神奈川県夏島貝塚出土品とは? わかりやすく解説

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神奈川県夏島貝塚出土品

主名称: 神奈川県夏島貝塚出土品
指定番号 522
枝番 00
指定年月日 1998.06.30(平成10.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、夏島貝塚から出土した縄文時代初頭資料一括である。
 夏島貝塚は、神奈川県横須賀市夏島所在する。現在この地は、金沢湾口面した丘陵南端であるが、元来東京湾内の小島であり、標高二〇メートル測る
 調査は、昭和二十五年および同三十年にかけて、延べ三回行われ、約百平方メートル発掘された。その結果当貝塚は縄文時代早期前半外洋性貝塚あり、か当時としてはわが国最古のものであることが判明した。また貝塚構成する貝層は、大きく下層中層上層分けられ従来型式学的な考察のみで語られていた早期土器変遷が、層位的に初め明らかにされた。この成果学史的にも重要である。さらに貝層構成するカキの殻をミシガン工科大学送り放射性炭素法による年代測定行った結果下層形成BP一九五〇年を基準何年前かを示す記号)九、二四〇年±五〇〇年という値が得られ縄文時代開始期の絶対年代考え重要な資料となった
 遺物深鉢形土器二〇三箇破片を含む)、磨製および打製石斧【せきふ】・礫器【れつき】・石鏃磨石【すりいし】等の石器類四五箇、牙製垂飾【きばせいすいしよく】・釣針牙斧【がふ】・有孔針形骨器【ゆうこうはりがたこつき】等の骨角牙製品三八箇、貝輪残欠・貝穿孔品各一箇構成され、これらが層位によって下層中層上層出土品の三群に分けられるこのうち土器は、下層出土品早期前半夏島式の標識資料中層には田戸【たど】下層式、上層には広義茅山【かやま】式が該当し、うち八箇全形復元されている。
 また釣針は、あぐがない単式形態的完成したもので、さらに製作工程を示す未製品含まれるわが国現存最古釣針一群である。牙斧は、イノシシの牙の一端磨いて刃部とした小形のもので、形態大きさ磨製石斧類似するカキの殻に円孔を開けた穿孔品は、装身具可能性もある。
 本件は、縄文時代初頭貝塚遺跡出土品として多彩な内容をもつものであり、その学術的価値は高い。また縄文土器層位学研究や、理科学手法による年代測定法わが国初め考古資料応用した点等、本資料出土した調査学史的に重要な意義をもつ。


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