福島章とは? わかりやすく解説

福島章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 18:34 UTC 版)

福島 章
人物情報
生誕 (1936-01-29) 1936年1月29日
日本東京都
死没 2022年8月1日(2022-08-01)(86歳)
出身校 東京大学
学問
研究分野 医学(精神医学)
学位 医学博士
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福島 章(ふくしま あきら、1936年1月29日 - 2022年8月1日)は、日本医学者精神科医。専門は、犯罪精神医学病跡学上智大学名誉教授

経歴

1936年、東京生まれ。東京都立大学附属高等学校を卒業。東京大学医学部を卒業し同大学大学院医学系研究科精神医学専攻に進んだ。1968年、博士課程を修了し、学位論文『窃盗累犯の精神医学的研究 意志欠如精神病質者の犯罪学および性格学への一寄与』を提出して医学博士学位を取得。

卒業後は府中刑務所医師として勤務した。後に東京医科歯科大学助教授上智大学文学部教授となった。2001年に上智大学を定年退任し、名誉教授となった。学界では、日本病跡学会名誉会長をつとめた。

2022年8月1日、86歳で死去した[1][2]。訃報は同年8月23日に上智大学が発表した[3]

研究内容・業績

事件の精神鑑定

著書

  • 宮沢賢治―芸術と病理』(金剛出版新社、1970年)『宮沢賢治―こころの軌跡』(講談社学術文庫、1985年)
  • 『狂気と正気の間』(至文堂、1972年 ナツメ社、1982年)
  • 『現代人の攻撃性―犯罪心理の異常と正常』(太陽出版、1974年)
  • 『甘えと反抗の心理』日本経済新聞社、1976(講談社学術文庫、1988年)
  • 『犯罪心理学研究1』(金剛出版、1977年)
  • 『愛の幻想―対人病理の精神分析』(中公新書、1978年)
  • 『現代青年心理ノート』(日本教文社、1978年)
  • 天才の精神分析 パトグラフィの冒険』(新曜社、1978年)
  • 思春期のこころの深層―むずかしい年齢をどう生きるか』(大和書房、1979年)
  • 『対抗同一性』(金剛出版、1979年)
  • 『愛と性と死―精神分析的作家論』(小学館、1980年)
  • 『機械じかけの葦 過剰適応の病理』(朝日出版社、1981年)
  • 『青年期のカルテ 受験世代の心理と病理』(新曜社、1981年)
  • 『犯罪心理学入門』(中公新書、1982年)
  • 『性と暴力の世代』(サイエンス社、1982年)
  • 『働きざかりの過剰適応症候群』(大和書房、1982年)
  • 『幼児化の時代―子どもっぽくて、なぜわるい!』(光文社カッパ・サイエンス、1982年)
  • 『天才―創造のパトグラフィー』(講談社現代新書、1984年)
  • 『続 天才の精神分析』(新曜社、1984年)
  • 『こころが危ない―一人ぼっちの時代をどう生きる』(保健同人社、1984年)
  • 『性格をどう生きるか―人格形成の病理と思春期の危機』(彩古書房、1984年)
  • 『犯罪心理学研究2』(金剛出版、1984年)
  • 『非行心理学入門』(中公新書、1985年)
  • 『精神鑑定―犯罪心理と責任能力』(有斐閣、1985年)
  • 『精神分析で何がわかるか―無意識の世界を探る』(講談社ブルーバックス、1986年)
  • 『犯罪者たち 罪にいたる病』平凡社 1987
  • 『音楽と音楽家の精神分析』(新曜社、1990年)
  • 『歓迎ストレス様御一行 こころの処方を考える』(ネスコ、1990年)
  • 『イメージ世代の心を読む 疑似現実はどういう人間を生み出したか』新曜社、1991 
  • 『ヒトは狩人だった』青土社 1991
  • 『青年期の心―精神医学からみた若者』(講談社現代新書、1992年)
  • 『マンガと日本人―“有害”コミック亡国論を斬る』(日本文芸社、1992年)
  • 『覚せい剤犯罪の精神鑑定』(金剛出版、1994年)
  • 『精神鑑定とは何か―何をどう診断するか?』(講談社ブルーバックス、1995年)「精神鑑定脳から心を読む」文庫 
  • 『天才、生い立ちの病跡学―甘えと不安の精神分析』(講談社プラスアルファ文庫、1996年)
  • 『不思議の国の宮沢賢治―天才の見た世界』(日本教文社、1996年)
  • 『彼女は、なぜ人を殺したのか 精神鑑定医の証言』(小説)講談社 1997 のち講談社プラスアルファ文庫
  • ストーカーの心理学』(PHP新書、1997年)
  • 『殺人者のカルテ 精神鑑定医が読み解く現代の犯罪』清流出版 1997
  • 『創造の病―天才たちの肖像』(新曜社、1997年)
  • 父親殺し 孤独な家族の精神鑑定』講談社 1998
  • 『家族が壊れるとき』(小学館、1999年)
  • 『殺人と犯罪の深層心理―「攻撃願望」というヒトの本性』(講談社プラスアルファ文庫、1999年)
  • 『子どもの脳が危ない』(PHP新書、1999年)
  • ブッシュ・アメリカの精神分析 なぜ、アメリカ人は戦争が好きなのか』(大和書房、2003年)
  • 『殺人という病―人格障害・脳・鑑定』(金剛出版、2003年)
  • 『犯罪精神医学入門 人はなぜ人を殺せるのか』(中公新書、2005年)
  • 『子どもを殺す子どもたち』(河出書房新社、2005年)
  • ベートーヴェンの精神分析 愛と音楽と幼児体験の心理』(河出書房新社、2007年)

