空間とは? わかりやすく解説

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空間

★1a.小さな口の中に大空間がある。

『バーガヴァタ・プラーナ』 ヤショーダーに抱かれた幼いクリシュナ神が、あくびをする。その口の中に、空・星・太陽・月・海・山など全宇宙が見えたので、ヤショーダーは仰天した

『マハーバーラタ』第3巻の巻」 聖仙マールカンデーヤが、クリシュナ化身ある少年口中吸いこまれる腹の中に入ると、そこに都市・王国・山々神々・人・動物など、全世界現出する。マールカンデーヤは数百年間過ごした後に、口から吐き出される

★1b.ポケットの中に大空間がある。

影をなくした男シャミッソー青年シュレミールは園遊会で、長身痩躯年配の男に出会う。男は灰色がかった燕尾服ポケットから、人々望みに応じて望遠鏡トルコ絨毯テント・馬3頭などを、次々に出す。男は悪魔であり、シュレミールに「あなたの影をゆずってほしい」と申し出る→〔交換〕2。

★1c.小さな球体中に原寸大宇宙空間がある。

アレフボルヘス) 「わたし(ボルヘス)」は友人カルロスの家の地下室暗闇で、アレフ見せられた。それは直径2~3センチ玉虫色光り輝く球体で、宇宙空間がそっくり原寸大のまま、そこにあった「わたし」は、地球あらゆる場所と人々を、あらゆる角度から見た広大な砂漠と、砂粒1つ1つが、同時に見えた昼と夜黎明黄昏が、混じり合うことなく共存していた。それは思量絶する世界だった。

*壺の中に大宇宙入ってしまう→〔宇宙〕4の『壺』(星新一)。

*壺の中の大空間→〔壺〕2の『後漢書』列伝72方術伝」・『仙境異聞』(平田篤胤)上ー1。

小さな部屋の中の大空間→〔部屋〕5の『今昔物語集』3-1

*仏の掌の中大空間→〔掌〕3。

★2.大山芥子粒入れ大海毛穴入れる。

維摩経6章 維摩居士説いた。「菩薩が『不可思議解脱』という悟りを得ると、広大な須弥山しゅみせん)をそのまま小さな芥子粒中に入れることができる。須弥山大きさ変わらず諸天神々は、自分たちがどこに入れられたのか気づかない4つ大海を、1つ毛穴入れることもできる魚類も、龍・鬼神・阿修羅も、自分たちがどこに入れられたのか気づかない」。

★3.小さな頭の方が、日本より広い。

三四郎夏目漱石三四郎は、郷里熊本から初め東京へ行く汽車の中で、広田先生出会った(*→〔皮膚〕2)。広田先生は「日本には、富士山よりほか自慢するものは何もないと言う三四郎が「しかしこれからは、日本もだんだん発展するでしょう」と弁護すると、広田先生は「亡びるね」と断じた。そして、「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より頭の中の方が広いでしょう囚われちゃだめだ。いくら日本のためを思ったって、ひいきの引き倒しになるばかりだ」と説いた

★4a.空間と時間とは別のものではない。

『タイム・マシン』H・G・ウェルズ「ぼく」友人時間飛行家は、「時間は空間の一種にすぎない時間は空間の第4次元なのだから、われわれは空間を移動するのと同様に時間移動できるはずだ」と語る。彼はタイム・マシン作り上げ未来世界旅立って行った→〔時間旅行1a

精神科学から見た死後の生』シュタイナー)「死者との交流(2) 超感覚世界では本当に時間が空間になってあたかも空間中のさまざまな地点のように、あちらこちら時間存在している。時間は過ぎ去らず、ただ空間的に遠いか近いかという状態なのだ。この講演会場と、皆さんお宅とは離れている。同様に超感覚世界では現在と過去離れている。皆さんお宅は、ちゃんと存在している。そのように超感覚世界では過去消え去らず存在している。

