あきた‐やけやま【秋田焼山】
読み方:あきたやけやま
⇒焼山
秋田焼山(秋田県)
1366m 北緯39度57分50秒 東経140度45分25秒 (焼山)(三角点) ※座標は世界測地系による
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概要
直径約7km、比高約700m、緩傾斜(15°以下)の山体からなる小型の成層火山。
主に安山岩(SiO2 58%)の主山体頂部に直径600mの山頂火口(外輪山)があり、焼山山頂はその南西縁。2個のデイサイトの溶岩円頂丘が火口底の中央火口丘鬼ヶ城(SiO2 71%)と火口南東縁にある。主山体東側に側火山栂森があり、その中央火口丘国見台から東に溶岩が流出している。主山体南側にも側火山黒石森がある。
焼山山頂付近は硫気変質が著しく、山頂火口や山麓に多くの温泉がある。西麓の玉川温泉は強酸性で、北投石(鉛を含む重晶石)の沈澱が有名。また、火山ガスによる登山者の事故も起きている。有史以後の噴火は鬼ヶ城や北面の爆発火口、空沼からの泥流流出などがある。 別名、熊沢山、硫黄山。
最近1万年間の活動
山頂部で拇森西溶岩ドームが形成された(大場:1991)。その後、山頂部を給源とする水蒸気爆発が、少なくとも3回(14~15、15~17、17世紀以降)発生している(伊藤:1998)。これ以外に堆積物としては保存されていない、ごく小規模な水蒸気爆発が歴史時代においても何回も発生していると思われるが、詳細は不明。
記録に残る火山活動
過去の火山活動履歴
※「概要」及び「最近1万年の活動」については日本活火山総覧(第3版)(気象庁編、2005)、「記録に残る火山活動」については前述の活火山総覧及び最近の観測成果による。
火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。
2005年6月22日に新たな噴気活動の目撃情報がありました。それに伴い現地調査を行いました。現地観測の結果、火山活動に特段の変化があったことを示すものではないと考えられます。現地調査の結果(2005年6月の火山活動解説資料)(PDF:205kb)
秋田焼山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/25 06:19 UTC 版)
秋田焼山(あきたやけやま)は、秋田県の北東部に位置し、鹿角市と仙北市との境界にある活火山である。
- ^ 阿部藤助は蒸ノ湯温泉を経営するかたわら、宮川村の助役を8年、村長を15年無報酬で務めたほか、鹿角郡農会長などを歴任し、電灯会社を興し、観光や農業など郷土の興隆に生涯をささげた人物である。彼はまた八幡平までの山道を切り開いている。八幡平山頂から西北西500mにある藤助森(1604m)は彼にちなんで名付けられた。阿部藤助は、秋田焼山北北東約850mの標高1228m地点にあった又一鉱山(又一硫黄山)の経営も行っていた。
- ^ 『鹿角』大里周蔵編
- ^ ベコ(牛)が放牧されていたからの銘々。人為的な四角の水飲み場がある。1980年代頃まで放牧が行われていた。(越前谷康『自然と人を尊重する自然史のすすめ: 北東北に分布する群落からのチャレンジ』、2018年、p.129)
- ^ 『鹿角』では「又一の湯」という名称で次のように紹介されている。「常に強烈な硫黄泉で、 皮膚病又は傷所等を癒しには持って来いである、此湯に浴せんとする人は、直き上の 干沼から泥硫黄を掘る為めに設けられた、阿部藤助氏の又一鉱山の事務所に宿泊を頼むが 一番である、地は約四千尺の高所にあり、千山万岳を足下に瞰むの展望、朝風夕陽の清澄、雲煙雨露 の変化等、正に日本アルプス山中の諸温泉に比すべきものであらう」
- ^ 1997年5月11日に発生した澄川地すべりと水蒸気爆発 地質学雑誌 Vol.103 (1997) No.6 PXXI-XXII
- ^ 1997年8月16日秋田焼山火山の水蒸気爆発(速報) 地質学雑誌 Vol.103 (1997) No.9 PXXVII-XXVIII
固有名詞の分類
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