻第6号、日本繊維機械学会、1967年、 374-380頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ a b 菊池彰隆「湿式紡糸の10年」『繊維と工業』第50巻第6号、繊維学会、1994年、 286-288頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 鞠谷雄士「連載<やさしい繊維基礎講座> 紡糸・延伸」『繊維と工業』第59巻第8号、繊維学会、2003年、 252-258頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ “繊維の基礎講座(57) (化学繊維)第6話 化学繊維の誕生6/湿式紡糸、乾式紡糸”. 繊維ニュース. (2005年12月27日) 2022年7月26日閲覧。
- ^ 大田康雄・安田浩(東洋紡績)「最先端のゲル紡糸 高強度・高弾性率化へのニューパラダイム」『高分子』第44巻、高分子学会、1995年10月、 658-661頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 井口正俊・京谷裕子「「ゲル紡糸」について」『繊維と工業』第46巻第10号、繊維学会、1990年、 471-476頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 安田浩・伴薫・大田康雄「最新のゲル紡糸」『繊維と工業』第47巻第10号、繊維学会、1991年、 595-601頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 桜木功(クラレ)「PVA繊維と有機溶剤湿式冷却ゲル紡糸」『繊維工学』第56巻第3号、日本繊維機械学会、2003年、 120-125頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ a b “繊維の基礎講座(61) (化学繊維)第9話 化学繊維の誕生9/液晶紡糸”. 繊維ニュース. (2006年1月6日) 2022年7月26日閲覧。
- ^ a b 島村薫、沖原巧「剛直性高分子の固体構造」『電子顕微鏡』第28巻第1号、日本顕微鏡学会、1993年、 49-53頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 菊地哲也(東レ)「液晶紡糸 : とくにP-配向全芳香族ポリアミド繊維について」『高分子』第25巻、高分子学会、1976年3月、 182-186頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 大田康雄「剛直性高分子PBO繊維の特徴と用途 (PDF) 」 『ポリイミド・芳香族系高分子 最近の進歩 2005』、日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会、2005年、 19-27頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ 島村薫・橋本暁直「PBZT繊維―最強繊維の構造と物性―」『繊維と工業』第47巻第6号、繊維学会、1991年、 324-328頁、2022年7月28日閲覧。
- ^ 中野恵之・東山幸央(兵庫県立工業技術センター)「エレクトロスピニング法によるナノファイバーの製造技術と用途」『繊維と工業』第66巻第12号、繊維学会、2010年、 404-412頁、2022年7月26日閲覧。
- ^ “紡績技術特集/複合紡糸”. 繊維ニュース. (2004年8月23日) 2022年7月28日閲覧。
- ^ 松尾輝彦(旭化成)「細さへの挑戦:直接紡糸法極細繊維(ポリエチレンテレフタレート)」『繊維と工業』第54巻第3号、繊維学会、1998年、 74-77頁、2022年7月28日閲覧。
- ^ 高崎緑(信州大学)「レーザーエレクトロスピニングによる極細繊維製造技術の開発」『成形加工』第22巻第10号、プラスチック成形加工学会、2010年、 545-549頁、2022年8月6日閲覧。
- ^ 戦後日本のイノベーション100選 人工皮革(発明協会)
- ^ 井上猛司(クラレ)「複合紡糸技術の最近の進歩と将来の展望」『繊維と工業』第31巻第1号、繊維学会、1975年、 8-12頁、2022年7月28日閲覧。
- ^ 不織布とは(ユニチカ不織布事業部)
- ^ (加藤 2011, pp. 183–186)
- ^ a b “化学繊維を徹底解説。知っておきたい歴史や紡糸、代表的な素材など”. TECTLI (2019年7月16日). 2022年7月31日閲覧。
- ^ a b c d e f 馬越淳・馬越芳子(農業生物資源研究所)「カイコの繊維形成と絹の結晶化」『繊維と工業』第63巻第9号、繊維学会、2007年、 244-252頁、2022年8月4日閲覧。
- ^ a b c 片岡紘三(農林水産省蚕糸試験場)「カイコの紡糸 天然の妙に学ぶ」『高分子』第28巻、高分子学会、1979年8月、 579-582頁、2022年7月28日閲覧。
- ^ a b 絹の不思議(愛媛県農林水産研究所) (PDF)
- ^ 皆川基(農林省蚕糸試験場)「絹精練に関する電子顕微鏡的研究」『繊維学会誌』第16巻第6号、繊維学会、1960年、 507-513頁、2022年8月24日閲覧。
- ^ 玉田靖「絹の化学と材料開発」『化学と教育』第64巻第9号、日本化学会、2016年、 456-459頁、2022年7月31日閲覧。
- ^ 平林潔、荒井三雄、松村正明「絹の特性とその応用」『繊維工学』第38巻第1号、日本繊維機械学会、1985年、 40-46頁、2022年7月31日閲覧。
- ^ 山口新司(クラレ)「模倣から創造へ」『高分子』第39巻、高分子学会、1990年11月、 794-797頁、2022年8月6日閲覧。
[続きの解説]
「紡糸」の続きの解説一覧
- 1 紡糸とは
- 2 紡糸の概要
- 3 紡糸直結型不織布
- 4 参考文献等
紡糸
「紡糸」の例文・使い方・用例・文例
- >> 「紡糸」を含む用語の索引
- 紡糸のページへのリンク