空間的に遠い所に見えことがらを、実現までに長い時間がかかる、と解釈する→〔水鏡3aの『古今著聞集』巻7「術道」第9・通巻297話。

★4b.上へ登る未来へ行き、下へ降りる過去へ行く。

時間挟まれた男』(シェクリイ) ジャック下宿部屋出て階段降りると、そこは先史時代で、棍棒を持つ原始人がいた。彼はあわてて部屋戻りタンスの上へ登ってみると、そこは未来社会で、汚染され大気中に大都市があった。ジャックはもう1度先史時代降り原始人棍棒持ち帰って下宿家主状況説明するその頃宇宙管理局が、時間割れ目修復すべく工事行なっていた。修復完了した瞬間家主棍棒持ったまま消えたジャック無事だった

★4c.時空間を見る。

スローターハウス5ヴォネガットビリートラルファマドール星誘拐された(*→〔誘拐〕6)。彼は言う。トラルファマドール星人は、個々の星の過去から未来までの位置を、すべて見わたすことができる。それゆえ彼らの眼からは、宇宙空間は、光るスパゲッティ満たされているように見える。人間は、一端赤ん坊の足があり、他端老人足がある長大ヤスデのように見える。

★5.劇が演ぜられる舞台上では、空間と時間自在に転換する

パルジファルワーグナー第1幕 聖杯近くの中。旅の若者パルジファル迷い込んで聖杯守護騎士団長老グルネマンツと出会う。グルネマンツがパルジファル語りかけるうちに、舞台背後では、から聖杯城へと少しずつ場面転換するパルジファルが「あまり歩いていないのに、もう遠くへたような気がすると言うと、グルネマンツは「ここでは時間が空間に変わるのだ」と教える。

★6.空間の起源

『レ・コスミコミケ』カルヴィーノ)「ただ一点に」 宇宙にまだ空間がなかった頃、全存在一点凝集していた。「わし(Qfwfq)」もそこにいた。ある時、Ph(i)Nko夫人が「ほんのちょっとの空間があれば、皆さんにおいしいスパゲッティこしらえてあげたいわ」と言った。皆が「空間」というものを思い浮かべた瞬間一点は、何百光年、何万光年、何十光年の距離に拡がり、「わしら」は宇宙八方投げ出された。

巨人天地分けて空間を作った、という話もある→〔天地〕3。

宇宙起源→〔宇宙〕5のドゴン族宇宙創成神話(『アインシュタイン・ロマン第4巻第3章)。

★7.虚無宇宙空間

狼疾記中島敦) 三造が小学4年生の時、担任教師が、未来地球運命について話したことがあった。地球冷却し人類滅びるばかりではない。何万年か後には、太陽冷えて光を失い真っ暗な空間を、黒い冷たい星どもが、誰にも見られずに、ただぐるぐる廻っているだけになってしまう。それを聞いて、三造はたまらなくなった人類無くなったあとの、無意義な・真っ黒な・無限の時の流れ想像すると、恐ろしさ堪えられなかった。

果てしない空間を永遠にさすらう思惟→〔夢と現実〕4bの『不思議な少年』(トウェイン)。

★8.二次元平面空間に住む「わたし」

二次元の世界アボット「わたし」は、2次元世界に住む正方形だ。ある時、3次元世界から球が訪れ「わたし」は球に連れられて、未知方向である「上」へ向かう。「わたし」2次元世界を見下ろす経験をし、初めて「高さ」というものを知ったこの上には、さらに4次元5次元6次元・・・という世界も、存在する違いない「わたし」2次元世界へ戻り、円や多角形たちに、3次元世界実在説く。そのため「わたし」は、刑務所入れられてしまった。

★9.もしも、地球や月が二次元平面上の存在だったら三次元世界から自在に操作できるだろう。

『「タルホと虚空」』稲垣足穂フランス航空学者ペルテリー氏が月へ行く機械発明した、との夕刊記事があった。「私(タルホ)」の友人オットーは、「ぼくにはもっと斬新な方法がある」と云って、卓上にあった紙片両端に月と地球とを描き、紙を折りたたんで両者幾何学の証明のように重ね合わせてしまった。

*→〔千里眼〕1の『デイヴィドソン不思議な目』(H・G・ウェルズ)でも同様に、紙を折り曲げて千里眼現象原理説明する

円環状に曲がった空間→〔円環構造〕7の『長い部屋』(小松左京)。

*歪(いびつ)な空間の中の箱→〔箱〕8の『東洋更紗』(稲垣足穂)「ロバチエウスキイの箱」。





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