映画情報 |
第三の男
| 原題: | The Third Man |
| 製作国: | イギリス |
| 製作年: | 1949 |
| 配給: | 東和=東宝 |
| キャスト(役名) |
| Joseph Cotten ジョゼフ・コットン (Holly Martins) |
| Valli ヴァリ (Anna) |
| Orson Welles オーソン・ウェルズ (Harry Lime) |
| Trevor Howard トレヴァー・ハワード (Major Calloway) |
| Bernard Lee バーナード・リー (Sergeant Paine) |
| Paul Hoerbiger パウル・ヘルビガー (Harry's Porter) |
| Ernst Deutsch エルンスト・ドイッチ (Baron Kurtz) |
| Siegfried Breuer ジークフリート・ブロイアー (Popescu) |
| Erich Ponto エリッヒ・ポント (Dr. Winkel) |
| Wilfrid Hyde White ウィルフリッド・ハイド・ホワイト (Crabbin) |
| Hedwig Bleibtreu ヘドウィッヒ・ブライプトロイ (Anna's Old Woman) |
| Annie Rosar アニー・ロザー (Porter's Wife) |
| Herbert Halbik (Little Hansl) |
| Alexis Chesnakov (Brodsky) |
| Paul Hardtmuth (Hall Porter (Sacher's)) |
| 解説 |
| 「ホフマン物語」のアレクサンダー・コルダと、「白昼の決闘」のデイヴィッド・O・セルズニックが協同で提供する一九四九年作品で、カンヌ国際映画祭グラン・プリを受賞した。戦後イギリス文壇で代表的な位置に立つカソリック作家グラハム・グリーンが映画のために原作を書卸し、自ら脚色、これを「邪魔者は殺せ」のキャロル・リードが監督、同時に製作も担当している。撮影は「邪魔者は殺せ」のロバート・クラスカー、装置は「バグダッドの盗賊(1940)」のヴィンセント・コルダ他の担当である。なお音楽はこの映画のためにウィーンのジッタア演奏家アントン・カラスが作曲、自ら演奏したものが唯一の伴奏となっている。主演は「旅愁」のジョゼフ・コットン、「白銀の嶺」のヴァリ、「黒ばら」のオーソン・ウェルズ、「黄金の龍」のトレヴァー・ハワードで、以下「会議は踊る」のパウル・ヘルビガー、バーナード・リー、エルンスト・ドイッチ、エリッヒ・ポントらが助演する。 |
| ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
| 米国の西部作家ホリイ・マーティンス(ジョゼフ・コットン)は、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、四国管理下にある戦後のウィーンにやって来たが、ハリーは自動車事故で死亡し、まさにその葬式が行われていた。マーティンスは墓場で英国のMPキャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)と連れになり、ハリーが闇屋であったときかされたが、信ずる気になれなかった。ハリーは生前女優のアンナ(アリダ・ヴァリ)と恋仲であったが、彼女と知り合ったマーティンスは、彼女に対する関心も手伝ってハリーの死の真相を探ろうと決意、ハリーの宿の門衛(パウル・ヘルビガー)などに訊ねた結果、彼の死を目撃した男が三人いることをつきとめた。そのうち二人はようやく判ったが、“第三の男”だけはどうしても判明しないまま、マーティンスは何者かに脅かされはじめ、門衛も殺されてしまった。一方アンナは偽の旅券を所持する廉でソ連MPに粒致されることになり、それとも知らずに彼女の家から出て来たマーティンスは、街の物蔭に死んだ筈のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)をみつけた。ハリーがペニシリンの大闇で多数の人々を害した悪漢であることを聞かされていたマーティンスはこれをMPに急報し、アンナの釈放と引きかえに彼の逮捕の助力をするようキャロウェイから要請された。マーティンスはハリーとメリイゴウラウンドの上で逢い、改めて彼の兇悪振りを悟って、親友を売るもやむを得ずと決意したが、釈放されたアンナはマーティンスを烈しく罵った。しかし病院を視察してハリーの流した害毒を目のあたり見たマーティンスは結局ハリー狩りに参加、囮となって彼をカフェに侍った。現れたハリーは警戒を知るや下水道に飛込み、ここに地下の拳銃戦が開始され、追いつめられた彼はついにマーティンスの一弾に倒れた。かくて改めてこの“第三男”の埋葬が行われた日、マーティンスは墓地でアンナを待ったが、彼女は表情をかたくしたまま彼の前を歩み去って行った。 |