共編著

  • 『日本の精神鑑定』小木貞孝中田修共編集(みすず書房、1973年)
  • 『ノイローゼ 現代の精神病理』佐治守夫,越智浩二郎共編 有斐閣選書 1976
  • 『現代臨床社会病理学 今日の不安をどうみるか』岩井寛共編集 岩崎学術出版社 1980
  • 『ふたりっ子家族の親離れ・子離れ』依田明共編 有斐閣新書 1981
  • 『血が酩酊するとき 精神鑑定講義』村松友視対談 朝日出版社 レクチャーブックス、1985
  • 『親と子のかかわり』長島正共編著 金子書房 1986
  • 『性格心理学新講座 第3巻 適応と不適応』責任編集 金子書房 1989
  • 『臨床心理学大系 第11巻 精神障害・心身症の心理臨床』山中康裕,村瀬孝雄共編 金子書房 1990
  • 『イメージと心の癒し』編(金剛出版、1991年)
  • 『境界例の精神療法』編 金剛出版 1992
  • 『精神医学と社会学』編 金剛出版 1992
  • 人格障害』町沢静夫、大野裕共編 金剛出版 1995
  • 『犯罪ハンドブック』編 新書館 1995
  • 『精神分析の知88』編 新書館 1996
  • 『臨床精神医学講座 人格障害』牛島定信共責任編集 中山書店 1998
  • 『現代の精神鑑定』編著 金子書房 1999
  • 『人格障害の精神療法』町沢静夫共編 金剛出版 1999
  • 『パトグラフィーへの招待』中谷陽二共編 金剛出版 2000
  • 『臨床精神医学講座 病跡学』高橋正雄共責任編集 中山書店 2000
  • 『臨床心理学大系 第19巻 人格障害の心理療法』馬場禮子,水島恵一共編 金子書房 2000
  • 『現代の犯罪』作田明共編 新書館 2005