ウィキペディア |
第三の男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/12 14:05 UTC 版)
| 第三の男 | |
|---|---|
| The Third Man | |
| 監督 | キャロル・リード |
| 脚本 | グレアム・グリーン |
| 製作 | キャロル・リード デヴィッド・O・セルズニック アレクサンダー・コルダ |
| 出演者 | ジョゼフ・コットン オーソン・ウェルズ アリダ・ヴァリ |
| 音楽 | アントン・カラス |
| 撮影 | ロバート・クラスカー |
| 編集 | オズワルド・ハーフェンリヒター |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 105分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 ドイツ語 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『第三の男』(だいさんのおとこ、原題: The Third Man)は、1949年製作のイギリス映画。キャロル・リード監督作品。第二次世界大戦直後のウィーンを舞台にしたフィルム・ノワール。
光と影を効果的に用いた映像美、戦争の影を背負った人々の姿を巧みに描いたプロットで高く評価されている。また、作品のテーマ曲となったアントン・カラスの演奏や、ハリー・ライム役のオーソン・ウェルズの怪演も有名。
目次 |
概要
映画製作
映画の企画を立案したのは、イギリス人の映画プロデューサーであるアレクサンダー・コルダである。彼はオーストリア=ハンガリー帝国時代のハンガリー出身であり、往年の繁栄したウィーンを知っていた。ウィーンに対するコルダの思い入れが、第二次世界大戦で破壊され荒廃したウィーンを舞台にした映画制作の動機となったと言われている[1]。
脚本はカトリック作家として著名なグレアム・グリーンが執筆したものである。グリーンは同名の小説も書いているが、これは映画の公開後に出版されたものであり、通常の意味での原作とは異なっている(グリーンが映画のシナリオに取り掛かる前に私的に執筆したものであり、本来は出版される予定のないものであった[2])。コルダから脚本執筆の依頼を受けたグリーンは1948年の2月にウィーンに赴き、四分割統治下のウィーンをつぶさに観察した[3]。物語の重要な要素であるペニシリンの密売やウィーン地下の巨大な下水道は、シナリオ執筆のためにウィーンに滞在中のグリーンが実際に見聞した体験を参考にしている[4]。
映画の撮影は1948年10月22日に、物語の舞台であるウィーンで開始された。同年12月11日にウィーンでの撮影を終了したスタッフはイギリスに帰還し、ロンドンのシェパートン・スタジオで残りの部分を撮影した[5]。原作者のグリーンと監督であるキャロル・リードは二人きりで映画のストーリー・ラインについて話し合い、その結果脚本に何度も変更が加えられた。カットなしで撮影されたラストシーンは、当初の予定にはなかったものである。グリーンが最初に書いた脚本ではハッピーエンドとなるはずであった[6]。グリーンの原案に反対し、映画の幕切れを現在に残る形に変更させたのはプロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックであった[7]。また、当時彼のスタジオのお抱え俳優だったジョセフ・コットンやアリダ・ヴァリを映画に出演させるように取り計らったのもセルズニックだったとされる。
作中のハリー・ライムによる台詞、「スイスの同胞愛、そして500年の平和と民主主義はいったい何をもたらした? 鳩時計だよ」は、グリーンが執筆した脚本の草稿には存在せず、ライム役を演じたオーソン・ウェルズの提案によるものである[8]。セルズニックは当初ウェルズの起用に反対していたが、最終的にウェルズを強く推薦する監督のリードに同意せざるを得なかった[7]。ウェルズの起用は結果的に正解だったとされるが、撮影中ウェルズは様々なトラブル(ウェルズがウィーンに到着するのが遅れたために仕方なく彼の代役を立てて撮影したこと、映画のクライマックスである下水道での追跡シーンに出演するのを拒否したことなど[7])を引き起こしスタッフを悩ませた。