翻訳

  • エリッヒ・ノイマン『グレート・マザー 無意識の女性像の現象学』町沢静夫大平健、渡辺寛美、矢野昌史共訳 ナツメ社 1982
  • ポール・ローゼン『アイデンティティ論を超えて』高原恵子、大沼隆博共訳 誠信書房 1984
  • D.マックスウィニー『クレージーエイプ 精神医学入門』町沢静夫,大平健,林直樹共訳 産業図書 1986
  • B.E.ムーア, B.D.ファイン編『アメリカ精神分析学会精神分析事典』監訳 新曜社 1995
  • P.H.ウェンダー『成人期のADHD 病理と治療』延与和子共訳 新曜社 2002

脚注

  1. ^ "福島章さんが死去 重大事件で精神鑑定". 熊本日日新聞. 共同通信. 2022年8月23日. 2022年8月23日閲覧
  2. ^ “福島章氏が死去 上智大名誉教授”. 日本経済新聞. 共同通信. (2022年8月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2394W0T20C22A8000000/ 2022年8月23日閲覧。 
  3. ^ 福島章さんが死去 重大事件で精神鑑定”. あなたの静岡新聞 (2022年8月23日). 2024年2月2日閲覧。
  4. ^ 福島章、『ストーカーの心理学』、PHP研究所、1997年、215ページ、ISBN 4-569-55594-2
  5. ^ 読売新聞』2002年3月20日東京朝刊第二社会面38頁「[裁く]第6部・心の闇事件(4) 新宿バス放火、2医師に鑑定委嘱(連載)」(読売新聞東京本社
  6. ^ 山梨日日新聞』1981年2月8日朝刊第2版第一社会面15頁「Kを精神鑑定」(山梨日日新聞社) - 『山梨日日新聞』縮刷版 1981年(昭和56年)2月号129頁。
  7. ^ 朝日新聞』1981年9月12日東京朝刊第13版第二社会面22頁「『通り魔』Kを起訴 『心神喪失ではない』と判断」(朝日新聞東京本社
  8. ^ 産経新聞』1993年8月11日東京朝刊第一社会面「5人殺害で死刑判決のF被告 3度目の精神鑑定へ 東京高裁」(産経新聞東京本社
  9. ^ 『読売新聞』1989年9月5日東京朝刊第二社会面30面「女高生コンクリ詰め殺人第2回公判 “異常の真相”探る 少年4人を心理鑑定へ」(読売新聞東京本社)
  10. ^ 千葉日報』1993年5月20日朝刊第一社会面19頁「市川市の一家4人殺し 公判中に被告を再鑑定 弁護側申請認める 千葉地裁で異例の展開 「犯罪心理学から」」(千葉日報社) - 『千葉日報』縮刷版 1993年(平成5年)5月号379頁。

福島章

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つげ義春」の記事における「福島章」の解説

精神科医専門犯罪精神医学の福島章は、つげ作品時期5期分類した第1期 習作期 - 模倣時代白土三平手塚治虫などに影響され描法で、彼らを真似ることでつげは漫画家に「なった」。 第2期 初期 - 貸本漫画時代先人影響残しながらも、ストーリー展開構成にいくらユニークなものが現れる。しかし、このころまでの作品だけであったなら、読み捨てられ凡百作家終わっていた。 第3期 中期 - 貸本漫画時代。『沼』に始まる、つげ独自の世界構築する時代。この時期作品全共闘世代とつげを結び付けた第4期 絶頂期 - 『ねじ式』、『ゲンセンカン主人』を頂点とする、きわめて短い、しかし衝撃的な作品発表した時期第5期 弛緩期 - 自己模倣期。自作傑作贋金作りをしていた。ムンク『叫び』その他の傑作を、さまざまな形模倣したがごとく。屈折したアイロニーという魅力があるとはいえ緊張した迫力喪失している。自己模倣とは『ゲンセンカン主人』に対する『やなぎ屋主人』、『山椒魚』に対する『』など。 第6期 虚脱期 - 「旅日記」ものや「夢日記」ものなどを主に『夜が掴む』、『退屈な部屋』、『必殺するめ固め以降作品で、構成力の低下著しい。

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