公開後
映画は1949年9月に開催された第3回カンヌ国際映画祭に出展され、そこで最高賞に相当するグランプリを獲得した。同年9月3日にイギリスで公開され、興行的にも批評的にも成功を収めた。1950年度のアカデミー賞では監督賞、撮影賞(白黒部門)、編集賞の3部門でノミネートされた。そのうちロバート・クラスカーが撮影賞(白黒部門)を受賞した。
現在では映画史に残る傑作として、高く評価されている。映画ベスト100などの企画で、必ずと言っていいほど名前が挙げられる常連作品である。1998年にアメリカ映画協会が選んだ映画ベスト100中第57位にランクインした。1999年に英国映画協会が選んだイギリス映画ベスト100では第1位を獲得した。2003年にアメリカ映画協会が選んだアメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100では、ハリー・ライムが悪役部門第37位に選出された。
テーマ曲
映画の撮影スタッフと共にロケ地であるウィーンを訪れたリードは、そこでツィター(オーストリアの民俗楽器)奏者のアントン・カラスに出会った。カラスの巧みな演奏に感銘を受けたリードは、既にオーケストラの楽曲が用意されていたにもかかわらず、カラスの音楽を映画のBGMとして起用するように主張した[7]。映画が公開された後、カラスの作曲したテーマ曲は1950年代最大のヒット曲となった[8]。
このテーマ曲は、映画の登場人物の名前から「ハリー・ライムのテーマ」とも言われている。日本ではヱビスビールのCM(これがきっかけで恵比寿駅の発車メロディにも採用)や、阪急電鉄梅田駅で終電間際に流れる音楽などに使われている。また、ムーンライダーズがアレンジカバーしている。原由子のベストアルバム『ハラッド』にボーナストラックとして収録されている。
あらすじ
舞台は第二次世界大戦後、米英仏ソの四ヶ国による四分割統治下にあったオーストリアの首都ウィーン。当時ウィーンの酒場で人々に親しまれたツィターのメロディ(アントン・カラスによるテーマ曲)をBGMに物語の幕が開く。
アメリカの売れない小説家ホリー・マーチンスは、親友ハリー・ライムから仕事を依頼したいと誘われ、意気揚々とウィーンにやって来た。ライムの家を訪ねるマーチンスだが、門衛はライムが自動車事故で死亡したと彼に告げる。ライムの葬儀に出席するマーチンスは、そこでイギリス軍のキャロウェイ少佐と知り合う。少佐はライムが闇取引をしていた悪人だと告げたが、信じられないマーチンスはライムへの友情から事件の真相究明を決意する。
事件の関係者を調査するマーチンスは、ライムの恋人であった女優のアンナ・シュミットと出会う。マーチンスと彼女は二人で事件の目撃者である宿の門衛に話を聞き、現場に未知の〈第三の男〉が居たことをつきとめる。しかし貴重な証言を残した門衛は何者かに殺害され、マーチンスがその下手人だと疑われてしまう。また、国籍を偽っていたアンナもパスポート偽造の罪でソビエト連邦のMPに連行されてしまう。
進退に窮したマーチンスは、アンナの下宿の近くで〈第三の男〉と邂逅する。
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- ^ グレアム・グリーン著『第三の男』収録の川本三郎による解説「たそがれの維納」より、197~198頁
- ^ グレアム・グリーン著『第三の男』、8頁
- ^ グレアム・グリーン著『第三の男』収録の川本三郎による解説「たそがれの維納」より、198頁
- ^ グレアム・グリーン著『第三の男』、11~14頁
- ^ Charles Drazin、“Inside Information”(映画研究家チャールズ・ドラジンによる映画の紹介、クライテリオン・コレクション版DVD収録)
- ^ a b グレアム・グリーン著『第三の男』、10頁
- ^ a b c d Charles Drazin、“Behind The Third Man”(クライテリオン・コレクション版DVD付録の小冊子より)
- ^ a b Roger Ebert、“Great Movies – The Third Man”、1996年12月8日。(参照:2009年5月15日)
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